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園芸家12カ月 の商品レビュー

4.1

65件のお客様レビュー

  1. 5つ

    23

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2018/03/22

心配性でお茶目な園芸家さん。1年ってあっという間だと近頃思ってたけど、植物の成長と共に1年を過ごすのは早く感じてもとても充実した1年になるんだろうなと思った。とはいえ園芸家さんならそんな感慨に浸る暇はないって言いそうだけど。

Posted byブクログ

2020/10/30

最初の「庭をつくるには」を読んで、もうビビビビーッときました。体が震えるとはこのことよ。 わ、わ、わ、私の植物へのキモチがそのまんま書いてある! 次の「園芸家になるには」を読んで、更に「只者じゃない!」とビックリ。震える手で著者の概略をネット検索し、ああ、そういう人なのか、と納得...

最初の「庭をつくるには」を読んで、もうビビビビーッときました。体が震えるとはこのことよ。 わ、わ、わ、私の植物へのキモチがそのまんま書いてある! 次の「園芸家になるには」を読んで、更に「只者じゃない!」とビックリ。震える手で著者の概略をネット検索し、ああ、そういう人なのか、と納得。 恥ずかしながら、カレル・チャペックって、アニメの「ダーシェンカ」のイメージから、勝手に「おしゃれ金持ちガイジンの道楽エッセイスト」と決めつけて、読もうと思ったことすらありませんでした。この本は、糸井重里さんの「ほぼ日」サイトで知り、ヨーロッパの庭づくりの話が楽しく読めればいいな~くらいの低期待値で図書館で借りました。 でもまさかド素人ガーデナーの自分がいつも感じていること(植物や季節の変化への畏怖の思い)がこんなにも端的にしかも楽しく鮮やかに描写されているとは。 本当に驚きました。 「園芸家になるには」に書かれている一文、「素人園芸家になるには、ある程度、人間が成熟していないとだめだ(=ある程度年配じゃないと、という意味)」にはまったく同感です。 著者は、1本のマキギヌを植えた時に、指のどこかに傷をしていて一種の「園芸熱」という中毒にかかったのだろう、とユーモラスに書いていますが、私も!私も同じ中毒にある日突然襲われたの!と声を出して叫びたい気持ちになりました。 私の場合は、冷やかしで入った住宅展示場で、帰りに無理やり持たされた「ミニバラ」の鉢植えでした。 バラなんて全然好きじゃなかったから迷惑だと必死で断ったのに「遠慮しないで。お土産ですから」と、拒絶を受け入れない能面のような笑顔で渡されたのが始まり。それまで植物なんて、すぐ枯らしてしまってまともに育てられたこともなかったし、もっと言えば、育てようとしたことすらなかったんですけどね。 そのバラのおかげで、植物がどんなにおしゃべりで変化に富んでいるか、季節がいかに美しく不思議に満ちているかをつくづく享受するようになりました。 うちには庭もないし、著者とは住んでいる場所の条件も様子も全然違うけれど、この本はそういう違いを超えて、園芸に対する共通した種々の思いを一緒に語り合っている気分にさせてくれました。 各章の締めくくりの部分には、どれもぐっときます。 たとえば… 「神々にも季節がある。夏のあいだは汎神論者になって、自分を自然の一部分だと考えるのもよかろう。しかし秋になると、だれだって自分を人間としか考えられなくなる」 ああ、分かる! まれに、園芸にとどまらず、社会風刺なんかも軽くピリっと入っていて、考えさせられます。 たとえば、「根」の話のところ。 評論家とか講演をする人たちは何かと根に話を持って行きたがる、「根源」にさかのぼらなければ、とか、「禍根」を残してはいけない、とか、「根本」がどうとか。でも、根を掘るというのは生易しい仕事じゃない、植わっているところにそっとしておいた方がいい。なぜ深く入りたがるかということは根の方も承知している、と。 ははは、って笑いつつ、うーん、まあそうかも、なんて考えてしまう。 訳註も非常におもしろかったです。 訳者の方も相当な園芸家みたいで、この本で書かれていることについてご自身の経験なども述べられていて、ここも大いに読む価値ありです。

Posted byブクログ

2017/10/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

園芸家の行動をユーモアを交えて描く。馴染みのないチェコの園芸家に関するはなしではあるが、ユーモアによって救われている。

Posted byブクログ

2017/05/28

この世には二種類の人間しかいない。園芸家か,そうでないかだ。 『ロボット』とかが有名だけれども,人を喰ったような文章(あくまで翻訳ですが)が楽しいチャペックの作品。これを読めば園芸家になりたくなる,多分。 天候に文句を言いながらせっせと庭の世話をする,隣の芝生は青いけど隣人が...

