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無人島に生きる十六人 の商品レビュー

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181件のお客様レビュー

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2022/07/15

ハワイ沖で帆船が座礁、船長以下乗組員16名が流れ着いた無人島における生活を描いた実話。 子供向け雑誌に連載されたとのことで言葉遣いは極めて平易で、エンタメ性と分かりやすさが重視された結果だろう、生き残るために取った行動と思考に焦点が絞ってあり、絶海の孤島でのサバイバルという状況に...

ハワイ沖で帆船が座礁、船長以下乗組員16名が流れ着いた無人島における生活を描いた実話。 子供向け雑誌に連載されたとのことで言葉遣いは極めて平易で、エンタメ性と分かりやすさが重視された結果だろう、生き残るために取った行動と思考に焦点が絞ってあり、絶海の孤島でのサバイバルという状況にも関わらず悲愴感は薄く全体として軽やかで読みやすい。 子供向けであるという制約に加え、作者の美学というか意図から、ネガティブな要素はざっぱり切り落とされており、特に心情的な部分において記録としては正確さを欠く部分もあるのではないかと思われる。 が、それを加味しても、16人の忍耐力と平常心、統率への信頼は驚くべきものがある。 船の破損が決定的となり、これから数年帰れないと思い準備するようにという衝撃に指示にも粛々と従い、飲水の確保や見張り櫓の設置など生存と生還に向けて必要な実務を全員が一体となり強い信頼と結束でこなしていく。形態としては上意下達だが、それは押し付けられたものではなく、そういったシステムを含めた「自分たちの社会」に対する全幅の信頼がベースとなっているように思われる。 果たして今の日本人に同じことができるかというと、これはかなり難しいのではないかと思う。 何はともあれ、16人はいつ終わるともしれない無人島生活を受け入れ、一致団結して生活基盤を築いていく。帰国後を見据えての勉強会すら開催している。 この強さ、向日性はいったい何なのか。 Live as if you were to die tomorrow, Learn as if you were to live forever. 明日死ぬかのように生きよ、 永遠に生きるかのように学べ。 上記はガンジーの言葉だが、いつの時代でもどんな場所でも人間として大事なことはそうは変わらないのかもしれない。 まずは今日一日を頑張って生きてみよう。 そう思わせてくれる一冊でした。

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2022/04/26

子供(小4)に「面白かったよー」と勧められて、 『親子のコミュニケーションに…一応読んどくか』程度の軽い気持ちで読み始めたんですが…とても面白かった。 最後は涙が…笑 普段ナショナリズム的な感情なんてゼロなんですが、 十六人の規律や、伝馬船に乗り込んで助けを呼びに行くときにも服...

子供(小4)に「面白かったよー」と勧められて、 『親子のコミュニケーションに…一応読んどくか』程度の軽い気持ちで読み始めたんですが…とても面白かった。 最後は涙が…笑 普段ナショナリズム的な感情なんてゼロなんですが、 十六人の規律や、伝馬船に乗り込んで助けを呼びに行くときにも服をちゃんと着たりと、かつての日本人って素晴らしいなと思った。

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2022/04/23

無人島に表流し、そこで生活した16人の男たちの物語。 のみみずの確保や海亀牧場、海鳥やアザラシとの交流など、悲惨な毎日の中に、ユーモラスな一面も。 これらは実話なんですね。 全員、無事に祖国の土を踏むことができて良かったです。

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2022/05/23

「須川邦彦」の『無人島に生きる十六人』を読みました。 「須川邦彦」が東京高等商船学校の実習生だったときに教官であった「中川倉吉」先生が自分の体験談として話されたことを物語にしたものです。 -----story------------- 大嵐で船が難破し、僕らは無人島に流れつい...

「須川邦彦」の『無人島に生きる十六人』を読みました。 「須川邦彦」が東京高等商船学校の実習生だったときに教官であった「中川倉吉」先生が自分の体験談として話されたことを物語にしたものです。 -----story------------- 大嵐で船が難破し、僕らは無人島に流れついた! 明治31年、帆船「龍睡丸」は太平洋上で座礁し、脱出した16人を乗せたボートは、珊瑚礁のちっちゃな島に漂着した。 飲み水や火の確保、見張り櫓や海亀牧場作り、海鳥やあざらしとの交流など、助け合い、日々工夫する日本男児たちは、再び祖国の土を踏むことができるのだろうか? 名作『十五少年漂流記』に勝る、感動の冒険実話。 ----------------------- 明治時代に起こった実話をもとにした漂流記です。 無人島に上陸するときに「中川」船長が船員に語った言葉、、、 「これから愉快に暮らそう。できるだけ勉強しよう。  きっとあとでおもしろい思い出になるだろう。」 船が難破し、なんとか無人島に辿り着いた… 水も食料も限られている、、、 そんな事態に遭遇したとき、その事実を前向きには捉えることは難しいと思うんですよね。 でも、そのポジティブな考え方や発言が、仲間に影響し、困難な環境で生きる力を与えたんだと思います。 こんな状況でネガティブ思考になったら、まずは精神的に参っちゃうでしょうからね。 本当は辛くて苦しいことも多かったと思うんだけど、それが強調されてなく、ノンフィクションだということを忘れ、オレも体験したいなぁ… と感じるくらい、知恵と工夫と努力で乗り切った無人島の生活が魅力的に描かれているところが素敵でした。 漂流記として楽しく読めるだけでなく、生き方/考え方についても学ぶことのできた一冊でした。 子どもの頃にワクワクしながら読んだ『十五少年漂流記』や『宝島』、『ロビンソン・クルーソー』、『コンチキ号漂流記』等の漂流モノを(『宝島』は漂流モノじゃないか… )を思い出しましたね。 巻末に付いている「椎名誠」の解説のタイトルは『痛快!十六中年漂流記』でした。 的を得た巧い表現ですよね。 16人が日本に帰還したのが明治32年12月23日… 本書を読み終えたのが、同じ12月23日でした。 偶然とはいえ、不思議な気分になりましたね。

