月光ゲーム Yの悲劇'88 の商品レビュー
学生・有栖川有栖シリーズの第1作目にして、著者のデビュー長編ということ。 夏合宿で一緒になった、大学生たちが巻き込まれる事件が描かれるが、山の噴火に直撃され、降りられなくなった山で殺人事件も起きる、という惨劇にもかかわらず、学生たちの若さがあふれて輝いているように見えるのは、自分...
学生・有栖川有栖シリーズの第1作目にして、著者のデビュー長編ということ。 夏合宿で一緒になった、大学生たちが巻き込まれる事件が描かれるが、山の噴火に直撃され、降りられなくなった山で殺人事件も起きる、という惨劇にもかかわらず、学生たちの若さがあふれて輝いているように見えるのは、自分の歳のせいだろうか? 京都の大学に行きたい。 キャンプ場で「マーダー・ゲーム」したい。 英都大学に現役合格した有栖川有栖は、江神二郎を部長とする「推理小説研究会」に所属し、長野県と群馬県の境ほどにある浅間山山系に属する「矢吹山」のキャンプ場での夏合宿に参加する。 一般の人が寄り付かなくなって寂れてしまったキャンプ場で、他に二つの大学のグループと知り合う。 17人の男女は、意気投合し、初日のキャンプファイアーですっかり盛り上がるが、次第に不審なことが起こり始め、10年ぶりの噴火にも巻き込まれる。 その中でアリスは、理代に恋心を抱くも、江神に、あの理代って子と仲よくするのもほどほどに、と忠告される。どういう意味? そのくらいのことで人を殺すのだろうか、という疑問もあるけれど・・・若者の感じ方は違うのかもしれない。 年を重ねると、人間、人を殺したいと思った時に、得るものと失うものを秤にかける。 築いてきたものを失いたく無いからこそ、人を殺す。 これは、まだ何も持たない若者ならではの、破滅型の殺人だったのかもしれない。
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皆さんあるように、動機が薄っ!っと思ったけど、大学生ならではの青臭い感じとか、男女の心の揺れ動きなどがあって爽やかだった。犯人と探偵の最後のやり取りもなかなか味がある。登場人物が多すぎて何度も確認しながら読んだ。
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★3.4くらい 気になってた学生アリスシリーズ初めて読んだ。主人公たちが置かれたか状況が独特で面白い。話の展開も苦がなく読みやすかった。動機が薄いことが少し残念。
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有栖川有栖のデビュー作品ということで今更ながら読んでみた。最後まで犯人はわからなかったが、どんでん返しとまではいかず、なるほどという印象だった。
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夜更かしして読み切った。先日初めて火村シリーズを読んだので、次は学生アリスシリーズを初めて読んだ。そんな学生の頃から事件に居合わせたのねと思いなが読み始め、 青春時代の学生だからか有栖川さんだからなのか、疑いながらも互いに協力的な様子が新鮮だった。誰か意固地に一人で篭り切る!みたい登場人物はいない。これで3作目だけど、今のところ登場人物はみな協力的な印象。 そして最後も情があって、爽やか?というか品がいいというか。 動機が突発的でイマイチに感じたけど、それも青春から来るものなのかもと思い直す。 綾辻さんの感じのミステリーも好きだけど、有栖川さんの作風もハマった。
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青春×本格ミステリー 【良かったポイント】 解決編の前作者から読者への挑戦状 これぞミステリー!と鳥肌が立ちました。 クローズドサークル・ダイイングメッセージ・あらゆる伏線と王道の展開があり、自分で謎解きをする楽しみを思い出します。 納得のいくラスト 突拍子もない展開ではなく、張られた伏線や違和感を吟味すれば犯人に辿り着けそうで考察のしがいがあります。 自分の考察はハズレましたが、、 【気になったポイント】 登場人物の数が多く、印象の薄い人物の名前を覚えるのに時間がかかりました。人物の数が多いだけでなく苗字や、あだ名で呼ばれることもある為特に。 ダイイングメッセージが少しズルい。 解決編でも「あーなるほど」とはなりませんでした。笑 【最後に】 自分のなかでもかなり好きな一冊になりました。 エピローグを読んだ後の少し寂しくなる感覚が後を引きます。
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クローズドサークルはどれもその状況自体とっても嫌なんだけど、中でもこれは最悪 怖いー絶対嫌だよー まぁしかしそんなやけっぱちな状況じゃないと起こらなかった事件かも ダイイングメッセージはちょっとこねくり回し過ぎな気も・・・ 特に自分で推理したい派じゃない&名前てきとーにしか覚え...
クローズドサークルはどれもその状況自体とっても嫌なんだけど、中でもこれは最悪 怖いー絶対嫌だよー まぁしかしそんなやけっぱちな状況じゃないと起こらなかった事件かも ダイイングメッセージはちょっとこねくり回し過ぎな気も・・・ 特に自分で推理したい派じゃない&名前てきとーにしか覚えてないので余計そう感じるのかもだけど (名前てきとーにしか覚えてないせいで「十角館~」でビックリし損ねた) 後のミステリ作家有栖川有栖シリーズよりこっちが好きかも
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学生アリスシリーズ1 目次 プロローグ 第一章 マーダー・ゲームの宵 第二章 驚愕の朝 第三章 恐怖の夜 第四章 疑惑の日 第五章 下山の時 読者への挑戦 第六章 別れの夜明け エピローグ あとがき 解説
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和製エラリー・クイーンとして名高い有栖川有栖先生の処女作。原型は高校生の頃に書いたという話からすさまじい。 クローズドサークル物だと舞台のだいたいが孤島とか分断された山中なのだけれど、本作は「死火山」を舞台にしていうという点がなによりも目新しい。大学生が17人いれば恋愛沙汰が起...
和製エラリー・クイーンとして名高い有栖川有栖先生の処女作。原型は高校生の頃に書いたという話からすさまじい。 クローズドサークル物だと舞台のだいたいが孤島とか分断された山中なのだけれど、本作は「死火山」を舞台にしていうという点がなによりも目新しい。大学生が17人いれば恋愛沙汰が起こるのはともかく、殺人の憂き目に遭うというのはなんとも可哀想ではある。 描写されるアリスらの心情も、まだまだ大学生という感じの青さが残ったものだ。しかし、そこに"リアル"を感じる。 「山も人も、月に狂ったと考えよう。」
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初有栖川有栖!! 以前読んだ神様の罠っていうアンソロジー集で気になって今回満を持して読み始めたけど、結論読んでよかった。有栖川有栖を読まずに死ぬかもしれなかった。危ない。 火山が噴火して絶体絶命の中、殺人が起きる究極のクローズドサークルもの。 いろいろクローズドサークルものは読んできたけど、ここまでのはなかったかな。 これ20年近く前に上梓されてるんでしょう?すごすぎ。 一つ一つの表現が美しすぎて、月の光や自然の脅威、犯人を追い詰める最後のシーンはなぜか涙が出てしまった。 結構癖のあるなと思った有栖の語り口も、今はもう好きよ。 めちゃくちゃはまってしまった。
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