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魔女の1ダース の商品レビュー

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92件のお客様レビュー

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2022/04/22

「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」に次ぐ同著者の二冊目の本。 副題が「正義と常識に水を浴びせる13章」。文化の差異が異なる価値観を産み、異なる文化が異なる言語を産み、美味の評価も変わったり、異文化の交差でそれぞれの文化が際立ったり、また、それが異文化の排斥に繋がったり、文化と言語の...

「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」に次ぐ同著者の二冊目の本。 副題が「正義と常識に水を浴びせる13章」。文化の差異が異なる価値観を産み、異なる文化が異なる言語を産み、美味の評価も変わったり、異文化の交差でそれぞれの文化が際立ったり、また、それが異文化の排斥に繋がったり、文化と言語の違い等で愛国心が芽生えたり、その愛国心を手玉に政治家に馬鹿みたいに騙されたりもする。 文化の多様性の裏表を同時通訳者の著者が下ネタを随所に散りばめながらの実話の数々面白く読みました。 正義と常識は、絶対でないも、それぞれの正義と常識を認め合うことや理解することが大事であり、またその為にも知識や経験を広げることでその一助になるのではないかと思いました。

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2021/10/28

「そういう考え方もできるのか」とか「そんな事情があったのか」など、新たな発見に満ちた一冊だった。 何より、これまでの経験や見聞きした情報から一冊の本にまとめ上げる著者の能力に脱帽。 アメリカに批判的な部分も個人的には好感。

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2019/11/07

チェコで学生時代を過ご、ロシア語通訳者として働く著者が、世界の様々な文化や考え方の違いと、そんな中でもみんな共通する特性などを面白く書いている。歴史や政治など固めの話や、ゴシップやしもねたなど軽い?話も織り交ぜてあって、楽しく読める。自分や自国の文化を絶対と思わず、何事も相対的で...

チェコで学生時代を過ご、ロシア語通訳者として働く著者が、世界の様々な文化や考え方の違いと、そんな中でもみんな共通する特性などを面白く書いている。歴史や政治など固めの話や、ゴシップやしもねたなど軽い?話も織り交ぜてあって、楽しく読める。自分や自国の文化を絶対と思わず、何事も相対的でいろんな考え方がある、という大らかなスタンスが好き。

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2019/12/08

ロシア語の通訳を勤めてきた著者が、これまでに体験したさまざまなエピソードを織り交ぜながら、文化の違いが生み出す悲劇と喜劇について考えたことを綴ったエッセイ集です。 ところどころに下ネタもさしはさまれており、けっして身構えて読むような本ではありませんが、文化の相対性について考える...

ロシア語の通訳を勤めてきた著者が、これまでに体験したさまざまなエピソードを織り交ぜながら、文化の違いが生み出す悲劇と喜劇について考えたことを綴ったエッセイ集です。 ところどころに下ネタもさしはさまれており、けっして身構えて読むような本ではありませんが、文化の相対性について考えるきっかけになるような視点が随所に含まれています。

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2019/10/01

ロシア語通訳者の著者が「所変われば常識も変わる」ということをメインテーマに 様々な具象について語る面白エッセイ。 発刊から20年経っていますが、今もって魅力的です。 通訳という職業柄、異文化のぶつかり合いは日常茶飯事であるでしょうが、 それをここまで上手く論じ、ユーモアをたっぷ...

ロシア語通訳者の著者が「所変われば常識も変わる」ということをメインテーマに 様々な具象について語る面白エッセイ。 発刊から20年経っていますが、今もって魅力的です。 通訳という職業柄、異文化のぶつかり合いは日常茶飯事であるでしょうが、 それをここまで上手く論じ、ユーモアをたっぷりからめることができるのは 米原女史の優れた技ではないでしょうか。 職業柄、知人友人からもれ聞く話も大変面白いものが多いのでしょうね。 文化的なお話もたくさんですが、言語学的な話も交えて色々語っていらっしゃいます。 自身の経験を踏まえた、言語取得に関する話が印象的でした。 とっつきやすい似ている言語を取得している者よりも、 (スラブ語圏学習者がロシア語を学ぶ) かえって言語体系が似通っていない学習者の方が (日本語母語の著者がロシア語を学ぶ) 疑問だらけのまま基礎からしっかり取り組むので、 最終的にその言語に精通する可能性があるのではないか、という指摘です。 しかし皆レビューで下ネタ下ネタ言い過ぎやない、と思ってましたが 自分がこの本で一番印象に残ったくだりが 「嘘か本当か、モスクワの一等地に日本大使館を移転しないかと 打診を受けた日本政府が、好条件にも関わらずその話を断った… 何故か?……住所がヤキ××コ通りだったから」 なので、やっぱりそれなりに耐性のある方お読み下さい。

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2019/01/26

魔女の1ダースは「13」だそうな。 幼少を東欧で過ごし、ロシア語の通訳を生業としていた著者が、いろいろな国の常識の違いについて面白く綴っています。 日本と外国の常識の違いだけでなく、同じ日本の中にも常識の違いが往々にしてあります。育った環境によるものなのでしょう。 頭を柔らかくし...

