夫婦茶碗 の商品レビュー
久しぶりに再読して思ったんですけど町田作品って「癒し系」ですよね。 「癒し」という甘っちょろい言葉が不適切なら、「ストレス発散」?いや「解毒」? ぎゅうぎゅうに閉塞して閉塞して閉塞して、最後、一気に解放される感じ。 解放された先に何があるかっていったらビックリするほど何も無い事...
久しぶりに再読して思ったんですけど町田作品って「癒し系」ですよね。 「癒し」という甘っちょろい言葉が不適切なら、「ストレス発散」?いや「解毒」? ぎゅうぎゅうに閉塞して閉塞して閉塞して、最後、一気に解放される感じ。 解放された先に何があるかっていったらビックリするほど何も無い事もあるし、逆に猿股やら湯呑みやら招き猫やら孫の手やらが散乱する混沌の只中に放り込まれる事もある。でも、いずれにせよもう閉塞はしてないぜ、みたいな。 本書の表題作は前者の、『人間の屑』は後者の典型のように思いました。 手を変え品を変えジワジワと二進も三進も行かなくなっていく長編も良いですが、短編のスピード感もまた格別です。
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2日で読了。学生時代以来、二回目。読みやすい。 身の丈にあった妄想と、流れるような口調で痛快かな。ただ表題の短編は最後観念的すぎる気がする。人間の屑のラストは対象的にカタストロフィ、快活でした。
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新潮文庫のフェア「ピース又吉がむさぼり読む新潮文庫20冊」から発掘。 タイトルと表紙の色合いに魅かれて。 初めて手に取った町田氏の本。 普段読んでいた本とは一味も二味も違う。 これが町田節というものか。 流れるようなユーモアたっぷりな文章にやられました。 どうしようもないダメ...
新潮文庫のフェア「ピース又吉がむさぼり読む新潮文庫20冊」から発掘。 タイトルと表紙の色合いに魅かれて。 初めて手に取った町田氏の本。 普段読んでいた本とは一味も二味も違う。 これが町田節というものか。 流れるようなユーモアたっぷりな文章にやられました。 どうしようもないダメ人間。 でもどこか憎めないのは何故だろう。
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わたしにはまだ良さがよくわかりきれてないんだろうなあと思ったのでとりあえず★3つで。 どちらの短編も絵に描いたようなダメ男が主人公で、その生活をクズなりの視点でテンポ良くコミカルに描いていた。 『夫婦茶碗』はどんどん妄想と現実の境目がわからなくなっていって、狂人への転落を味わえた...
わたしにはまだ良さがよくわかりきれてないんだろうなあと思ったのでとりあえず★3つで。 どちらの短編も絵に描いたようなダメ男が主人公で、その生活をクズなりの視点でテンポ良くコミカルに描いていた。 『夫婦茶碗』はどんどん妄想と現実の境目がわからなくなっていって、狂人への転落を味わえた。 『人間の屑』は成功を掴んでも堕落を自ら引き寄せるようなダメ男。社会のどん底にいてもヘラヘラしていられるのは正直うらやましい。 頭がおかしくなっていく、経済的にも精神的にもマトモじゃなくなっていく擬似体験ってのは、結構気持ちが良かった。
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激烈におもしろい、町田康の初期作品。芥川賞を受賞する以前に発表している作品かな、ちゃんと調べていないから間違っていたらソウリー。 『夫婦茶碗』、『人間の屑』ともに、堕落した人間が主人公で、本当にしょうもないことばかりしているんだけれども、ここまで徹底的にくだらないとネ、もう笑う...
激烈におもしろい、町田康の初期作品。芥川賞を受賞する以前に発表している作品かな、ちゃんと調べていないから間違っていたらソウリー。 『夫婦茶碗』、『人間の屑』ともに、堕落した人間が主人公で、本当にしょうもないことばかりしているんだけれども、ここまで徹底的にくだらないとネ、もう笑うしかなくなりますよ。げらげらげら。 『夫婦茶碗』における、茶碗ウォッシャーしかり、鶏卵の並べ方しかり、うるおいのある生活しかり。『人間の屑』における、「母性の車海老」しかり、庭の猫たちしかり、乳揉み調査しかり、婆ぁの貯金箱しかり、コー君溺愛爺ぃしかり。 漫才でいうところのボケとツッコミが互いに「真面目にアホーな」ことをしておって、読み進めるにつれて、小笑いが中笑い、気付けば大笑いしながら、ライフルをフルオートでぶっ放しつつ突撃、なんちゅうオチだ、げらげらげら。そんな感じ。 町田康のなかで、いい文章・きれいな文章、さらには教訓めいたものを書こうという慾がない(と僕は勝手に推測している)ぶん、下手に洗練されている余人の書く小説と比較すると、町田康の初期作品は圧倒的におもしろい。 町田康の小説に出てくる主人公は、悉く堕落・没落した生活を送っていて、これではいかん、なんとかせんければならぬと皆、あがいておるのだけれども、その思惑と現実とのズレは常に広がっていき、如何ともしがたい。そのため、読者は次の展開をまったく予測できないので、先に書いたとおり、ライフルをフルオートでぶっ放しつつ突撃、なんちゅうオチだ、げらげらげら。そんな感じで満足・大満足。
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初めて読んだ町田康の作品。 手に取ったきっかけは忘れたけれど、 一気にこの作家の文章が好きになった。 『夫婦茶碗』『人間の屑』 どちらも駄目人間の話 働こうとして、まともになろうとして でも根っからのいい加減さのせいでベクトルは必ず負の方向 不幸な人の話なのに、読む人に楽しま...
