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豊かさとは何か の商品レビュー

3.9

64件のお客様レビュー

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2011/04/23

@yonda4 1989年に出版された本。世間はバブル期。 古本屋で理由なく手に取り、購入したがかなり考えさせられる内容だった。 本書の内容を簡単に要約すると、 「モノやカネを常に追求する日本社会の豊かさは間違っている。家族を愛す、自然を愛すなどのゆとりを持てる社会が本...

@yonda4 1989年に出版された本。世間はバブル期。 古本屋で理由なく手に取り、購入したがかなり考えさせられる内容だった。 本書の内容を簡単に要約すると、 「モノやカネを常に追求する日本社会の豊かさは間違っている。家族を愛す、自然を愛すなどのゆとりを持てる社会が本当の豊かさなのではないか」 ということ。 さらに一番重大と考えるのは 「この頃に挙げられている社会問題が何も解決していないこと」 例えば、労働時間が長い、有給休暇も自由に取れない、業務が膨大にあり常に忙しい、などなど。数えるときりがなく、現在では、働くところがない、という問題がプラスされている。 確かに一朝一夕な問題ではないと思うが、何かひとつでも解決する方向へ向かっているのだろうか? 比較対照として西ドイツの社会システムが挙げられている(西ドイツってところが時代を感じさせる)。 日本と西ドイツの社会環境と比べると、経済的には同じになったとしても、暮らしの質が格段にちがう。 日本人が馬車馬のように働いているのに対し、ドイツ人は毎日夕方からからビールのようなちがい。誇張しすぎか(本書にはこんな例はありません)。 戦後日本を復興させるために、国民全体が一生懸命に働いたことで今の社会があり、自分もその礎の上にいる。 「カネ」「モノ」も生きていく上でとても大切なもの。 でも、それらに縛られすぎる社会をどうしても好きになれない。 これからは本当に大切なものを見極めていきたい。

Posted byブクログ

2011/03/23

名著ということで読んでみた。 少々物足りなかったかな。何となくだけれど幸せではないと感じている人は読んでみるといいかも。 おそらく書かれたのはバブルまたはそれ以前ではないかと思う。豊かさの本質はカネとモノだけではないのでは、という考えのもとに本当の豊かさを追求する。 私は、筆...

名著ということで読んでみた。 少々物足りなかったかな。何となくだけれど幸せではないと感じている人は読んでみるといいかも。 おそらく書かれたのはバブルまたはそれ以前ではないかと思う。豊かさの本質はカネとモノだけではないのでは、という考えのもとに本当の豊かさを追求する。 私は、筆者のいう戦前の貧しさと戦争中の飢えを知る者に育てられた世代、に育てられた世代であるからか、物質的な豊かさが本当の豊かさとイコールではないという考えは簡単に受け入れられた。思うにそれは、私の父母の世代が豊かさとは何かということに迷いまたは疑問を感じていたからではないか。今ではもう必ずしも裕福=豊かさ、ではないと主張されて久しい。 というわけで、日本の福祉には問題が山積みであるとか、労働時間が長すぎるだとか聞いたことがあると、ドイツ他のQOLの高さを称賛し日本の状況にダメだしをする部分が、少々冗長に感じられるかと思う。5章まではそれが続き、6章でまとめられて対策が述べられている。 この本は、物質的な豊かさを豊かさと信じて疑わない人に新たな視点を与えるものか、または、何となく豊かさの中に満たされないものを感じている人に一つの答えを与えるものと言える。何となくだけれど幸せではないと感じられるとき、豊かさについて考えるよいきっかけとなると思う。ただし、本当の豊かさとは何か、を追求したい場合は物足りなく思える。

Posted byブクログ

2011/02/27

著者はかなりの平和主義者で、筆者の考えの軸は「日本は経済的には豊かやけど、精神的には豊かではない」ってとこかな。 全体的に、言ってることは間違ってない。 労働と福祉(特に高齢者介護)と住環境についての、日本の問題点を明らかにしてる。 この作品は20年以上前に書かれた本やの...

