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犠牲 の商品レビュー

4.1

67件のお客様レビュー

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自分の息子が自殺を図…

自分の息子が自殺を図り、脳死状態に。父親として、科学や医学と自分の感情のハザマで何を考えたかを綴る壮絶なルポルタージュ。著者のルポライターとしてのプロ魂を感じる。

文庫OFF

脳死と臓器提供・移植…

脳死と臓器提供・移植について深く考えさせられる本です。涙が止まらなくなりました。

文庫OFF

2023/08/21

「家族にしてみれば、~脳だけを見て語りかけているのではない。温もりのある体全体、喜びや悲しみを表現してきた体全体に語りかけ、その体全体から最後の何かを読み取ろうとし、需要への物語を創ろうとしているのだ。」 とても素晴らしい1文だと思った。 このような考えや姿勢こそが、つまりは愛な...

「家族にしてみれば、~脳だけを見て語りかけているのではない。温もりのある体全体、喜びや悲しみを表現してきた体全体に語りかけ、その体全体から最後の何かを読み取ろうとし、需要への物語を創ろうとしているのだ。」 とても素晴らしい1文だと思った。 このような考えや姿勢こそが、つまりは愛なのではないかと感じた。 脳死に限らず、人の死について考えることの出来る良書。

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2022/11/03

私も歳をとったので、二人称の死が身近に感じられるようになったきた。 作者の考えに触れ、新しい知見を得ることができたと思う。

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2023/08/15

家族の生や死を描くことはできても、それと向き合う自分を描くのは簡単なことではない。言葉では何かを描き漏らしているような気がしてしまう。それでも一冊描き上げた柳田邦男はすごい。

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2021/11/11

精神病により自殺を図った息子が脳死を経て心停止するまでの11日間において、父親として臓器移植等を体験し考えたことを綴ったノンフィクション。 海外文学作品を引用した心情表現、医学の専門的な内容等、難解な部分はあるものの、あとがき、解説等が充実しており、読みやすく工夫されている。 ...

精神病により自殺を図った息子が脳死を経て心停止するまでの11日間において、父親として臓器移植等を体験し考えたことを綴ったノンフィクション。 海外文学作品を引用した心情表現、医学の専門的な内容等、難解な部分はあるものの、あとがき、解説等が充実しており、読みやすく工夫されている。 家族が脳死になったら家族としてどう向き合うか、また、自分が脳死になった場合の臓器提供をどうするか等、考えずにはいられなくなる内容だった。 読後に少し調べてみたところ、本書が発行されてからの25年の間に臓器移植法が制定・改正され、本書発行時は認められていなかった心停止前の脳死患者からの臓器移植も行えるようになっているようだ。 本書の著者は、息子が脳死となってから心停止するまでの数日間の猶予があったからこそ、息子の死を受け入れることが出来ていた。 心停止を待たずとも臓器移植を行える現代においては、脳死した患者家族の葛藤は、より大きいと思う。 本書の影響により、そのような家族の心に負う傷を少しでも小さくしてくれる枠組みが構築されていることを期待したい。

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2021/10/24

誰にも言えず、誰にも理解されない苦しみ。 筆舌に尽くし難い思い。 それでも、人は、生きていく。 この本を通して背中を見せてくださった。

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2021/05/14

著者の息子が心の病から自死にいたり、脳死判定を受け、腎移植を決断する。 脳死という考えを、当事者というか、肉親の立場から考える。科学上、また、医学上、脳死は、一定の判定をクリアするとそういう判定となるが、死というものは、ここまでが生きていて、ここからが死んでいると言う風にスパッと...

著者の息子が心の病から自死にいたり、脳死判定を受け、腎移植を決断する。 脳死という考えを、当事者というか、肉親の立場から考える。科学上、また、医学上、脳死は、一定の判定をクリアするとそういう判定となるが、死というものは、ここまでが生きていて、ここからが死んでいると言う風にスパッと決められるものではない。肉親は、特にそうだ。少しずつその死を受け入れていく。 自分の息子の死を題材にしているので、主観が入るのは当たり前だし、仕方がないが、ちょっと感情的な文章というか、表現になっているところもあった。それが悪いというわけではなく、だからこそ本書の意味があるといえる。

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2021/02/10

御子息の突然の「脳死」という状態を体験することになった著者。 病院の医師と看護師さん達が家族に寄り添ってくれていて、説明もケアもとても大事にされていたことが家族にとってどれだけありがたかったことか 必要なのは十分な「時間」と「場」 著者が「無駄死にさせるのではなく人の役に立...

御子息の突然の「脳死」という状態を体験することになった著者。 病院の医師と看護師さん達が家族に寄り添ってくれていて、説明もケアもとても大事にされていたことが家族にとってどれだけありがたかったことか 必要なのは十分な「時間」と「場」 著者が「無駄死にさせるのではなく人の役に立ててあげたい」と思い臓器提供の判断をするのは簡単ではないだろう

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2020/09/03

赤裸々にご自分の家族を描いたノンフィクション。精神を病んで自殺された次男、やはり精神を病んでいる奥様、長男も一時生死を彷徨う病気になる等これだけ大変な中作家活動を続けられるのは凄い。本作は、自死された息子さんの為に、彼が残した日記、文章、親子の会話の記憶等から、彼自身が確かに存在...

赤裸々にご自分の家族を描いたノンフィクション。精神を病んで自殺された次男、やはり精神を病んでいる奥様、長男も一時生死を彷徨う病気になる等これだけ大変な中作家活動を続けられるのは凄い。本作は、自死された息子さんの為に、彼が残した日記、文章、親子の会話の記憶等から、彼自身が確かに存在した証を残したい、それを自己犠牲という形で実現したいという考え方に惹きつけられていた事を理解して、その実現を助けようともがく残された家族の実像が見事に表現されている。ノンフィクション作家ならでは、と言おうか。

Posted byブクログ