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豊かさとは何か の商品レビュー

3.9

64件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2012/07/01

日本は海外から見ればこんな風に思われてるんだ。震災以後日本の様々な対応について、白い目で見られていることは明白。周りがどうではなく、自分はどうしたいのか考えなければいけないと痛切に思う。名著。 「しかし、考えてみると、日本から輸出される安い自動車やコンピューターの背後にも同じ問...

日本は海外から見ればこんな風に思われてるんだ。震災以後日本の様々な対応について、白い目で見られていることは明白。周りがどうではなく、自分はどうしたいのか考えなければいけないと痛切に思う。名著。 「しかし、考えてみると、日本から輸出される安い自動車やコンピューターの背後にも同じ問題があります。自動車を作っている下請け労働者の長い労働時間やウサギ小屋の住宅。少ない有給休暇や、退職したあとの老人福祉の貧しさ。そんな犠牲の上に作られた日本の競争するためには、ヨーロッパの国も同じレベルにまで勤労者の生活を落とさねばなりません。しかし、そうすれば、人びとが営々と何百年もかけてつみ重ねてきた基本的人権や福祉の社会は、経済競争のためにくずされてしまいます。日本の方が、国際社会の進歩に合わせるべきでしょう。日本人が、日本の中だけで生きていくのなら、日本人が好きなように、長時間労働でも何でもすればよいけれど、国際社会の中で生きていこうとするのなら、国際社会のルールに従ってほしい。」

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2012/04/11
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最近書かれた本、だと思ったら「1989年」と知り驚いた。 バブル崩壊前にこの内容を書いて出版するのは凄く勇気がいったと思う。 刷も重ねられているが、恐らくバブル崩壊後に売れ出したのだと思う。 それにしてもまさに今にも当てはまる状況でもあり、この時点から一層状況が進んでいるのであれば事態は深刻 ただ、多少外国のいい所取りをして、日本と比較をしている感があった

Posted byブクログ

2012/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本を読む直前にミヒャエル・エンデの『モモ』を読んだせいか、豊かな生活を送るための必要条件としての「時間」というものを、強く意識させられました。 この本が出たのが1989年。さすがに引用されているデータは古いけど、ポイントとなるところは今の時代でも色あせていません。中でも、日本人の労働時間の長さや、通勤ラッシュを耐え忍んで狭苦しい家に寝に帰るだけの生活でいいのか、という問題提起は、いかにもこの時代ならではだなーという感じです。いまは、通勤ラッシュは変わってないけど労働時間は少しは改善されたのかな。 著者が西ドイツで過ごしたためか、西ドイツはこんなに素敵な生活だった、それに比べて日本はとにかく住環境が悪い、という論点がけっこうダラダラ続くので、そこはふんばりどころ(笑)この著者は当時の日本の住宅を「ウサギ小屋」って表現するのが好きだったみたいです。 環境問題について高い関心を寄せているのも、当時のトレンドを意識してる感じです。そして、「技術は失敗が許されるゆとりのある技術を使うこと。原発のようなギリギリの技術を使うことは、自然や人間にとって危険であるばかりでなく労働そのものを非人間的にする」という主張には、3月11日を境に世界が変わった自分たちとしては、ドキリとさせられる主張です。こんな主張が23年前にあったとは、という感じ。 データはもう使えないので、その点で☆は2つマイナス。でも、問題提起されることの多い「豊かな生活」というベタなテーマについて、23年前から噴出していた問題点を包括的に理解するには良い本だと思います。

Posted byブクログ

2012/01/28

日本と欧州の生活環境の差という視点から、人間としての豊かさについて考える。 驚いたのは、著者が実際に生活し、欧州の生活の豊かであることの例として登場したのが 西ドイツ。 西ドイツ… この本が書かれたのは1989年。そうか まだ壁のある頃か… あと、住環境の劣悪さの説明として提示...

