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月光ゲーム Yの悲劇'88 の商品レビュー

3.5

353件のお客様レビュー

  1. 5つ

    40

  2. 4つ

    122

  3. 3つ

    139

  4. 2つ

    22

  5. 1つ

    1

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2021/08/17
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めちゃくちゃ面白かったかというと、正直、登場人物のキャラクターをろくに負えないくらい誰が誰だか分からなかった。 ただ、第一の事件、第二の事件、第三の事件、どの殺人を手掛かりに犯人にたどり着けるか。ところどころで露見するほころびがどこにつながっているのか。読者に対してフェアな作品であったがゆえに、「推理」というテーマではすごく参考になった作品。だからこそアリスシリーズは2作目以降も読みたいという気持ちになる。

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2021/08/04
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自分の好みにピタリと合っている、クイーンのような見事なパズラー。 つるつるの紙、血がついていないマッチなどの手がかりの隠し方がとても巧く、それに気づけると推理はあまり難しくはないかもしれない。(自分は気付けてませんけど) 噴火の危険が迫るクローズドサークルということで緊迫感はあるのだが、サスペンス感はなく、作品全体にどことなく品を感じさせる。 シリーズ2作目、3作目も挑戦状つきということで、華麗な論理の本格ミステリーを期待したい。

Posted byブクログ

2021/07/28
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私にとって初めての有栖川有栖作品である。 月の幻想的な表現や、論理的に犯人の動向を突き詰める爽快感が楽しめた。 終盤までグループの1人を行方不明にし、読者の推理を妨害するやり口が上手い。実際に私も犯人は行方不明の女だとずっと思っていたため、終盤のラジオで死亡が告げられた時は声が出てしまった。そして挟まる次章での”読者への挑戦”が意地悪というか秀逸というか、良い意味で再読を促される。 犯人当てゲームには負けてしまったが、なるほどと思わせる犯人とトリックであった。 ただ1つ不満なのが、犯行に及ぶ動機の提示がされていなかったように思えた。もしかしたらそれも読者が推理すべき範疇であったのかもしれないが、推理小説を読み始めて日が浅い私には、ムムムと思わせるポイントであった。 しかし総合的に見ると、私が推理小説に期待したもの相応のものが読めたので、満足である。氏の他作品も読みたいと思う。

Posted byブクログ

2021/07/22

再読。 有栖川有栖の処女作。なんともレベルが高いし、今読んでも全然古びていない。 犯人の名前のみうっすらと覚えている状態で何年ぶりかに再読した。ダイイングメッセージの真相には唸った。 火山が噴火し、下山道が閉ざされたキャンプ場に集まった17人の大学生。 それぞれ初対面のグルー...

再読。 有栖川有栖の処女作。なんともレベルが高いし、今読んでも全然古びていない。 犯人の名前のみうっすらと覚えている状態で何年ぶりかに再読した。ダイイングメッセージの真相には唸った。 火山が噴火し、下山道が閉ざされたキャンプ場に集まった17人の大学生。 それぞれ初対面のグループ同士、打ち解けて楽しく過ごしているうちに、勿論そこで殺人事件が起こるのである。 「月」「月の光」をモチーフに、ともすれば叙情的に吐露される登場人物の心情。 「学生アリスシリーズ」は若者の青臭さや繊細な描写が好きだったんだー、と思い出しながら読んだ。 ミステリ的には、クイーンのごとく、論理を重ね可能性を一つずつ潰し、真相に辿り着くという有栖川有栖の真骨頂がデビュー作からこんなにも完成されていて驚く。 本格ミステリにあまり馴染まない人にも『十角館の殺人』と併せて薦めたい作品。

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2021/05/09
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今回からミステリー本では犯人予測のログを残しています。有栖川有栖の代表作に挑戦。大学生サークルが夏合宿で矢吹山に集合する。男女関係を含め楽しく過ごすが、一気に暗雲立ち込める。矢吹山の噴火、そして失踪・殺人。17人のうち誰かが犯人。残されるダイイングメッセージと犯人からの不可解なメッセージ。いよいよ決死の下山しながらの江神二郎の謎解き。この生き残った大学生によるカタルシスが月光ゲームの悲劇を表現できたのではないか。今回自分の予想は完敗。でも最初に残したログではほぼ正解だったんですよ。単なる負け惜しみです。

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2021/05/08

有栖川有栖氏のデビュー作。学生アリスシリーズ第1弾。 夏合宿で訪れた矢吹山キャンプ場に3大学4団体、総勢17人の学生が集った。キャンプを楽しんでいたが矢吹山の噴火で崩落し登山道が閉ざされ陸の孤島と化し、更に連続殺人が皆を襲う。 アリスの属する英都大学推理小説研究会は部長の江神を筆...