初めて読んだ町田康の作品。 手に取ったきっかけは忘れたけれど、 一気にこの作家の文章が好きになった。 『夫婦茶碗』『人間の屑』 どちらも駄目人間の話 働こうとして、まともになろうとして でも根っからのいい加減さのせいでベクトルは必ず負の方向 不幸な人の話なのに、読む人に楽しませる想像力があって、笑いとばせる 空想が暴走してSFみたいなところもあり 語り手が酒のみながら目の前で聞かせてくれるような落語みたいな話 何より今まで読んだことない、難解そうに見えて読むと親しみやすい文章に驚いた。 難しい四字熟語を並べたかと思うと、 あぱぱぱ。ちゃわおっしゃー。わちゃあ。 なんて大阪の変なおっさんの独り言みたいな台詞が次のページでは連発。 思った以上にリズミカルに読める。 どちらもラストが泣ける。 個人的にはどちらかといえば『人間の屑』のラストが狂っていて好き。 中島らもの文章からも似たようなものを感じたが、 一般的に明るいイメージがある関西弁で表現される、笑かせつつ、泣かせる独特な哀愁がたまらない。
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脳内垂れ流してるような文体、改行が少なくてどこまで読んでもきりが悪い。 でも意外と読みにくくはなく、あぁこれが町田康かぁという感想。 リアルであって非現実的な世界観、素敵だけど、私にはちょっと合わなかったかも。
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「夫婦茶碗」と「人間の屑」の二編収録。 どちらもどうしようもなくクズな男が主人公。 救いようがなくバカバカしいんだけど、めいいっぱい「生きてる」感じがして まぶしくもある。 どちらかというと「人間の屑」の方が好きかな。 タイトルからして読みたくなってしまう。 町田康っぽくいう...
「夫婦茶碗」と「人間の屑」の二編収録。 どちらもどうしようもなくクズな男が主人公。 救いようがなくバカバカしいんだけど、めいいっぱい「生きてる」感じがして まぶしくもある。 どちらかというと「人間の屑」の方が好きかな。 タイトルからして読みたくなってしまう。 町田康っぽくいうと文章に「グルーヴ」がある。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
こないだ読んだ又吉のオススメ本の中にあったので、手にとった。 町田康は以前権化の踊り子?だっけそれを一度読んだことがあっただけだったはずだ。 ダメの美学というならば、太宰と同じ系統かもしれませんが、読みながらああ、そう。こういうところが苦手で二冊目いかなかったのよね~と昔がフラッシュバック。 今私が信用できないオーバー30だから、<いいとし>だから、共感できないのではない。なんのことはない、昔も高度にねじくれた思考とやらが苦手だったのだ。 テンポはいいし、リズムもいい。独特の雰囲気もある。ただ、きゅっと胸にせまるような、吐息をもらさずにはいられないような切なさ、シンプルさが私には好ましいのだ。 単純なのがよか。私の中に九州男児のおっさんがいたようです。 好み、嗜好の問題です、悪しからず。
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久々に読んでみた。最高でした。 酔狂の業としか思えぬ出鱈目&無駄のオンパレードなのだが、意識を失うその瞬間までおもいっきりシラフという感じがした。 初めて読んだ頃に比べれば自分自身、社会的に見ればだいぶ全うな人間になったわけで、だけどそのはずなのに前にも増して鮮烈なのは、一体...
久々に読んでみた。最高でした。 酔狂の業としか思えぬ出鱈目&無駄のオンパレードなのだが、意識を失うその瞬間までおもいっきりシラフという感じがした。 初めて読んだ頃に比べれば自分自身、社会的に見ればだいぶ全うな人間になったわけで、だけどそのはずなのに前にも増して鮮烈なのは、一体何を以て「全う」と言わしめるのかわからなくなる。 破滅の美学、堕落の美学というけれど、それが成立するのは堕落を突き詰めたものがあまりに美しかった瞬間に、どっちが堕落と言えるのか、一瞬目が眩んで見失いそうになるからなのかもしれない。 しかしおもろいなあ。子供、靴って。
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