14歳からの哲学 の商品レビュー
池田晶子著『14歳からの哲学 : 考えるための教科書』(トランスビュー) 2003.3発行 2020.7.29読了 貫成人著『哲学マップ』で紹介されていた本(p243)。貫成人は本書を指して「豆腐」と称しているが、この本もなかなかの「チーズ」だと思う。哲学という言葉は古代ギリ...
池田晶子著『14歳からの哲学 : 考えるための教科書』(トランスビュー) 2003.3発行 2020.7.29読了 貫成人著『哲学マップ』で紹介されていた本(p243)。貫成人は本書を指して「豆腐」と称しているが、この本もなかなかの「チーズ」だと思う。哲学という言葉は古代ギリシアから始まったと言われている。「~とはなにか」という素朴な存在論から始まった哲学は、デカルトの登場によって認識論へと変わり、ニーチェによって、それらは転覆させられたと言われている。現代哲学は宇宙の無限性や霊魂の不死といった答えのない問題から手を引き、方法論的反省の立場から微分的な哲学的分析に終始している。 この点、本書はⅠ~Ⅲ章の構成で3分の1の頁をⅠ章「原理」に割き、認識論的問題設定(『哲学マップ』p74)という問いに真っ向から取り組んでいる。この問い自体はやや手垢のついたものなのだが、ここから著者自身の哲学に至るプロセスが素晴らしい。著者は考える精神に最も価値を置いている。社会や規則さえも考える精神を妨げることはできず、自由であると説く。生きるも死ぬもあらゆるものが自己の選択に委ねられていると喝破する。サルトルは羅針盤なき自由を「自由という刑」(『哲学マップ』p164)と表現したが、著者にはそのような弱気は微塵も感じられない。こうした自我論は得てして独断論に滑りやすいが、著者は善悪の基準を自己の内部に置きつつも、絶対的な善悪の基準の存在を肯定する。そして、人生に意味があるのか、私という存在は一体何なのかについては「分からない」としつつも、だからこそ、永遠に考え続ける価値があるという。「分からない」ことをはっきり肯定するところから哲学が始まる。私の存在は宇宙の森羅万象の中で全く無意味なものである。意味がないからこそ、私の存在は奇跡なのだ。私という存在そのものが「謎」なのであり、だからこそ、私は本当のことをずっと探し求めている。生まれて、死んで、死んだあとに何があるのか知らないが、せいぜい謎に近づくことくらいは可能なのだろうか。それとも「謎」を中心に据えて、ずっとその周りに周回軌道することになるのだろうか。 私が私を知るために飽くなく本を読み続けている理由は、もしかしたらこの辺りにあるのかもしれない。 https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004068885
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哲学にほとんど触れて来なかった私にとって、考えるきっかけになる本でした。 哲学者の難しい言葉ではなく、身近なものから人生をよくするためのヒントをもらえた気がします。わからないことを勉強してわかった気になるだけでなく、考えることが大事と学びました。
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14歳に向けて書かれたものであるが、難しかった。哲学とは、生きていく上で考えなければならないこととは、レベルを下げられるものではないということを感じた。 はたして、自分で考えているだろうか。字面を追って覚えて満足、ということになってはいないだろうか。と省みるきっかけになった。
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中学生向けとして書かれた本だけど、もちろん大人が読んでも「確かにどういうことだろう」と考えてしまうテーマや問いがあふれています。例えば、 ・言葉を読むと、どうしてその意味がわかるのか ・物が先か、言葉が先か ・自分とは誰か などなど… 私が個人的に印象に残ったのは「内側が、外側...
中学生向けとして書かれた本だけど、もちろん大人が読んでも「確かにどういうことだろう」と考えてしまうテーマや問いがあふれています。例えば、 ・言葉を読むと、どうしてその意味がわかるのか ・物が先か、言葉が先か ・自分とは誰か などなど… 私が個人的に印象に残ったのは「内側が、外側の自然法則や快感原則によって動いているのなら、その内側って、じつは外側のことじゃないだろうか」という部分です。これって「鏡の法則」や「引き寄せの法則」と同じだと思うのです。つまり「内側が外側のこと」であるならば「外側を外側だと捉えているのは自分」なので「自分の捉え方次第で世界が変わる」ということになります。 この本を読んで、それらが哲学ともつながるのだということに驚きました。 子どもに語りかける文体ではありますが、難解な部分はあるので、もう少しやさしめが良い人は「14歳の君へ どう考えどう生きるか」の方が少しやさしくボリュームも少し少なめです。 他にも色々思うことはありますが、とても書ききれません。図書館で借りた本ですが、これは買って手元に置いておきたいと思います。 以下、自分用の備忘録。 ・「自分が思う」ことはいったいどういうことなのか「考える」 ・言葉を大事にするということが、自分を大事にするということなんだ ・「わからない」と感じることを、どこまでも考えてゆくようにしてください。「わからない」ということは、答えではなくて、問いなのです。 ・「自分がない」ということを考えようとすると、「自分がある」ことに気がつくことになってしまう ・君は、「自分の内側」と言った時、体や心の内側のことを思うね。でも、その内側が、外側の自然法則や快感原則によって動いているのなら、その内側って、じつは外側のことじゃないだろうか。内って、外なんじゃないだろうか。 ・何のために生きるのか、人生の意味や目的が明確でないから、生きるために生きているということになる。「生きるために生きている」、そう自覚して、そう生きることを選んでいるなら、これは立派にひとつの人生の意味であり目的だ。
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まさに、考えるための教科書。14歳からとうに過ぎてしまった私でも、ものごとへの問い、その答えを考える、自分の大切さを学んだ。あの日、あの時、どことなく自分の存在が、不確かで、自分の周りの他人はなぜ他人と思うのか、生きる、死ぬとはどういう事なのか、ふわっと感じていた事に、考えること...
