MOMENT の商品レビュー
とある病院には末期患者の最後の願いを叶えてくれる必殺仕事人がいる。依頼者と必殺仕事人の話。 死生観について書かれている本だけれど、爽やかに感じるのは主人公の人柄なのだろうか。
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唯一本棚に置いておきたいと思える小説。誰かにおすすめするときは必ずこの小説を伝える。その時の気持ちで読みたい本が変わるが、この本はいつ読んでも面白い。本多先生の書く人物は、どこか捻くれていて感情表現が分かりづらい、だがストーリーが進むにつれて人間らしさが増すことで、ストーリーと合...
唯一本棚に置いておきたいと思える小説。誰かにおすすめするときは必ずこの小説を伝える。その時の気持ちで読みたい本が変わるが、この本はいつ読んでも面白い。本多先生の書く人物は、どこか捻くれていて感情表現が分かりづらい、だがストーリーが進むにつれて人間らしさが増すことで、ストーリーと合わさり面白さが増える。MOMENTの神田は好きな人物像そのもの。【FECE】三枝氏の「しゃらくせえ」「おっしゃる通り」の会話や、他にも言葉のセンスで本多先生の凄さを感じることが出来る大好きな小説です。
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病院のアルバイト清掃員 神田は、黒衣の必殺仕事人に成り代わって死を待つ人の願いを聞いていく。しかしなぜ必殺仕事人は死に近い患者のみの願いを受け入れるのかという根本的な疑問に立ち合った時、未だ議論されている安楽死と生についての問題に直面することになる。前半は神田が患者の願いを聞き入れ、若者として将来の葛藤を覚えたことを描いたのみだと思っていたが、生と死という答えの出ない根本的な問題を提起したこの小説に、小説としての意義を感じた。また彼の他の作品も読んでみたい。
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『バイト清掃夫大学生が必殺仕事人になってみた!?』 清掃バイト先の病院で、死期迫る人の願いを叶える仕事を引き受けた神田。 奇跡は…起きない。ハッピーエンドに…ならない。ハラハラ・ドキドキは…無い。 淡々と不器用に人の死と向き合いつつ、自らを見つめ直していく姿に、ジワジワと心揺さぶられる。
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主人公が同じ短編集です 死ぬ前に1つ願いを叶えて欲しい… そんな人達の思いに主人公が出来る限り応えて。な感じのお話しです どのお話しもハズレなく、とっても良かったです 出てくる人々全てが印象に残る良いお話しでした 幼馴染で葬儀屋の森野さんが男前で良いキャラだなーと思ってたら、...
主人公が同じ短編集です 死ぬ前に1つ願いを叶えて欲しい… そんな人達の思いに主人公が出来る限り応えて。な感じのお話しです どのお話しもハズレなく、とっても良かったです 出てくる人々全てが印象に残る良いお話しでした 幼馴染で葬儀屋の森野さんが男前で良いキャラだなーと思ってたら、続編のWILLはその森野さんが主人公ですね(^^)
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古い商店街の幼馴染の男女が主人公のシリーズ。 神田くんが掃除のバイトをする病院の中で起こる四つの出来事。それぞれにちょっとしたサスペンス風ながら、葬儀屋の森野との関係が織り込まれる。 他の作品の前後の物語も合わせて、軽妙で小粋なミステリータッチの作品がとても好きだ。
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何度目かの再読でさすがに展開は覚えていて驚きはないが、やっぱり好きだなと思う。 病院の掃除夫として働く主人公が、死にゆく人たちの最後の願いを叶えてあげる話…というとその通りなのだけど、なんかちょっと違うという気もする。少なくとも「絶対泣ける」なんてコピーがついたありがちな感動スト...
何度目かの再読でさすがに展開は覚えていて驚きはないが、やっぱり好きだなと思う。 病院の掃除夫として働く主人公が、死にゆく人たちの最後の願いを叶えてあげる話…というとその通りなのだけど、なんかちょっと違うという気もする。少なくとも「絶対泣ける」なんてコピーがついたありがちな感動ストーリーではない。 死がテーマのわりに暗さはなく、かといって軽く描いているわけでもない。後味の悪い結末もあるが、それはそれで人間の業の深さを目の当たりにして達観したような気持ちにもなる、不思議な読後感だ。 主人公の神田からしていまいち掴めない。モラトリアム全開かと思えば少し違うような気もするし、とはいえ幼馴染の森野に比べるとまだ大人になりきれていないと自覚してはいる。 森野は出番は多くはないけど、かなりいいキャラ。横断歩道の例えもいい。 神田は全編を通して様々な人と会話をする。そのどれもがどこかしらユーモアを含んでいて、それがこの本の魅力になっていると思う。 特に深くもなんともないのだけど「女の子は、いったいいつごろその特殊技術を習得するんです?」って感心するシーンがなんか好き。
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2021.11.22 124 wishとfireflyがよかった。死ぬことをめっちゃ考えてしまった。
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「MOMENT」本多孝好 著 【あじわい】 deleに続いて二冊目として選択した本多さんの著書。deleは一話完結の連作に対して、MOMENTは一話ずつが最後の章で重なり合う連作です。 また、dele は、主人公に探偵要素を込めているため、小刻みに展開するリズムです。 一方で...
「MOMENT」本多孝好 著 【あじわい】 deleに続いて二冊目として選択した本多さんの著書。deleは一話完結の連作に対して、MOMENTは一話ずつが最後の章で重なり合う連作です。 また、dele は、主人公に探偵要素を込めているため、小刻みに展開するリズムです。 一方で、MOMENTは、主人公が一般的な大学生であるため、描写に日常を感じます。 【著書の舞台】 病院です。 入院、退院、または、残念ながら最期が近づく患者もいます。 舞台となる病院には、最期の願いを叶える使徒が存在するという噂があります。 【テーマ】 ひととして、最期が近づくとき、MOMENTを迎えるとき、何を願うのでしょうか? それは、自身の願いなのでしょうか? はたまた、大切な誰かの願いを叶えるために、その願いを自身の願いと読み変えて祈るのでしょうか? ------------ 著書を通じて、私たちは、何人かのMOMENTに対峙しあいます。 その擬似体験を通じて、今だからこそ、自身のMOMENTを想像、描くことができることを認識できます。
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「病院で掃除夫のアルバイトをする大学生の「神田」。彼の元には、病院内のとある噂がきっかけで患者の願いや頼み事が来るようになる。 」 神田と患者とのやり取りには心を暖めされられ、患者の言葉には生きることと死ぬことについて考えさせられました。あらすじに「静かに胸を打つ物語」と書いてありますが、まさにその通りだと思いました。
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