MOMENT の商品レビュー
裏表紙にあるとおり、静かに胸を打つ作品。それぞれFACE、WISH、FIREFLY、MOMENTとタイトルが付けられた4章から構成されているが、いずれも死を目前にした人の願いを一つだけ叶えるという必殺仕事人伝説を、ある事情からやむなく請け負っている病気の清掃アルバイトの大学生の神...
裏表紙にあるとおり、静かに胸を打つ作品。それぞれFACE、WISH、FIREFLY、MOMENTとタイトルが付けられた4章から構成されているが、いずれも死を目前にした人の願いを一つだけ叶えるという必殺仕事人伝説を、ある事情からやむなく請け負っている病気の清掃アルバイトの大学生の神田を中心とした様々な人間模様を描く。話の展開に意外性もあり、この手の話にありがちないい人ばかりが登場するお涙頂戴だけではないところが魅力。一見冷淡に見える主人公を通して、生きることに対する青白い炎のような熱が感じられる良作。
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気持ちよく、穏やかな気分で読める1冊です。 病院の掃除婦をバイトでしている主人公もさることながら、脇でいい味出している、葬儀屋の幼なじみや、仕事の先輩の老女についてもかなり気になります。 続編が出ているので、さっそく読もうと思っています。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
独特の台詞まわしで、「生」と「死」を巡るいくつかのストーリー。しかし…どうも好きになれなかった。 主人公の「僕」の、投げやりな態度の底にある、とても純粋な心には誰だって気づく。なのに…それが最後まで救われないままなのが、嫌だ。 森野の存在は、何のために描かれたのか。まさかスピンオフの「WILL」を書くための準備でもあるまいし。 森野には、「僕」の魂を救ってほしかった。もちろん「僕」を好きなんだろうし、ちゃんと心に寄り添っている。ただ…もう一歩を踏み出さないもどかしさ。何が彼女のブレーキなのかも見えないまま終わってしまった…。もっと粘って、もっと主人公たちの心の底を暴いてほしかった。
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死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら・・・。一体何を願うのだろうか? 必殺仕事人伝説。病院で死を間近にした患者の願い事をひとつ叶えてくれる人がいるという。回復して無事退院できる人は対象外で願いさえ聞いてもらえない。真に死が迫っている人だけが、仕事人に願いを依頼することができる。 こ...
死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら・・・。一体何を願うのだろうか? 必殺仕事人伝説。病院で死を間近にした患者の願い事をひとつ叶えてくれる人がいるという。回復して無事退院できる人は対象外で願いさえ聞いてもらえない。真に死が迫っている人だけが、仕事人に願いを依頼することができる。 この本、病院の待合室で読んでたんですけど、余計にリアルに思えてきてなんでこんなところでこれを読むんだろうと縁起でもないことを思っていた。 さて、私自身何を望むだろうか?
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主人公がバイトしている病院には、死に近づいている人の願いを一つだけ叶えてくれる人がいるという噂がある。主人公は入院患者たちの願いを叶えていくのですが、その結末はどれも意外な展開を見せる。4つの短編集のようでもあるが、短編?と思うほどストーリーが濃い。そして当たり前といえば当たり前...
主人公がバイトしている病院には、死に近づいている人の願いを一つだけ叶えてくれる人がいるという噂がある。主人公は入院患者たちの願いを叶えていくのですが、その結末はどれも意外な展開を見せる。4つの短編集のようでもあるが、短編?と思うほどストーリーが濃い。そして当たり前といえば当たり前だけれど、死について考えさせらる。wishが泣ける。
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夏の終わりの夕暮れみたいに透明な空気感。 入院患者たちの最期の望みを叶えるという、ある意味ひどくプライベートな領域に踏み込んでいるのに、どこか他人事の距離を保つ主人公の佇まいがその所以なのかもしれない。 お薦めの本を訊かれたときは必ず挙げる一冊。
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2013/9/12 非常に読みやすかった。 内容は重い空気だが、軽めに読めた。もう少し重めでもよかったかな。それぞれの話で驚きも少しあったけど、最後の話はいまいちだったかな。
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「死ぬ前に一つ願いが叶うとしたら」をテーマに書かれた【FACE】【WISH】【FIREFLY】【MOMENT】の4作品。主人公が割りと淡白に書かれているので死をモチーフにしていながらそれ程重くは無いが、胸を打つことは確か。主人公の神田(大学生)と幼馴染の森野(葬儀屋)の関係に心惹...
「死ぬ前に一つ願いが叶うとしたら」をテーマに書かれた【FACE】【WISH】【FIREFLY】【MOMENT】の4作品。主人公が割りと淡白に書かれているので死をモチーフにしていながらそれ程重くは無いが、胸を打つことは確か。主人公の神田(大学生)と幼馴染の森野(葬儀屋)の関係に心惹かれるものがあった。続編であるWILLも読んでみたい。
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様々なタイミングで死について考えている。 一瞬でも死の間際にいた人間としては身近過ぎる話。 人によって様々な考え方があるテーマであり、 その断片を幾つか切り取ったストーリーは後味は悪くない。 あれから幾ばくかの時が流れた今、 僕は最後に何を望むのか改めて考えてみた。
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たぶん、東大生だろうね。 僕。 名前を言えば、誰もが印籠のようにひれふすような 大学生っていうから。 就職活動もせずに、病院の清掃員としてバイトをしている 僕。 しかし、本当の「お仕事」は、別のお仕事だったという。 内容が、けっこうヘビーなんだけど、 この僕が、ヒョウヒョウ...
たぶん、東大生だろうね。 僕。 名前を言えば、誰もが印籠のようにひれふすような 大学生っていうから。 就職活動もせずに、病院の清掃員としてバイトをしている 僕。 しかし、本当の「お仕事」は、別のお仕事だったという。 内容が、けっこうヘビーなんだけど、 この僕が、ヒョウヒョウとしていて 欲があまりなく、 それでいて、情があって。 本当に、重篤な患者との会話のやりとりも 巧妙なのだ。 でも、なんか切ない。 やっぱり、死ぬ人の話だから。 そして、ついに現れた こっちが、ホンモノなのか!!???? この人の小説、初めて読んだけど、 とてもキレイな文章を書く人だな~って思った。
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