日本と欧州の生活環境の差という視点から、人間としての豊かさについて考える。 驚いたのは、著者が実際に生活し、欧州の生活の豊かであることの例として登場したのが 西ドイツ。 西ドイツ… この本が書かれたのは1989年。そうか まだ壁のある頃か… あと、住環境の劣悪さの説明として提示された土地の値段のべらぼうさ。あぁ、この頃は噂に聞く泡の時代か… ところどころ歴史を感じさせる部分はあるけれども、ささやかながら少しでも豊かな生活を求める一人としては頷くところが多い。そして、この本が書かれてから20年以上、改善されたところと変わらないところ、悪化しているところとを思ってしょんぼりする。 いいかげん、みんなで豊かになりましょうよ。モノではなく。お金ではなく。 “その国の豊かさは、最も困窮している人に対してどのような処遇をしているか、によって証明される、というが、その通りである。強者には政治はいらない。弱者のために政治は必要なのである。”(p.225)

Posted byブクログ

2012/01/03
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高校生のときに読んで、自分の問題意識の根底にあったのは、これだったかと気付かされた1冊。 経済的な豊かさだけではない豊かさを考える。 日本は豊かな社会か、つねに問い続けていかねばならない問いでもある。

Posted byブクログ

2011/11/30

出版された当時に読んだ記憶。改めて読み返してみた。当時はバブル真っ只中、「豊かさ」を物質的(金銭的)なものとしてだけ捉える当時の「経済大国日本」の有り様。今に通じる示唆に富んだ内容でした。

Posted byブクログ

2011/11/24

「人間としての生活」について日本への警告が書いてありました。自分自身の生き方、生活について考える良い機会になりました。自分は”豊か”に生きているのかなぁ・・・。

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2011/11/14

第1版が20年以上前なので、本書に書かれている社会状況は現在では変わっているもしくは改善されている部分もあるものだろうが、しかし本質的な部分は自分が普段生活の中で潜在的に感じていることと全く同じであったことに驚いた。この本を読んで一番考えさせられたのが、今まで自分が思っていた「社...

第1版が20年以上前なので、本書に書かれている社会状況は現在では変わっているもしくは改善されている部分もあるものだろうが、しかし本質的な部分は自分が普段生活の中で潜在的に感じていることと全く同じであったことに驚いた。この本を読んで一番考えさせられたのが、今まで自分が思っていた「社会の基盤を形成するために最も重要なのが“教育”である」という考え方に疑問を持ったことである。確かに「教育」が重要であることには変わりないのだが、それを受け入れる「心の器」もなければ意味がないのではないだろうか。そしてその「心の器」を形成するのが「ライフスタイル」であり、それがまた昨今良く言われるようになったQOLへと繋がるのであろう。だから資本主義社会で生活する上で、社会資本や労働環境の充実はなくてはならないものなのだろう。ただしその考え方を逆手にとって、QOLを「Quality of "my" Life」と解釈する人も多いようだが、本質は「Quality of "social" Life」であることを忘れてはならない。

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2011/09/24

西ドイツ在住経験のある著者が、日本と他の先進諸国との比較から、日本のもつ「豊かさ」の観念の特異性を説明する。 「豊かさ」というと、日本では一般に経済水準の高さと捉えられがちだが、西欧でいう「豊かさ」には人間性の尊重、自然環境の維持、自由競争の前提としての社会福祉の充実、が含まれて...

西ドイツ在住経験のある著者が、日本と他の先進諸国との比較から、日本のもつ「豊かさ」の観念の特異性を説明する。 「豊かさ」というと、日本では一般に経済水準の高さと捉えられがちだが、西欧でいう「豊かさ」には人間性の尊重、自然環境の維持、自由競争の前提としての社会福祉の充実、が含まれている。 著者は、日本は「豊かさ」の実現の仕方を間違えたのではないかと、この本を通じて警鐘を鳴らしている。 20年前に書かれた文章であるが、今尚その批評は示唆に富んでいる。 ただし、ここで書かれている西ドイツでの「豊かさ」が、そっくりそのまま日本に当てはまるかどうかは、甚だ疑問である。 西欧文化と日本文化は、質的に大きく異なる。 導入できる考えと、日本にはうまく馴染まない考えとがあることは、識別されなければならないだろう。

Posted byブクログ

2011/08/03

20年以上前に書かれた本ですが、日本はその根本は変わってないんだなって思いました。 「日本は経済大国であるという。しかし、豊かな国ではない。」 悲しいけれど、そう思います。  豊かさとは何か、どのように豊かな人生を生き、豊かな社会をつくっていくか、考えていくべきなのだと思うので...

20年以上前に書かれた本ですが、日本はその根本は変わってないんだなって思いました。 「日本は経済大国であるという。しかし、豊かな国ではない。」 悲しいけれど、そう思います。  豊かさとは何か、どのように豊かな人生を生き、豊かな社会をつくっていくか、考えていくべきなのだと思うのですが、そんな余裕すら持ち合わせていないのではないか、それを考えるということすらできないでいるのではないか。だから、いつまでたっても変わらないのでしょうか。

Posted byブクログ