この世には二種類の人間しかいない。園芸家か,そうでないかだ。 『ロボット』とかが有名だけれども,人を喰ったような文章(あくまで翻訳ですが)が楽しいチャペックの作品。これを読めば園芸家になりたくなる,多分。 天候に文句を言いながらせっせと庭の世話をする,隣の芝生は青いけど隣人がモチベーション,まだ自分の庭にない植物への欲望は果てしなく,一年中なんやかんやで忙しい園芸家。愛と皮肉とユーモアがたっぷりつまっています。

Posted byブクログ

2016/05/23

面白いテレビドラマの登場人物が影響を受けたと言ったので。植物の名前がさっぱりわからないので面白味がわからないのは私の問題。翻訳も上手いしウィットも効いているので園芸ファンにはきっと楽しい1冊だと思う。

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2015/07/02

〈園芸家は、植物をいじることを商売だとは思っていない。一つのサイエンスであり、かつ芸術だと思っている。〉 チェコのマッド園芸家の庭づくり奮闘記。 私に羽が生えてれば、花を踏まずに雑草が抜けるのに!ちくしょう!! ってなことが1年分書いてあります。 爆笑。 庭づくりから学ぶで...

〈園芸家は、植物をいじることを商売だとは思っていない。一つのサイエンスであり、かつ芸術だと思っている。〉 チェコのマッド園芸家の庭づくり奮闘記。 私に羽が生えてれば、花を踏まずに雑草が抜けるのに!ちくしょう!! ってなことが1年分書いてあります。 爆笑。 庭づくりから学ぶでもなく、お金を得るでもなく、ただただ植物ラブのために庭を作る。 うらやましくなりました。いい趣味だなあ! 全12回で阿部寛主演のドラマになんないかな。 ムリか。

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2015/05/05

とても楽しい!園芸愛にあふれるチャペックの言葉を、これまた園芸愛にあふれる訳者が小気味良く翻訳。チャペックの兄による挿絵もユーモラスでほほえましい。草木を育てるには、何はともあれ土!土!土が大切!ということがよくわかった。

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2015/04/14

作家であり、園芸をこよなく愛するチャペック氏のエッセイ。軽妙洒脱な筆致ですこぶる読みやすく、同時に自然に対する深い畏敬の念がしみじみと伝わってくる。 「園芸家」とあるので植物の話が大半かと思ったら、土への賞賛が半分近く占めていた。良質な土あってこその緑の日々というわけだ。 終章の...

作家であり、園芸をこよなく愛するチャペック氏のエッセイ。軽妙洒脱な筆致ですこぶる読みやすく、同時に自然に対する深い畏敬の念がしみじみと伝わってくる。 「園芸家」とあるので植物の話が大半かと思ったら、土への賞賛が半分近く占めていた。良質な土あってこその緑の日々というわけだ。 終章の、園芸家は庭の手入れに夢中になりすぎて、ゆっくり庭を眺めるヒマがないというオチが深すぎてもう。まるで人生そのものだ。

Posted byブクログ

2015/01/24

某紅茶ショップとは(多分)関係のない、ジャーナリストでありSF作家でありというチェコの作家。園芸家でもあったのかと、自然のことがたくさん書いてあるのだろうと購入してみたら、見事に期待を裏切られた。 本作は1月から12月まで、その月に行うべき園芸家の仕事内容 "も&qu...

某紅茶ショップとは(多分)関係のない、ジャーナリストでありSF作家でありというチェコの作家。園芸家でもあったのかと、自然のことがたくさん書いてあるのだろうと購入してみたら、見事に期待を裏切られた。 本作は1月から12月まで、その月に行うべき園芸家の仕事内容 "も" 書かれている。しかし、最初の1月から、「スコップを折る」。本書は、園芸家に対する皮肉であり、「あるある」であり、そこをもっと伸ばした冗談(上品に言うとユーモア)でありドタバタなのだった。似たような作風というと、別役実であろうか。 冗談でドタバタだと気づいてしまえば、あっという間に読みきってしまえる。というか、まじめに読んでしまうと「これにはどんな意味があるのであろうか」と悩んでしまうだろう。単なる園芸家の悲しき習性を面白おかしく書いているだけだ。 しかし冗談と行っても、ちゃんと植物の知識もまんべんなく散りばめられている。解説によると280種類だそうで、それらの説明も最後に付いている。今はインターネット時代なので、楽しんだ後にそれらの植物を画像検索してみれば、より楽しめるのではないかと思われる。 この本は読書に慣れていない人でも1時間かそこらで読めるだろう。非常に易しい文章に、兄のヨーゼフの絶妙でおかしなイラストだけでなく、実際、文字数も少ないんだよね。読み返すのもすぐなので、何度か読み返したい本として、1冊は置いておきたい。

Posted byブクログ

2014/12/21

素直で、しかしユーモアに富んだ文体。こんな、軽くて面白い文章をかけたらいい。 「庭」への熱狂的な思いが見えて面白かった。

Posted byブクログ