著者はかなりの平和主義者で、筆者の考えの軸は「日本は経済的には豊かやけど、精神的には豊かではない」ってとこかな。 全体的に、言ってることは間違ってない。 労働と福祉(特に高齢者介護)と住環境についての、日本の問題点を明らかにしてる。 この作品は20年以上前に書かれた本やのに、今の日本はそれから進歩したのか? 今、もう一度、読まれ直すべき一冊やと思います。 ただ、最初の筆者の西ドイツでの生活の部分は明らかにいらないwww はっきり言って、あの部分がなければかなりの名著やと思うんやけど、あの部分のせいで筆者がただの西ドイツ好きでしかない感じを受けてまう・・・ あの部分は読んでて「なんや、ただの外国かぶれのおばちゃんやん」と思ってしまったwww 経済主体の社会に対して不満を抱いてる方、競争社会に疲れてしまった方、お金大好きな人間に食傷気味の方は是非。

Posted byブクログ

2011/02/24

せめて日本にも住宅基本法があればとコメントしそうになって、調べたら5年前に住生活基本法なるものが施行されていた。この本を読むと、企業戦士志望の人以外は日本で働く気が一回失せます。

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2010/12/19

今から20年前に書かれた本です。僕が読んだのも高校時代だから…、10年以上前ですか。 いやあ、日本は変わりません。おかしいくらいに、相変わらずの国です。 ★資本の求める目的と、生活の求める目的は違っていて当たり前である。それなのに、企業の投資熱に感染したかのように、株の売り買...

今から20年前に書かれた本です。僕が読んだのも高校時代だから…、10年以上前ですか。 いやあ、日本は変わりません。おかしいくらいに、相変わらずの国です。 ★資本の求める目的と、生活の求める目的は違っていて当たり前である。それなのに、企業の投資熱に感染したかのように、株の売り買いや、リゾート地やワンルームマンションへの投資、あげくのはては教育も投資、付き合いも投資、お中元やお歳暮や冠婚葬祭も投資、と計算するのが社会の風潮になってしまっているのはなぜか。子供たちまで、損することには手を出さず、弱者をかばうこともしない。 ★効率競争社会が、家族をバラバラに引き離し、友情を忘れさせ、人々が共有する未来について、あるいは自然とともに生きる人間の生き方について、考える時間を奪い去ってしまったのである。ひとは経済戦士となるべく育てられ、企業戦士として生き、老後や病気は、自己責任で始末しなければならない。 ★競争は人間を利己的にし、一方が利己的になれば、他の者も自分を守るために利己的にならざるを得ないから、万人は万人の敵となり、自分を守る力はカネだけになる。 ★日本の若者の多くは政治や社会に無関心で、私的な遊びや利害にしか夢中になれない。社会正義や理想に無気力なことは、エネルギー枯渇のあらわれである。 ★日本では和とか調和とか言うけど、いつも周りに合わせて自己規制をしているのでは、新しい考えや文化は生まれないでしょう。お互いに批判したり衝突したりしないというのは、それだけ相手を信頼できないからではないでしょうか。理解や妥協と同時に闘うことのできる社会でなければオルタナティブな社会は生まれません。 ★広告と見栄と、あやつられた欲望によって需要が作り出されるような社会では、公共サービスはつねに遅れる。公園、公衆衛生、公的な学校などは、自動車ほどに個人から所得をまきあげる力を持っていない。私企業では、有能な人々が、大衆心理のすみずみまで調べて、売り込めそうな商品に対する欲望を育成するのに力を注いでいるが、公共サービスには、同じような過程は働いていない。 ★教育の仕事は、公共のなすべき第一の仕事である。教育は生産を増やすためにだけあるのではなく、物的、心的福祉を望み、知り、理解し、推理しようとする人間らしい欲求を育てるためにある。 ★人間と人間との連帯が、企業営利に奉仕するためだけの連帯になり、家族や地域社会から排除され、自然と対立する---このような労働は、商品を生産する、という意味での豊かさにはつながるかもしれないが、本当の豊かさとは、およそちがったものである。 ★どうでもいいようなものがあふれて、使い捨ての浪費をしているのに、住居のようにもっとも基本的な生活のよりどころになるものがない。 ★社会保障や住宅問題の貧しさを通して知ることができるのは、人間にとって最も大切な生活の土台が保障されていないことである。そのために生活は崩れやすく、もろくなっている。保障がないために貧富の格差が緩和されず、貧しいものは自己責任として社会から落ちこぼれ蔑視される。それを見ている人々は、落ちこぼれないために必死に働き、貯める。これでは、ゆとりも心の安らぎも得られない。その国の豊かさは、最も困窮している人に対してどのような処遇をしているかによって証明される。

Posted byブクログ

2010/07/29

豊かさとは何かを考えさせられる本。現代日本は経済的には豊かになったが、反面、心の豊かさは高まったのか問いかけている。 確かに朝に満員電車に通勤して、終電で帰宅するようでは、家族との団らんも過ごせず虚しい日々となってしまう。 この著書が20年前に書かれていることに驚く。結局、2...