魔女の1ダースは「13」だそうな。 幼少を東欧で過ごし、ロシア語の通訳を生業としていた著者が、いろいろな国の常識の違いについて面白く綴っています。 日本と外国の常識の違いだけでなく、同じ日本の中にも常識の違いが往々にしてあります。育った環境によるものなのでしょう。 頭を柔らかくして、自分の常識に固執しない。いろんな常識を面白く捉えられる余裕を持つことが大事ですね。

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2019/01/03

ロシア語同時通訳者ということは存じ上げていたが、それ以外はさぱりな米原万里さんだったが、ユーモアあふれた気取りのないさっぱりとしたおばさまがいらっしゃった。通訳者として、文化の異なる人と人をつなぐお仕事。中にはとんでもなく不愉快なこともあれば、政治がらみの言うに言えない経験もされ...

ロシア語同時通訳者ということは存じ上げていたが、それ以外はさぱりな米原万里さんだったが、ユーモアあふれた気取りのないさっぱりとしたおばさまがいらっしゃった。通訳者として、文化の異なる人と人をつなぐお仕事。中にはとんでもなく不愉快なこともあれば、政治がらみの言うに言えない経験もされたことが文章からにじみでていて、その中でもお披露目できる面白いことを茶目っ気たっぷりに書かれていて、見果てぬ土地に興味を持った。「期待の地平はなるべく低いほうがよい。」

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2018/12/30

ロシア語通訳者としての経験談かと思ったら、テーマはあれど話題は絞らないでどんどんと広がっていくエッセイだった。 政治、経済の話かと思ったら食事情が語られ、言語間を橋渡しする感覚を述べた流れで意図せぬ下ネタ通訳の話になったり。 古今東西大小上下と視点の固定を許さない快作。 そして、...

ロシア語通訳者としての経験談かと思ったら、テーマはあれど話題は絞らないでどんどんと広がっていくエッセイだった。 政治、経済の話かと思ったら食事情が語られ、言語間を橋渡しする感覚を述べた流れで意図せぬ下ネタ通訳の話になったり。 古今東西大小上下と視点の固定を許さない快作。 そして、めっちゃ中華料理食べたくなる。 脳と思考に不意打ちの刺激をガツガツ与え、ついでに食欲も刺激される不思議な一冊。

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2018/12/24

「常識」というある種の「先入観」に凝り固まった「大人」に思いっきり冷や水を浴びせかける軽妙なエッセイ「13」章。 私たちの「常識」では1ダースといえば12。ところが、魔女の世界では「13」が1ダースなんだそうな。そう、この広い世界には、あなたの常識を超えた別の常識がまだまだある...

「常識」というある種の「先入観」に凝り固まった「大人」に思いっきり冷や水を浴びせかける軽妙なエッセイ「13」章。 私たちの「常識」では1ダースといえば12。ところが、魔女の世界では「13」が1ダースなんだそうな。そう、この広い世界には、あなたの常識を超えた別の常識がまだまだあるんです。異文化間の橋渡し役、ロシア語通訳をなりわいとする米原女史が、そんな超・常識の世界への水先案内をつとめるのがこの本。 全編を貫くのは、世の中に絶対というものはないという警鐘。いわゆる常識、先入観、思いこみがどれほど当てにならず誤解のもとになるか。例えば体型に関する意識調査では、80%もの日本人女性が自分の体型に不満という結果が。悲しいかなマスメディアもファッション誌もブティックのマネキン人形も、こぞって八頭身欧米人型体型を「理想」として日本人の脳味噌にインプットし続けた結果だと著者は喝破しています。その考えに触れるだけで、ふっと心が軽くなる。 どんなお偉方も権威も、下ネタも、米原女史の手にかかれば相対的に描かれて唸ります。米原氏が師匠と慕う徳永晴美氏に言わせればそこは「宝石箱と汲み取り式便槽の中身を一挙にブチマケタような、おぞましい知の万華鏡の世界。だが、恐れてはならない」。飛び込めば、実に爽快な世界です。

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2018/03/23

少し昔の本ですが、筆者の米原万里さんの魅力的なこと。 ロシア語の同時通訳として活躍された方で、様々な人々が共存していくことへの鋭い洞察力を感じます。 既にお亡くなりとのこと、今の世を見たら、どんなことを語ってくださるのか、聞いてみたいものです。 常識というのは、属する世間での勝...

少し昔の本ですが、筆者の米原万里さんの魅力的なこと。 ロシア語の同時通訳として活躍された方で、様々な人々が共存していくことへの鋭い洞察力を感じます。 既にお亡くなりとのこと、今の世を見たら、どんなことを語ってくださるのか、聞いてみたいものです。 常識というのは、属する世間での勝利の方程式みたいなもので、世間が変われば、その方程式は通用しなくなるのでしょうね。いつの間にか、それを絶対視してしまうのは、愚かなだけでなく、恐ろしいことだと感じました。

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