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転がる香港に苔は生えない 文春文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋/文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2006/10/10 |
| JAN | 9784167717070 |

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転がる香港に苔は生えない
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商品レビュー
4.5
53件のお客様レビュー
香港返還前後を描いた2年間の記録。帯にあったその言葉に惹かれて手に取った本作。 2年のあいだ度々香港へ旅行した記録ではなく、実際に住んで、香港に暮らす人々と会話した内容がわかりやすくまとめやれていて読みやすい。 驚愕したのは茶餐廳で一目惚れ(?)した男の子が暮らす街に引っ越し...
香港返還前後を描いた2年間の記録。帯にあったその言葉に惹かれて手に取った本作。 2年のあいだ度々香港へ旅行した記録ではなく、実際に住んで、香港に暮らす人々と会話した内容がわかりやすくまとめやれていて読みやすい。 驚愕したのは茶餐廳で一目惚れ(?)した男の子が暮らす街に引っ越して、その男の子と親しくなるという行動力。令和の日本ならストーカーとか言われそう。土地柄なのか、時代なのか。 大陸出身の方の身の上話や、カナダパスポートを取れたから勝ち組というわけでもない話、めまぐるしく変わる香港に暮らす人々の順応性は興味深い。 「いつ奢ってくれるの?」と香港人が言うのは親しいから、麻雀は社会でのよくできたコミュニケーションツールである、など、香港人ならではの感覚も面白かった。 今度香港に行くときには、著者が暮らした深水埗に絶対行こうと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
別れ、再会、疎遠、遭遇、衝突、すれちがい、離散 ‐返還前夜の香港‐あの時あの場所でしか起きえなかった交流の必然と偶然が描かれている。 生活を前に進めるには持っているものを切り捨てなければいけない、いくつものそういう描写に気持ちが辛くなった。 「多様性」の理解を一歩進めるきっかけにもなった。 多様性とは、肌の色、宗教、年収などではなく、バックグラウンド。いつ香港に来たか、どんな手段で香港に来たか、なぜまだ香港に居続けるのか、そういった全ての背景が一人ひとりを形作る。背負っているものを明かすことあるし、隠しておくこともある。これらの集合体が香港の多様性だと知った。 作中に何回か出てきた「尊厳」という言葉が気に入った。 (本物の資本主義国である)香港において尊厳を保つため、時に少し高い買い物をする。相手の尊厳を守るため、モノを直接手渡す。資本主義は尊厳を過敏に反応させる。尊厳を気にすることなく過ごせる国は「いい国」であり無防備だ。
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97年中国返還前後の香港で、著者の体感した「香港とは」と香港の移り変わりがとても率直に書かれていて面白い。 著者の半端ない逞しさと香港への好奇心がなせる良書だと思う。 30年近く経ち、もうこの本にある香港を見つけることのほうが難しいのかもしれないけど、もし香港を訪れることがあれば...
97年中国返還前後の香港で、著者の体感した「香港とは」と香港の移り変わりがとても率直に書かれていて面白い。 著者の半端ない逞しさと香港への好奇心がなせる良書だと思う。 30年近く経ち、もうこの本にある香港を見つけることのほうが難しいのかもしれないけど、もし香港を訪れることがあれば、もう一つのガイドブックとして、この本を持って行くことだろう。
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