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転がる香港に苔は生えない の商品レビュー

4.5

45件のお客様レビュー

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2009/10/04

返還時の香港や香港人の描写に頷ける点も多く面白いが、そのいちいちが不必要に感傷的すぎる。香港人よりも香港を求めすぎて、結局は筆者のノスタルジーの押し付けの点が否めない。

Posted byブクログ

2009/10/04

わぁ。すごい。こういう人が書いた本を読んでいきたいと思った。知らなかった香港ワールドが私の中に降ってきた。

Posted byブクログ

2009/10/04

1997年の香港返還という、沸きあがったような混乱する香港の九龍の古アパートに住み、さまざまな人と出会う。これほど読み終えたときの満足感をえられるノンフィクションは、少ないだろう。

Posted byブクログ

2009/10/04

香港の中国返還という日にその場に立ち会いたいと、一年前から香港で暮らし始めた女性のルポ。広東語を習い、中文大学時代の高学歴の同級生から密航者、新移民たちまで香港で暮らす様々な人たちの物語。非常に真摯に人と対峙する姿勢に好感が持てます。旅行者として香港芸能迷として私は香港が好きだけ...

香港の中国返還という日にその場に立ち会いたいと、一年前から香港で暮らし始めた女性のルポ。広東語を習い、中文大学時代の高学歴の同級生から密航者、新移民たちまで香港で暮らす様々な人たちの物語。非常に真摯に人と対峙する姿勢に好感が持てます。旅行者として香港芸能迷として私は香港が好きだけれど、ここまで力いっぱい向き合うことはできない。何より登場する人々が生身の存在として描かれるところがいい。この値段で久々に読み応えのある本に出会った。著者の住んでいた頃から姿を変えてしまったとしても、また香港に行ってみたくなる一冊。

Posted byブクログ

2011/09/19

『深夜特急』以後の紀行文をふたつあげるとしたら、ひとつは小林紀晴の『ASIAN JAPANESE』。 そしてもうひとつが、この『転がる香港に苔は生えない』。 書店にはあまり並んでいなかったが、このほど文庫化され物理的にも経済的にも入手しやすくなった。文藝春秋えらい! 香港が中国に...

『深夜特急』以後の紀行文をふたつあげるとしたら、ひとつは小林紀晴の『ASIAN JAPANESE』。 そしてもうひとつが、この『転がる香港に苔は生えない』。 書店にはあまり並んでいなかったが、このほど文庫化され物理的にも経済的にも入手しやすくなった。文藝春秋えらい! 香港が中国に返還される1997年7月、その前後の約2年の間、著者は香港で暮らした。だから正確には紀行とは呼べないのかもしれない。 その頃、日本のメディアは香港のことを大きく取り上げたが、近頃はさっぱりだ。 でも、この作品は、1997年が遠くなっても、変わらない魅力を持っている。 著者の視線は、取材者としてではなく、部外者だが香港という街に一緒に暮らす側にある。 友人として香港の人々と接する。だから、ただの旅行者には、聞くことのできない、感じることのできない話や想いを結果的に集めることになる。 香港は大陸からの移民が多く集まっている。中国返還をひかえ、人々の不安は増している。政治や国といったものは信用ならない。 頼れるものは血縁、友人、自分。そしてお金。 働く。儲ける。 だまっていたら赤の他人は誰も何もしてはくれない。 だから生きていく姿勢、必死さが日本人と決定的に違う。じっと静かに苔など生やしていられない。 そんな厳しいがエネルギッシュな街に暮らす人々。 想いを寄せるカフェの青年。大陸に妻を残し働き続ける男たち。インテリ層の大学時代の友人も仕事や金銭面で成功したり、うまくいかなかったり。 そして1997年7月1日がやってくる…。 返還前後の香港の日々を見事にとらえた大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。

Posted byブクログ