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2022/01/15

明治から昭和初期にかけての軍国主義下にある価値観が反映された書きぶりが見られ、内容に多少の脚色はあろうが、資源に乏しい無人島で知恵を絞り創意工夫を重ね、16人もの男たちが総員、数ヶ月を生き抜いて帰還する様には、素直に驚愕する他ない。 私のようなやわな現代人なら1週間も保つかどうか...

明治から昭和初期にかけての軍国主義下にある価値観が反映された書きぶりが見られ、内容に多少の脚色はあろうが、資源に乏しい無人島で知恵を絞り創意工夫を重ね、16人もの男たちが総員、数ヶ月を生き抜いて帰還する様には、素直に驚愕する他ない。 私のようなやわな現代人なら1週間も保つかどうか…心身ともに屈強な当時の海の男たちの高いサヴァイヴァル力に、心底感服。 また、こういった有事においては、リーダーさえ有能であれば、滅私奉公、上意下達の構造がとても有効に働くのだろう、ということも分かる。 読後に振り返れば、例えば「エンデュアランス号漂流」や「大西洋漂流76日間」といった海外の漂流記に比べ、事の深刻さを排しきった、根拠のない底抜けの能天気さのようなものさえ感じられ、ノンフィクションとしての凄味に欠ける…という一面はあるかも。

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2022/01/05

日常、文明から離れて無人島で生き残ろうとする頼もしい16人。 助け合いの大切さや人の逞しさ、 文明を離れたからこその自然への敬服、 美しさへの感嘆、 生き物への共感、 最後に船を見つけて甲板に乗り込む前に服を着る(その時の為にも裸で過ごす)など人間の人らしさも気高さも忘れない明...

日常、文明から離れて無人島で生き残ろうとする頼もしい16人。 助け合いの大切さや人の逞しさ、 文明を離れたからこその自然への敬服、 美しさへの感嘆、 生き物への共感、 最後に船を見つけて甲板に乗り込む前に服を着る(その時の為にも裸で過ごす)など人間の人らしさも気高さも忘れない明治の海の男。 どのシーンも良かった。 何ヶ月も無人島で暮らしながらも人間関係が良好、むしろ思いやりと協力で生き抜く姿に感動。

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2021/12/26

「「火星の人」の読後感に近い。ポジティブであるということはサバイバルにとって不可欠な要素なのだな。いたずらに悲観せず、やるべきことをやって日々朗らかでいることが生存の秘訣なのだ。

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2021/12/25

十五少年漂流記の日本人版といった趣きの本ですが、私はこちらの方が好きです。みんなで明るく前向きに困難に立ち向かう様が実にいい! 気持ちを前向きにしてくれるステキな本です…オススメ!

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2021/12/16

なりゆきで、沖縄で潜水業の手伝いを半年ほどすることになりました。海に出られる日は船を出してタンクを背負い、潜ります。 海が少し身近になってきた、そんな時に行った整体に本書が置いてあり読みました。 漂流記と言うと、飲水がなく食べ物がなくなり病気になり…その後は語るも悲惨な物語を思...

なりゆきで、沖縄で潜水業の手伝いを半年ほどすることになりました。海に出られる日は船を出してタンクを背負い、潜ります。 海が少し身近になってきた、そんな時に行った整体に本書が置いてあり読みました。 漂流記と言うと、飲水がなく食べ物がなくなり病気になり…その後は語るも悲惨な物語を思い浮かべますが、本書は最後まで痛快。勿論ハッピーエンドです。 あまりにうまく出来すぎていて、フィクションじゃないかと思いますが実話のようです。(勿論脚色はあるのでしょうが) 勤勉で真面目、思いやりとユーモアを常に持ち続けた海の男達の話です。さらっと読めて良い気持ちになれます。前向きになりたいときにおすすめです。 十五少年漂流記も読んでみます。

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2021/11/27

文体が、昔っぽい子供向けで、小学校の図書館で名作全集を読んだ頃を思い出しました。 無人島の南の島で、綺麗な海や、アザラシと触れ合って、みんなで力を合わせてサバイバル! ひどい病気や怪我もなく、健全にハッピーエンドで安心して読めました。 アザラシと仲良くなるところが、一番印象的。 ...

文体が、昔っぽい子供向けで、小学校の図書館で名作全集を読んだ頃を思い出しました。 無人島の南の島で、綺麗な海や、アザラシと触れ合って、みんなで力を合わせてサバイバル! ひどい病気や怪我もなく、健全にハッピーエンドで安心して読めました。 アザラシと仲良くなるところが、一番印象的。 動物好きって、そうなるよね! こころが通じ合うって、なんで幸せなの〜!

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