豊かさとは何かを考えさせられる本。現代日本は経済的には豊かになったが、反面、心の豊かさは高まったのか問いかけている。 確かに朝に満員電車に通勤して、終電で帰宅するようでは、家族との団らんも過ごせず虚しい日々となってしまう。 この著書が20年前に書かれていることに驚く。結局、20年前と心の豊かさはほとんど変わっていないということか。

Posted byブクログ

2010/06/27

20年以上前の作品ですが、そのメッセージはほとんど色褪せず。ということは残念ですがこの間、議論・追及が進まなかったということです。もちろん、貧困等の概念で、進みつつある論点はありますが…生活観に基づく情緒的なコメントと冷静な実証データのバランスや、表現の歯切れの良さなど、本として...

20年以上前の作品ですが、そのメッセージはほとんど色褪せず。ということは残念ですがこの間、議論・追及が進まなかったということです。もちろん、貧困等の概念で、進みつつある論点はありますが…生活観に基づく情緒的なコメントと冷静な実証データのバランスや、表現の歯切れの良さなど、本としての完成度も、ものすごく高いと思います。

Posted byブクログ

2010/06/07

この本は、1989年の9月に新書で発売され、以後57刷を重ねている。(2007年11月発行分) 1989年9月といえば、僕が新卒で会社を見つけるために就職活動をした頃。日本はバブルに沸き、就職市場は売り手優位で、企業も競って社員を雇用していた時分である。 それから20年。この...

この本は、1989年の9月に新書で発売され、以後57刷を重ねている。(2007年11月発行分) 1989年9月といえば、僕が新卒で会社を見つけるために就職活動をした頃。日本はバブルに沸き、就職市場は売り手優位で、企業も競って社員を雇用していた時分である。 それから20年。この本で挙げている「豊かさ」の条件を、もし多くの読者が支持していたとしても、日本という国はその本質において何も達成できていないと思う。20年である。僕が仕事を始めた1990年は、豊かさという概念について考えることもなく、目の前にある仕事や機会に飛びついていった時で、社会についての心配が自分に戻ってくるなんて思いもよらなかったけれど、20年もの歳を重ねた結果、そして日本という国が経済的豊かさという意味で一つの象徴的な出来事を迎えようとしているときに、何も変わっていなかったというのは大変なショックである。 (*)GDPはまもなく中国に抜かれ、日本は米国、中国に次いで3位になる可能性が報道されている(2009年8月本日付けの日経新聞)。 主張は分かりやすく、カネやモノを追求し続けた日本(とりわけ批判は政府と企業に向けられる)と社会保障や住宅の整備、働く時間の抑制を通じ人権に配慮したドイツや他の欧州諸国との比較に始まる。私たち国民一人一人の心の問題とリンクさせながら、どちらがより人間の望む豊かさか・・・について述べられていく。 この本ではその処方については一切書いていない。政界と財界へ警鐘を鳴らすことを啓蒙するにとどまるから、読んでいくと暗くなってしまうことを覚悟願いたい。その上で、1989年にこの本が書かれたことを噛み締めながら、自分たちで何ができるか、もちろん選挙にいって投票するということも含めて、考えていくことになる。しかし、相当大きなギャップ、長い距離があることに、途方もない虚脱感を感じずにはいられないが。出来ることは一つ一つという精神性に立って行くのが精神衛生上良いであろう・・・。 労働の問題については、自分の仕事についての価値観、従業員という目線から、僕は幾度となくこの日記で書いている。ただし、まじめな、頑張りすぎる、自己犠牲を美徳とするような人の目線だということを断っておく。そういう人は日本人に少なくないと思うのだが・・・。 詳しくはボクのブログ(http://d.hatena.ne.jp/ninja_hattorikun/20090821)をご覧ください。

Posted byブクログ

2010/03/23

いろいろと考えさせられる本でした。というか1989年にかかれたものなのに、2000年代の今の日本にも言えるようなことが多いことに、少し驚きました。 やっぱり、日本は本当の意味では豊かではなかったのですね。

Posted byブクログ

2010/03/16

最近の溢れんばかりの物たちに囲まれていると ついつい、たくさんのお金があって良いものを身につけて、いい格好をしていることこそが豊かさだ・・・と思ってしまう。 その誤りを気付かせてくれる本、本当の豊かさは心のゆとりなのだと教えてくれるとても勉強になる本。

Posted byブクログ