夫婦茶碗 の商品レビュー
この本には、表題の「夫婦茶碗」と「人間の屑」の2編が入っています。一言でいうとダメ人間の話です。 日本語だけど日本語のような気がしない不思議な勢いのある文体です。辞書からランダムに引っ張ってきた単語を並べて文章をつくって、景気よく独白体でつなげていったら、こんな感じかなーと思い...
この本には、表題の「夫婦茶碗」と「人間の屑」の2編が入っています。一言でいうとダメ人間の話です。 日本語だけど日本語のような気がしない不思議な勢いのある文体です。辞書からランダムに引っ張ってきた単語を並べて文章をつくって、景気よく独白体でつなげていったら、こんな感じかなーと思います。不思議な文章をフルスピードで読みたいときにおすすめです。 詳しくは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120603/1338671028
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「夫婦茶碗」と「人間の屑」の2つの話。 「夫婦茶碗」は金も仕事もない甲斐性のない男の話。働こうとしても働けない。些細なことまで気にしては悩み、結論づけるのだけど、その結論がどうにも間違っている。起死回生をかけ、メルヘン執筆を試みようとする発想が面白すぎる。 「人間の屑」はさらに濃...
「夫婦茶碗」と「人間の屑」の2つの話。 「夫婦茶碗」は金も仕事もない甲斐性のない男の話。働こうとしても働けない。些細なことまで気にしては悩み、結論づけるのだけど、その結論がどうにも間違っている。起死回生をかけ、メルヘン執筆を試みようとする発想が面白すぎる。 「人間の屑」はさらに濃厚。こちらもお金もなく、仕事もなく、言い訳をしては逃げ、惰性の道を行くダメダメ男。パンクだったり、猫だったりが町田さんっぽさ全開。 どちらも堕落した現状を打破しようと思考をこねくりまわすのだけど、上手くいかない。最後はもうほんとアホ。アホすぎて面白いけど、なぜか少し哀しさも感じます。
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「夫婦茶碗」と「人間の屑」を収録。 実は「夫婦善哉」と間違って買ってしまった。 が、後悔どころか棚ぼただった。 「夫婦善哉」と同じく夫婦ものではあるが、方向は完全に真逆。 ここまで人格破綻した人間をあっけからんと描ける所に、町田康の良さがあると思う。 語り口に癖があり好き嫌いが...
「夫婦茶碗」と「人間の屑」を収録。 実は「夫婦善哉」と間違って買ってしまった。 が、後悔どころか棚ぼただった。 「夫婦善哉」と同じく夫婦ものではあるが、方向は完全に真逆。 ここまで人格破綻した人間をあっけからんと描ける所に、町田康の良さがあると思う。 語り口に癖があり好き嫌いが分かれると思われるが、幸運にも僕は好きの側にいた。 著者の手にかかれば、どんなに深刻で誰もが真面目な顔をせざるを得ない状況でも、馬鹿馬鹿しく痛快に描写してくれるだろう。 後、解説が筒井康隆先生と知った時思わず笑った。 このオマケも見逃せない。
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2000年の芥川賞受賞作家。 確かに芥川賞・・って感じがする。 改行がほとんどない。かといって読みにくいということもない。 古風なのか、新しいのか・・ユニークには違いない。
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二作品とも落ちぶれまくってる主人公。人間の屑の新幹線の中の場面とか本当面白いんだけど、全体的にはしんどくて、ウッてなったりした。 町田康さんの作品読むと、しばらく現実離れしてしまう感覚がある。 今回は読後すぐに車を運転したのだけど、例えばここでいきなり人を轢いても、「あはは、轢...
二作品とも落ちぶれまくってる主人公。人間の屑の新幹線の中の場面とか本当面白いんだけど、全体的にはしんどくて、ウッてなったりした。 町田康さんの作品読むと、しばらく現実離れしてしまう感覚がある。 今回は読後すぐに車を運転したのだけど、例えばここでいきなり人を轢いても、「あはは、轢いちゃったな」みたいな主人公の語りが入ってくるような気がして、なんかおかしくなりそうで怖かった。 読後は安静にしていよう。
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夫婦茶碗の嫁の嫁的たたずまいと言ったらありません。 夫が駄目なだけにとてつもなく際立ちます。 人間の屑はより過激に破綻の匂いがするけれども、 実は、こちらのほうが破綻の仕方としては、 常識的なのだと思う。 なにせ、ずるずる行く匍匐前進的なものですから、 日常的に踏みはずしてみた...
夫婦茶碗の嫁の嫁的たたずまいと言ったらありません。 夫が駄目なだけにとてつもなく際立ちます。 人間の屑はより過激に破綻の匂いがするけれども、 実は、こちらのほうが破綻の仕方としては、 常識的なのだと思う。 なにせ、ずるずる行く匍匐前進的なものですから、 日常的に踏みはずしてみたいと望んでいる踏み板じゃありませんか?
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中編ふたつ入り。 『夫婦茶碗』と『人間の屑』。どちらも「ぐうたら」などという呑気な駄目さをとっくに通り越したダメっぷり、クズっぷりを極めていて酷いなーこれは酷いなーと思いながら読んだ。でもちょっとわかるのが愉快だったり悲しかったり。 巻末の筒井道隆の解説がユーモアに富んでいて...
中編ふたつ入り。 『夫婦茶碗』と『人間の屑』。どちらも「ぐうたら」などという呑気な駄目さをとっくに通り越したダメっぷり、クズっぷりを極めていて酷いなーこれは酷いなーと思いながら読んだ。でもちょっとわかるのが愉快だったり悲しかったり。 巻末の筒井道隆の解説がユーモアに富んでいて粋。
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だらしない主人公。だらしなさすぎて呆れてしましそうだが、人間ってこんな一面もあるよね。 結構楽しんで読めてしまった。
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夫婦茶碗のちゃわおっしゃーもおもしろかったけど、人間の屑のほうが好きだった。町田康は好きだけど、3冊続けて読んだらちょっと疲れたので、1年後くらいにまた別の作品を読みたいと思います。
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町田氏作品、初です。 オススメを友だちに聞いて読みました。 感想としては… 笑ったり、ちょっとイラっとしたり、共感したり、逆にありえないと思ったり、楽しく読めた作品でした。 少なからず私には持ってる部分で、だからこそ色々感情が動かされたのかも。
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