豊かさとは何か の商品レビュー
社会学、社会福祉学…
社会学、社会福祉学、経済学等を学ぶ、大学生の入門書としては、必携の文献であると思う。続編の『豊かさの条件』(岩波新書)も参照されたい。
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格差社会というものが…
格差社会というものが昨今話題になっている中で、もう一度読むべき価値のある本である。筆者が感じた実体験を基に「人間」を中心に据えた視点から「豊かさ」論じている。具体的に挙げられていたのは、西ドイツの社会である。ヨーロッパに学ぶべきことは多いのではないかと本を読みつつ考えた。また日本...
格差社会というものが昨今話題になっている中で、もう一度読むべき価値のある本である。筆者が感じた実体験を基に「人間」を中心に据えた視点から「豊かさ」論じている。具体的に挙げられていたのは、西ドイツの社会である。ヨーロッパに学ぶべきことは多いのではないかと本を読みつつ考えた。また日本は、どうあるべきなのか、このまま市場原理をさまざまな領域に推し進めて言っていいのか不安になってくる。格差という言葉ではなく、その裏に隠れている、国の方向性をしっかりと見て、考えていく必要があると思った。
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豊かさを、経済と福祉…
豊かさを、経済と福祉の面から考えようと試みた本。経済的には日本は豊かになったといわれるが、それは果たして事実なのか。すでに出版後15年以上経過しているのにも関わらず、日本の現状について考えさせられます。
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カネとモノが至高とされる生活は果たして豊かさを享受できるのか。高度経済成長に邁進した先進国の人びとは周囲に忖度して己の意見を押し留めてしまい大切なものを犠牲にしてしまったのではないか。それに気づく人はまだいい。気づかない人はそれが正しいマジョリティだと盲信するのはカルトにほど近い...
カネとモノが至高とされる生活は果たして豊かさを享受できるのか。高度経済成長に邁進した先進国の人びとは周囲に忖度して己の意見を押し留めてしまい大切なものを犠牲にしてしまったのではないか。それに気づく人はまだいい。気づかない人はそれが正しいマジョリティだと盲信するのはカルトにほど近い。そこに安住はあるのか、その先には疲弊した福祉や教育となればまさに現在の日本だと筆者暉峻淑子は警鐘を鳴らす。現代に流布する言葉・コモンという共同富を使った自治論を展開する斎藤幸平はその流れを継承している。なるほど線は繋がる。そして私たちは本当に今、声を上げるべきだと感じる。
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教育、医療、人としての生き方、暮らし方が、日本とドイツでは大きく異なることが分かる。やはり政治の力が大きいのだと感じる。
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現在勉強中の資格試験の模試の文章理解問題に使用されていて、全文を読みたいと図書館で借りて読みました。 1989年に書かれたものですが、提起されている問題は、改善されたと思われるものもあれば、相変わらず(もしくは悪くなっている)ものもあり、考えさせられました。 当時は経済的(数...
現在勉強中の資格試験の模試の文章理解問題に使用されていて、全文を読みたいと図書館で借りて読みました。 1989年に書かれたものですが、提起されている問題は、改善されたと思われるものもあれば、相変わらず(もしくは悪くなっている)ものもあり、考えさせられました。 当時は経済的(数字上)には豊かだった日本、このままでは経済的にも精神的にも豊かさのない国になってしまうのではないか、そんな気がしてなりません。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
古本屋で出会った書籍のためおよそ30年前のデータや価値観で書かれたものですが、それでも現在の社会に対しても通ずる内容と感じます。 ・当時のお金や物質的な豊かさばかりに囚われそれ以外の豊かさを国民が享受できる状況にないこと ・「健康で文化的な最低限度の生活」をうたいながら実際には生きるギリギリでしか支援が受けられないこと ・その他仕事や生活があまりにも豊かさを感じられないほどに厳しくなっていること ・これらに対する批判や提案とヨーロッパ(特にドイツ)での取り組みやそれによる生活の様子 これらがとても印象的に感じました。カネやモノでしか評価されない豊かさについて考え、人生や生活をどうすれば豊かで満足に生活できるかを考えるきっかけになるのではないかと思います。
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日本が失った豊かさをどう取り戻せばよいのか。 ヒントとして、海外の社会保障、社会資本について、より詳細に学びたいと感じた。
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30年前の本で読みやすかったとは言えないが、今にも通じる問いは多くあった。個人的には2,4,5章に学びが多かった。特に海外の豊かさを体験して、そのイメージを鮮明に持てることは大事なのだろうなと感じる。
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昭和から平成初期に出版されている本を読んでいるのですが、まだスマホやインターネットが普及していない頃の、豊かさや情報社会とは何か、その時代時代に問題はあるのだと思いますが、今の時代に、昭和から平成初期に書かれた書籍を読むと本当に奥深いし、これから本を執筆するための見の糧にもなりま...
昭和から平成初期に出版されている本を読んでいるのですが、まだスマホやインターネットが普及していない頃の、豊かさや情報社会とは何か、その時代時代に問題はあるのだと思いますが、今の時代に、昭和から平成初期に書かれた書籍を読むと本当に奥深いし、これから本を執筆するための見の糧にもなります。
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