有栖川有栖氏のデビュー作。学生アリスシリーズ第1弾。 夏合宿で訪れた矢吹山キャンプ場に3大学4団体、総勢17人の学生が集った。キャンプを楽しんでいたが矢吹山の噴火で崩落し登山道が閉ざされ陸の孤島と化し、更に連続殺人が皆を襲う。 アリスの属する英都大学推理小説研究会は部長の江神を筆頭に望月 織田 アリスの4人でこの極限状態の中、殺人犯を追い詰める。クローズドサークル、読者への挑戦状、探偵役の謎解きと推理小説の王道を踏襲しながら青春小説を含む。 語り手アリス頑張れ、謎解き新本格ミステリー。 ★★★★✩ 4.0

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2021/04/27

エラリークリーンに大いに影響を受けた 有栖川有栖さん1989年(平成元年)デビュー作 学生有栖川有栖シリーズ(読者への挑戦) ブックオフ積読本消化京都の推理小説研究会4人が 夏合宿でキャンプ場に、東京から同じ大学ゼミ仲間3人 ウォークサークル7人、神戸の短大英文科3人計17人学...

エラリークリーンに大いに影響を受けた 有栖川有栖さん1989年(平成元年)デビュー作 学生有栖川有栖シリーズ(読者への挑戦) ブックオフ積読本消化京都の推理小説研究会4人が 夏合宿でキャンプ場に、東京から同じ大学ゼミ仲間3人 ウォークサークル7人、神戸の短大英文科3人計17人学生で楽しいはずのキャンプがなんと山は噴火するは殺人は起きるはの大惨事に。登場人物が多すぎと動機がよく分からずでした。

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2023/02/08

二十数年ぶりに再読。 朧げにしか記憶になく、それも「息苦しい」というイメージのみという情けなさ。 しかし、今回の読後感もやっぱり息苦しかった。 キャンプ場という、本来なら最も開けっぴろげな場所でのクローズド・サークル、陽光を遮る噴煙から降り注ぐ砂。 大学生17人という最も明るい...

二十数年ぶりに再読。 朧げにしか記憶になく、それも「息苦しい」というイメージのみという情けなさ。 しかし、今回の読後感もやっぱり息苦しかった。 キャンプ場という、本来なら最も開けっぴろげな場所でのクローズド・サークル、陽光を遮る噴煙から降り注ぐ砂。 大学生17人という最も明るい年代と血生臭い連続殺人。 それらのギャップが陰影を濃くして息苦しさが増す。 有栖川氏のデビュー作ということで、昭和の大学生の肉厚さが活き活きと描かれた作品。

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2021/03/08

登場人物は基本的に学生のみ。4グループから成る内訳は、主人公である「有栖川有栖」を含む京都私大の英都大学・推理小説研究会の男性4人、東京の雄林大学のハイキング同好会の男性4人と女性3人、同じく雄林大学の別グループで法学部三回生の男性3人、神戸の神南学院短期大学の英文科の女性3人の...

登場人物は基本的に学生のみ。4グループから成る内訳は、主人公である「有栖川有栖」を含む京都私大の英都大学・推理小説研究会の男性4人、東京の雄林大学のハイキング同好会の男性4人と女性3人、同じく雄林大学の別グループで法学部三回生の男性3人、神戸の神南学院短期大学の英文科の女性3人の計17人となっている。 夏休みに浅間山系に出掛けた前述の大学生たちは、偶然の出会いから4グループ合同でのキャンプ生活を楽しむことになる。合宿中のある朝、突然、女子学生の一人が姿をくらました後、火山噴火によって16人の学生たちが山中に閉じ込められる。混乱のさなか、参加者のうちの一人が刺殺体で発見される。この辺りで全体の1/3弱。 クローズド・サークル、主要な登場人物が学生、ミステリ研究会、学生の合宿が事件の舞台、そして作者のデビュー作であることなど、最近読んだ綾辻行人『十角館の殺人』と共通する要素が多かった。ただしトリックについては、『十角館』のような開けてビックリの仕掛けはなく、あくまでストレートな展開だった。大学生ばかりの数多い登場人物については、犯人を当てにくくする以外の必然性があったか疑わしく思えた。学生たちのノリやキャラクターには三十年以上前の雰囲気はあるが、個々の登場人物に魅力を感じられなかったのは、没入できなかった理由のひとつだ。 総じて、あくまでミステリ愛好家に向けた作品に読めた。はじめて読む著名な推理作家のデビュー作とあって、読書前の時点でハードルが高くなっていたのかもしれない。他には、私が犯人を推理しながらミステリを読まないことも評価に影響している可能性がある。犯人当てを楽しまれる方に向けた情報として、終盤のある時点で「真犯人を特定するに十分なデータが出揃った」として、作者による「読者への挑戦」の1ページがしたためられている。いきなり犯人が明かされる展開にはならないので安心して読み進めることができる。 個人的に気に入ったのはエピローグにおける、この旅のなかで起こった主人公の恋愛感情の行方だった。年頃の平凡な青年の異性への想いには、懐かしみと親近感を覚えた。

Posted byブクログ

2021/02/01

筆者の初期作品。トリックは 読めなかったけど面白い。ミス研が事件に巻き込まれていく。最後は解決できるのか?

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