まさに、考えるための教科書。14歳からとうに過ぎてしまった私でも、ものごとへの問い、その答えを考える、自分の大切さを学んだ。あの日、あの時、どことなく自分の存在が、不確かで、自分の周りの他人はなぜ他人と思うのか、生きる、死ぬとはどういう事なのか、ふわっと感じていた事に、考えることを植え付けてもらった感じがした。何度も再読するたびに、新たな自分の思いが発見できそう。
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■評価 ★★★✬☆ ■感想 ◯あとがきで著者が書いているように、14歳むけに言葉はやさしく書いているが、書いてある内容は「生きるって何」などの根源的な内容なのでレベルは高い。レベルを落とすということが出来ない学問だから、そうなったと書いてある。確かに難しいと思った。 ◯時代の潮...
■評価 ★★★✬☆ ■感想 ◯あとがきで著者が書いているように、14歳むけに言葉はやさしく書いているが、書いてある内容は「生きるって何」などの根源的な内容なのでレベルは高い。レベルを落とすということが出来ない学問だから、そうなったと書いてある。確かに難しいと思った。 ◯時代の潮流に左右されにくい本だと思う。14歳で到底理解できるとは思わないけど、引っ掛かりを与えて10年後また戻ってきてほしい本。そういう意味でいつか子供に読んでほしいから、家の本棚においてあることに意味がある本かもしれないと思った。
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古典と神のくだりだけいただけなかったけど良かった 毎日輝いて見えるときも、全然元気でない日も、全部は自分の捉え方次第、元気に生きて行きたいわね
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飲茶氏の『14歳からの哲学入門』のあとがきに本書のことが触れられており、飲茶氏が池田晶子氏をリスペクトしているということから購入。 また、10代になった2人の子供がいることから、ネットを中心に情報の渦に巻き込まれながら過ごすであろう思春期に、時には立ち止まって考えるための哲学的思...
飲茶氏の『14歳からの哲学入門』のあとがきに本書のことが触れられており、飲茶氏が池田晶子氏をリスペクトしているということから購入。 また、10代になった2人の子供がいることから、ネットを中心に情報の渦に巻き込まれながら過ごすであろう思春期に、時には立ち止まって考えるための哲学的思考を持つきっかけを得られる本を探していたという理由もあった(副題が「考えるための教科書」と銘打ってあるので)。 本書は14歳からの哲学パートが2つと、17歳からの哲学パート1つという3部構成となっており、14歳からの哲学パートの前半はざっくりいうと「自分と他者」、後半は「自分と社会」というテーマから成っている。 17歳からの哲学パートは、さらに広い範囲を扱い、宇宙、人類の歴史、善悪、自由、宗教、人生の意味、存在など、答えのない抽象的なテーマにも踏み込んでいる。 著者の池田晶子氏は、哲学者というよりも文筆家と紹介されることがあるように、その文体には専門的な哲学用語や哲学的言い回しなどは一切なく、終始語り掛け口調で書かれている。 特に本書は(活字離れが進んでいる)中高生向けに書かれていることから、"思春期あるある"なネタを取り上げながら、読者を飽きさせない気遣いが感じられる。 ただその根底には、ソクラテス的対話の重要性や、心身問題、存在論など長い時間をかけて語られてきた哲学的課題を取り入れながら、理解しやすい表現で読者に考えさせている。 自分にも他者にも社会にも嫌悪感を抱きやすい多感な時期だからこそ、また複雑かつ多様で答えの見えない時代だからこそ、モヤモヤを抱えながらも「考える」ことが生きていく上でますます必要不可欠となることを、本書は改めて教えてくれる。 2020年代の言葉でいえば、考え抜くことで「ネガティブ・ケイパビリティ」が強化され、先行き不透明な現代を生きるための力と自由意志を得られる可能性が高まる、といったところだろうか。 本書に挙げられているテーマに関しては、著者は万人受けするような答えは何も書いていない。 だからこそ、答えのない漠然とした、モヤモヤしたテーマに対して向き合うきっかけを与えてくれるのが本書の価値なのではないかといえる。 中高生だけではなく、中高生を持つ親にとっても、自分の思春期に抱いた感情やモヤモヤを本書を読んで思い起こすことで、子供との建設的なコミュニケーションを実現するための一助となるかもしれない。 読後にどう感じ、行動するかは本人次第だが、自分の子供が中学3年前後になった頃に読ませたいと改めて思えた一冊であった。
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中学生でも理解できるように変に難しい言葉は用語を使っていないので分かりやすい。 自分は友情、恋愛、家族について色々考えてこの本を読んで逆に思考が停止した。
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とにかく読みやすい 14歳向けの本を40歳が本気で読む 馬鹿にするなかれ 意外と出来てないから 池田先生が優しく諭してくれる
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