妻に捧げた1778話 の商品レビュー
じんわりとほの温かい。 1778話の最終回、ありがちだが、こみ上げるものがある。 また、後書が良い。 夫婦の在り方、というより、それぞれの各人を尊重する気持ち。 きっと、素敵なご夫婦だったことでしょう。
Posted by
眉村 卓にしか書けないショートショートと解説、エッセイ。夫婦の絆とか書くとすごくチープになってしまうが、病床の妻のためへ書く夫と、売り物になるくらいの通用する質を求められる妻の優しい厳しさが反響しあい、物語の出来不出来は関係なく、お互いが自分に出来ることを一日一日最善を尽くして、...
眉村 卓にしか書けないショートショートと解説、エッセイ。夫婦の絆とか書くとすごくチープになってしまうが、病床の妻のためへ書く夫と、売り物になるくらいの通用する質を求められる妻の優しい厳しさが反響しあい、物語の出来不出来は関係なく、お互いが自分に出来ることを一日一日最善を尽くして、生活する姿に目頭が熱くなる。 小さな物語の質を求めるのではなく、この夫婦が過ごした数十年の思い出、晩年に振り返りながら、一緒に歩んできた人生を重ね合わせる姿は、小説にすることはできない。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ちょっと前に見た映画の予告でこの話を原案にした 映画がやっていて少し気になっていました。 そんな中ブックオフで105円で売っていたものだから購入。 余命1年少々と診断され5年後生存率ゼロと言われた妻のために 小説家である夫が毎日1話ずつ話を書き綴ったというものです。 なのでこの本はみじかーい1778話が全て収録されているのかと思いきや (冷静に考えればそんなわけないのですが) おそらく十数話しか載っておらず、ほとんどが妻との思い出や 看病生活を綴ったものとなっています。 読者は奥さん一人だけでも、出版されてもおかしくない一般受けする作品にする という制約の元書かれたとあって載っている作品はどれも面白く ほかの作品も読んでみたいと思わせてくれます。 そして何より奥さんへの愛が物凄く溢れていると思いました。 特に奥さんが亡くなってから書いた最終話に 「また一緒に暮らしましょう」という一節がありますが そんな風に思える夫婦生活を送りたいなぁと思いました。 それに5年生存率ゼロと言われたのに奇跡的にほぼ5年間生きたというのは やはりこの毎日の小説も一役かっているのではないかとも思いました。
Posted by
私は大切な人が亡くなった経験がまだない。 人がいなくなるというのがわかった時に、何ができるんだろう? そんなことを考えさせられる、エッセイのような作品だった。 ショートショートとエッセイが合わさって、ちょっとどっちつかず?みたいな。 大切な人に対して、自分ができることを提供...
私は大切な人が亡くなった経験がまだない。 人がいなくなるというのがわかった時に、何ができるんだろう? そんなことを考えさせられる、エッセイのような作品だった。 ショートショートとエッセイが合わさって、ちょっとどっちつかず?みたいな。 大切な人に対して、自分ができることを提供してみようか…
Posted by
個人的には、最期の日前後の三編(「一日一話の終わり」)が読めただけで、この本を読んで良かったなと思いました。迷いながらも書き続けた筆者には頭が下がる思いです。 癌の奥様へと書き続けたショートショート19編と、奥様の思い出を綴ったエッセイ集です。 自分も母を癌で亡くしていて、素人な...
個人的には、最期の日前後の三編(「一日一話の終わり」)が読めただけで、この本を読んで良かったなと思いました。迷いながらも書き続けた筆者には頭が下がる思いです。 癌の奥様へと書き続けたショートショート19編と、奥様の思い出を綴ったエッセイ集です。 自分も母を癌で亡くしていて、素人ながら文章を書くのが好きなので、こういう向き合い方もあったのだと考えさせられました。癌が分かったときには余命半年と言われて混乱しつつ、自分が日常生活を普通に送ることが親孝行だと考えて、母のことを気にかける時間を敢えて取らなかった(と、自分に言い聞かせていたけど、それが良かったのかどうか…)ことを今でも後悔しています。
Posted by
映画とはかなり異なった印象。 短編過ぎて、想像が掻き立てられない部分があった。 とはいえ、一日一話は、日常生活を断片的に描写しており、妻の病状とともに、影響を受け、明るくしようという思いが強くなってくるなど、本当に愛妻家だなと思いました! 最後に、夫婦について、以下のように書...
映画とはかなり異なった印象。 短編過ぎて、想像が掻き立てられない部分があった。 とはいえ、一日一話は、日常生活を断片的に描写しており、妻の病状とともに、影響を受け、明るくしようという思いが強くなってくるなど、本当に愛妻家だなと思いました! 最後に、夫婦について、以下のように書いてあり、驚きました。 人とが共に生きていく為には何も心の隅から隅まで知る必要はないのだ。生きる根幹、めざす方向が同じでありさえすれば、それでいいのである。
Posted by
映画は映画館でみました。 その中で出てきた他のショートストーリーが気になったので、図書館で借りてきました。 少ししか収録されていなかったのが残念でした。 他のも読みたいな。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
闘病中に小説家の夫が妻の為に一日一遍の短編小説を書き続けたというお話。 新書としてまとまっているが、結局はこれ自体で小説みたいに仕上がっている。また、当時書いた短編に著者が寸評を書いているのが興味深かった。 個人的には最後に収録されている、最後の短編小説「最終回」 に対する解説がこの本の趣旨だったのではないかと、変に疑ってみたりしています。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
作者の「ねらわれた学園」や「なぞの転校生」が大好きで、中学生の頃夢中になった記憶がある。このような形での奥様に対する最後のつくし方は、作家としての迫力を感じた。作家としての「仕事と家庭の両立」の究極の形かもしれない。
Posted by
大腸がんを宣告された妻に小説家の夫は毎日、ショートストーリーを贈り続ける。夫婦は高校の同級生同士。妻は最初の読者。毎日の作品に微苦笑したり、それってエッセイだ・・と辛らつな批評をする。二人で寺参りをした時、祈願の札に「病気平癒」と書けといった夫に、妻は「文運長久」と記したこと、ま...
大腸がんを宣告された妻に小説家の夫は毎日、ショートストーリーを贈り続ける。夫婦は高校の同級生同士。妻は最初の読者。毎日の作品に微苦笑したり、それってエッセイだ・・と辛らつな批評をする。二人で寺参りをした時、祈願の札に「病気平癒」と書けといった夫に、妻は「文運長久」と記したこと、また葬式には「作家眉村卓夫人・村上悦子」にしてほしいと言ったエピソード・・。 共に歩む深い愛につながれた同士愛にこころ癒される。最後の作品の最後 「いかがでしたか?長い間、ありがとうございました。また一緒に暮らしましょう。」であった。
Posted by