MOMENT の商品レビュー
本多孝好の小説を勧められて読んでみたかったんです。でもあらすじを見て、病院で最後の願いを聞く話かぁーと、正直あまり惹かれなくて読むか迷ってました。 読んでみていい意味で裏切られたと思います。 ただ感動するお話じゃないんです。 運命の再会とか、言えなかった告白とか、、、世の中そ...
本多孝好の小説を勧められて読んでみたかったんです。でもあらすじを見て、病院で最後の願いを聞く話かぁーと、正直あまり惹かれなくて読むか迷ってました。 読んでみていい意味で裏切られたと思います。 ただ感動するお話じゃないんです。 運命の再会とか、言えなかった告白とか、、、世の中そんな感動的でキラキラした願いだけじゃないんです。 もっと人って利己的で生に執着している。ということを感じた話でした。 主人公の心情描写が非常に上手でより入り込めるし、会話のテンポとかも非常に好きで、本多孝好にハマった一冊でした。
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「言わないのね」 「はい?」 「もぅ帰ろうって」 「せっかくのデートですから」と僕は言った。「デートを終わらせるのは女性の役目です。引き伸ばすのが男の役目」 「ねぇ、もぅ1ヶ所だけ付き合ってくれる?」 「そういうの、やめたほうがいいですよ。安い女に見られます」 「じゃあ、ど...
「言わないのね」 「はい?」 「もぅ帰ろうって」 「せっかくのデートですから」と僕は言った。「デートを終わらせるのは女性の役目です。引き伸ばすのが男の役目」 「ねぇ、もぅ1ヶ所だけ付き合ってくれる?」 「そういうの、やめたほうがいいですよ。安い女に見られます」 「じゃあ、どうすればいいのよ」 「男が聞くのを黙って待ってればいいんですよ」 「男は、どう聞くの?」 僕は伝票を手にして、椅子から立ち上がった。 「さて、次はどこへ行きます?」
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「Moment」本多孝好著 読了。独特の雰囲気に引き込まれる短編集。関連作もあるようなので楽しみ。表題作に対する好悪の判断は保留。
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主人公の大学生と病院で入院している余命数日から数ヶ月の患者たちを取り巻く4つの話が入った短編集で、連作になっています。 淡々と進行していて、死ぬ前の最後の願いにも人の歴史ありという感じで、一筋縄にはいかない展開でした。内容は重いのですが、文章の力なのか、重々しい感じはせず、何とも...
主人公の大学生と病院で入院している余命数日から数ヶ月の患者たちを取り巻く4つの話が入った短編集で、連作になっています。 淡々と進行していて、死ぬ前の最後の願いにも人の歴史ありという感じで、一筋縄にはいかない展開でした。内容は重いのですが、文章の力なのか、重々しい感じはせず、何ともいえない透明な感じがしました。 一つ一つの章が適度にあるだけでなく、主人公の会話の切り返しも面白かったです。 読んだ後は、自分だったらどうだろう?と考えてしまった作品でした。
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ハッピーエンドのお話はあまりなかったです。何でも叶えてくれるとはいっても思ってもみなかった方向に進んでいくこともあり。 とてもとても共感してしまうセリフがありました。
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病院で働く掃除夫と、葬儀屋の社長が常に出てくるお話だけあって、死ぬとは/生きるとは/最期の迎え方 などがテーマとなっている短編集。 ミステリー感も、恋愛感も、ファンタジー感もあり、短編毎は読みやすいけど、伏線がスッキリ回収していく感じは足らないかな。 それは、謎解きではなく人の人...
病院で働く掃除夫と、葬儀屋の社長が常に出てくるお話だけあって、死ぬとは/生きるとは/最期の迎え方 などがテーマとなっている短編集。 ミステリー感も、恋愛感も、ファンタジー感もあり、短編毎は読みやすいけど、伏線がスッキリ回収していく感じは足らないかな。 それは、謎解きではなく人の人生に寄り添うという意味では、解き明かさなくて良いのかもしれない。 周りの人が病気やったり、人の死を、病気を身近に感じる人には、もう少し心の琴線に触れるかも。
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死を眼前に控えた患者に、最後の望みをかなえようとする人がいたなら、私は何を望むだろう。私の持つセンチな感情を超えて、著者は、お涙頂戴風な物語ではなく、厳粛な気持ちにさせる物語を紡ぐ。名作だと思う。春樹風な、ユーモアの含んだ文体が心地よい。
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舞台は病院。 死が間近に迫った患者たちに伝わるとある噂。 それは、死に際に一つだけ願いを叶えてくれるというものだった。 人は死に直面したときに最後に何を願うのか。 「病人の願いを叶えて、心温まる」系かと思ったら、意外とゾワっとするところも。 死に際だからといって、みんな...
舞台は病院。 死が間近に迫った患者たちに伝わるとある噂。 それは、死に際に一つだけ願いを叶えてくれるというものだった。 人は死に直面したときに最後に何を願うのか。 「病人の願いを叶えて、心温まる」系かと思ったら、意外とゾワっとするところも。 死に際だからといって、みんながみんな優しくなれるなんて、そっちの方が珍しいんじゃないかなと思う節があったので、これはリアルな感じが良かった。 それでも綺麗な話は良いな。3編目が好きだ。 ファミレスの場面とか、なんか素敵だった。
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あそこで走るやつと走らないやつがいる。向こうに渡るって目的は同じでもな いつかは辿り着く。それが早いか遅いかだけで。神田のことをきちんとみてる森野は素敵な女性だな。
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★2009年1月16日 5冊目読了『MOMENT』本多孝好 評価B+ 病院で掃除夫のバイトをする大学生に死期が近づいた患者が、死ぬ前に一つの願いを叶える為に次々と訪れる。 人は死ぬ瞬間に何を思い、考えるのか?人の業とはどこまで深いのか?本多らしい軽いタッチで、それぞれの患者が抱え...
★2009年1月16日 5冊目読了『MOMENT』本多孝好 評価B+ 病院で掃除夫のバイトをする大学生に死期が近づいた患者が、死ぬ前に一つの願いを叶える為に次々と訪れる。 人は死ぬ瞬間に何を思い、考えるのか?人の業とはどこまで深いのか?本多らしい軽いタッチで、それぞれの患者が抱えるそれまでの人生を語らせ最後の想いを綴っていく。深みはないけど、死を扱う割には、読後感のさわやかな作品。
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