容疑者Xの献身 の商品レビュー

東野圭吾(著者)

2023/12/02

今更ながら読了。
愛する人を守るために犯した完全犯罪。

こんなにも愛に溢れているのに何故誰も救われないのだろう。

最後は本当に苦しく、涙が溢れた。

2023/11/18

ガリレオシリーズ初の長編。
待ってましたって感じ。短編でもそれはそれで面白いけど、どっぷり浸かる感じがたまらない快感。
しかも、タイトル通りの容疑者の献身。愛する人のために我が身を犠牲にしてでも貫こうとする正真正銘の愛。
最後は胸が締め付けられます。

2023/10/31

さすがの東野さん！といった作品。最後までどういうトリックなのか想像がつかなく一気にこの作品にのめりこんでしまう。切なさの残り方も半端なく素晴らしい作品。友人同士のせめぎ合いお見事です。

2023/10/21

ガリレオシリーズで一番好きな作品。
見返りを求めない、まさに献身と言える不器用な純愛が楽しめる。
ただ恋愛だけでなくトリックのほうも予想外で面白い。

湯川と石神の天才同士のやり取りに最初から最後まで惹き付けられる。
小説の良さである心理描写を存分に楽しめる作品だと感じた。

石神の自分に対する自信のなさから生まれる偏屈な恋愛感情は共感できる。
自分より優先順位が高いものにまだ出会ったことはないが、そんなものが自分にも欲しいと思えた。

2023/10/20

とても面白かった。
文章はすんなり読ませて、ほとんど読み直したりする必要がない。
最初から事件の真相は分かっているから、いつバレるのか、どんな探り合いになるのか、ハラハラしながら一気に読めた。
しかし、トリックは最後の最後まで分からなかった。（何度かこうかな、と思った部分はあったが、石神の掌の上だった）

ただ、靖子の自分にはこんなに愛してくれる人がいるのに、なぜ幸せになれないのか、という悲しさ。
美里は手首を切らなければならないほどに思い詰め…。

結局、石神は、誰のことも救えていなかった。
人を殺してまで。
それがいたたまれない。

2023/09/28

ブクログを始めるずっと前に読んだ本だけど、自分の中のベストオブベストなので今更ながら登録しておく。。
再読したい。。

2023/09/11

直木賞受賞作｡元夫からの復縁に怯えた母と娘｡しつこい復縁に､母が元夫を殺害､知り合いと元夫の遺体を隠そうとする｡この事件に､刑事と変人科学者が挑む｡

2023/05/20

この作品はここまでの東野圭吾の凄いところを全て網羅した、人間の奥深く、美しい部分や嫌らしい部分を表現し、ミステリー作家として極上のトリックを用いて(久しぶりに全く新しいトリックを見た様な気分だ)生み出した傑作と呼ばれるに相応しい作品だ。
　そもそも冒頭は波風がなく、単純に進んでいく様な印象だ。犯人もわかっており、淡々と進む様子は余り期待出来ないのかと感じていたが、少しづつ物語に違和感を感じるんだ。その違和感がとんでもない大きさになり、読者に向けて放たれる。こんなトリックは聞いた事が無いし、違和感に気づいた時は脱帽。
　更にこれだけに収まらず、人間の愛を純粋にもの凄い濃度で描写している。容疑者の最後の慟哭は、今まで小説を読んで感じた事が無い様な(本当に声が聞こえてきそうな)程、僕の心を揺さぶり、読了後、余韻で数日間活字を求めなかった程だ。
　まだ未読の方には是非読んで欲しいし、数ある筆者の作品の中で最も完成度が高い(物語として)小説だ。
　しかも長すぎず読みやすいのにこの迫力だ！！

2023/05/11

心に残るミステリーのひとつ！
謎解きだけど読ませるミステリー！
ラストは全てが揃い足元がなくなる感じに〜

ぜひ〜

2023/04/24

ガリレオシリーズ3作目。
湯川学が唯一才能を認めた数学の天才石神は学者の道を諦め高校教師になっていた。
隣人の花岡靖子に密かに思いを寄せ、勤め先の弁当屋に通う日々。ある日、花岡母娘は強引に訪ねてきた元夫を殺してしまう。
茫然自失の2人を殺人犯にさせない為、並外れた頭脳を駆使する石神。

しかし警視庁は欺いても湯川学には通用しない。
石神の本質を知っているが故に微妙な変化に気付いてしまう。真相を知り悲しみ苦悩する湯川が草薙に警察官ではなく友人として聞いてくれるかと問いかける場面は友人を思う気持ちが溢れている。
自殺を思いとどまらせてくれた母娘の為に犯罪を犯してまで庇い続けた石神。彼の強い愛情は一体どこから来るのだろう。

最も印象的だったのは留置場に居る石神を訪問する場面。
真相を石神の想いを靖子に話したと言っても最後まで自作のシナリオを崩すことなく性悪を演じる石神。
「その素晴らしい頭脳を、そんなことに使わねばならなかったのはとても残念だ。この世に二人といない僕の好敵手を、永遠に失ったことも」と言った湯川。
そして全てが崩れた瞬間に叫び声をあげた彼を「触るな、せめて泣かせてやれ」と庇った場面は泣けた。

人間とは、どれほど天才的な頭脳をもっていても愛する人のためなら非人道的な事を犯すことも厭わないのか、、
これまでの人生を投げ打ってまで誰かを助けたい気持ちとはどれほどのものなのか、、
感情を揺さぶられ深く考えさせられた作品。素晴らしいの一言。