わが悲しき娼婦たちの思い出 の商品レビュー
始まりのグロさには驚くも最後はこれは純愛小説だと思った。ガルシア=マルケスの締めくくりはやはり100歳(年)なんだと少し安心した。
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『眠れる美女』のねっとりとした執拗ないやらしさに比べるとアッケラカンとしたヤラシさ。お年寄りの妄想を読んでいる気分。 物語は面白くなかったけれど、これまで挫折してきたマルケスのほかの本に比べて翻訳がすこぶる読みやすかった。
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多幸感溢れる老人讃歌。 インパクトのある1文目。 パッと読めるのに、味わい深い。 『100年の孤独』で感じたマルケスの重厚な物語る力はもちろん健在。 素敵な短編を読んだ時の特有の爽快感もある。 恋に落ちた時の高揚感や、周囲の物事への認識の変化の描写がとにかく楽しいし、 もち...
多幸感溢れる老人讃歌。 インパクトのある1文目。 パッと読めるのに、味わい深い。 『100年の孤独』で感じたマルケスの重厚な物語る力はもちろん健在。 素敵な短編を読んだ時の特有の爽快感もある。 恋に落ちた時の高揚感や、周囲の物事への認識の変化の描写がとにかく楽しいし、 もちろんありえない設定なのに、老いへの希望を持つことが出来るちょうどいい塩梅。 物語の名手。
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贈り物に買った自転車を我慢できずにぐるぐる漕いでしまうところと、猫が好き。老境に達して精力の衰えるなかでも女体の輝かしさを愛でるとき、その喜びは幼ない無邪気な心にも似て、それが終盤のいわば老人讃歌のようなきらめきに結晶する。
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「満九十歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝にしようと考えた。」老人の話。 一方的にデルガディーナと名付けたうら若き処女の娼婦がすやすやと眠る様を見て、歌を歌ってやるだけでいい、それだけで心は踊り高揚する様はまさしく恋である。それもかなりのプラトニッ...
「満九十歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝にしようと考えた。」老人の話。 一方的にデルガディーナと名付けたうら若き処女の娼婦がすやすやと眠る様を見て、歌を歌ってやるだけでいい、それだけで心は踊り高揚する様はまさしく恋である。それもかなりのプラトニックな恋愛で、デルガディーナとはセックスもしていなければ特段の会話もない。しかしそれだけで満たされ、その恋情を記事にしたりとパワーが外向きに発せられていく主人公の生命力が凄まじい。 老いらくの恋というともっと内省的になりそうなものである気がするが、とにかく外へ外へと発信されるそのパワーが、何ともラテン系ぽくて面白い。九十歳でここまで恋に振り回されドッタンバッタンできる人がいるだろうか。
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筆者77歳の時の作とある。川端康成の「眠れる美女」からヒントを得たとある・・で登場人物は絶倫爺様、娼婦宿のおかみと14歳の少女。しっかりとある起承転結、中身のほぼ大半を占める爺様のモノローグ・・あたかも丘を流れる渓流の如くさらさらと、転で男の死体が見つかりそれを巡るチャンチャン。...
筆者77歳の時の作とある。川端康成の「眠れる美女」からヒントを得たとある・・で登場人物は絶倫爺様、娼婦宿のおかみと14歳の少女。しっかりとある起承転結、中身のほぼ大半を占める爺様のモノローグ・・あたかも丘を流れる渓流の如くさらさらと、転で男の死体が見つかりそれを巡るチャンチャン。その間に挿入される父、母の思い出、外電屋として働いていた時のこぼれ話。自らを醜男、内気であると任ずる。だがしっかりその人生は性に彩られ良かったではありませんか。しかもその少女と良い仲となりまずはめでたしの人生謳歌。
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これを読み始めて調べてみたら、G・マルケスは2014年の4月に没していた。正直、もっと昔の人かとも思っていた。あと、これだけの偉人が亡くなったのにあまりニュースにならなかったのも遺憾(私が見落としていただけなのか・・・)。 この本は90歳を過ぎて一人身の男性の哀愁と切望、でもマルケスは87歳で亡くなったそうで残念だ。晩年は痴呆も入っていて離れて住む弟を困惑させていたとか。 ・・・なぜ本の感想なのにマルケスのことについて書くのかと言えば、この本にあまりなんの感想も持てなかったから。90歳の誕生日に好きでもない猫の引換券をもらって、彼なりに一生懸命勉強したうえで猫を引き取ったり、猫が年を取りすぎているから殺すしかないと言われて憤慨したりする様は好感を持てたが。少女に関して言えば、別にプラトニックを貫いたとも言い難いし、何を書き表したかったのかもよくわからない。この本からマルケスを読み始めなくてよかった。もしそうなら、多分2冊目は読まないだろうから。
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90を迎えた老人の孤独を癒すのは処女であり娼婦の少女。 老年を一人迎えた男は誰しもこのような姿をさらすのかしら。 マジックリアリズムさはないけれどきっとこれもガルシアマルケス。
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図書館のおすすめの本のコーナーにあったので借りて読んでみた。…が、うーん、面白くないって訳では無いが。 終盤の昔なじみの娼婦とのやり取りが印象的だった。彼女の言うことがいくつかすごく心に残りました。
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90歳という途方もなく長い年月を生きてきた老人が、人生の最後に出会った愛について。 それは娼館での出会いだったが、2人の間には性的な関係はまったくなく、それどころか言葉さえ交わさず、顔も合わせていない。2人の年齢はおじいさんと孫以上に離れているが、愛し合っているという確かな想いは...
90歳という途方もなく長い年月を生きてきた老人が、人生の最後に出会った愛について。 それは娼館での出会いだったが、2人の間には性的な関係はまったくなく、それどころか言葉さえ交わさず、顔も合わせていない。2人の年齢はおじいさんと孫以上に離れているが、愛し合っているという確かな想いはそこにある。純粋なのかなんなのか、不思議なお話
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