夜の蝉 の商品レビュー
改めて北村薫の凄さを思い知らされる。推理小説としての質の高さに加え、小説としても一つ一つの言葉の使い方と遊び方、そのようなものに惹かれてしまう。
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私が姉であるからこその感情移入がありました。 おねえちゃん、とはきっとこれからもずっと妹や弟にとっておねえちゃんであり続けるし、妹や弟といった存在はきっとこれから何年経っても昔から変わらない庇護すべき存在なんだな、とこの小説を読んで思いました。 北村薫さんの小説は、今ある家族や周...
私が姉であるからこその感情移入がありました。 おねえちゃん、とはきっとこれからもずっと妹や弟にとっておねえちゃんであり続けるし、妹や弟といった存在はきっとこれから何年経っても昔から変わらない庇護すべき存在なんだな、とこの小説を読んで思いました。 北村薫さんの小説は、今ある家族や周りの人たちがとても大切なものだと優しく教えてくれます。
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このシリーズは雰囲気がとてもいい。2作目の夜の蝉では女友達の正ちゃんや江美ちゃん、お姉さんの事も書かれていてより魅力がでてきたと思う。
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円紫さんシリーズ第二弾。 成長と愛がテーマで、年下の面倒を見る、少女から女性へ変わるなどの成長と、淡い恋愛から嫉妬、兄弟愛まで様々な形の愛情が描かれている。 人間の内面を主に描いた作品で、ラストの夜の蝉は姉に感情移入してしまった。
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たびたび登場していたものの謎の多い主人公の姉について、すこしずつ明かされてくる。主人公にとってもすこし近寄りがたくわからないところのある姉であるようだ。 そういえば、このシリーズ円紫さんや主人公の友人の名前は出てくるけど、主人公の名前は出てきていない。
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※このレビューにはネタバレを含みます
途中で気付いたけど以前読んだことがあったらしい。 三題噺の章、感動が半減してしまった・・・ でもやっぱりいい。 特に姉と「私」の関係を描いた表題作は、じんとくる。 円紫さんが「私」を気づかい優しく見守っている様子がすごく感じられて、いいなあと思ってしまう。 ごく単純に、色恋でなくこういう人がいるということ、いいなあ。
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円紫さんシリーズ二作目 朧夜の底 正ちゃんの働く本屋さんである悪戯を見つけた私。最初は7、8冊だけ標題が読めないよう逆にされていた。 二度目は、十数冊、まとめて上下が逆に。 三度目は箱入りの本の中身が入れ替えられていた。 誰が何のために…? 六月の花嫁 江美ちゃんとそのサー...
円紫さんシリーズ二作目 朧夜の底 正ちゃんの働く本屋さんである悪戯を見つけた私。最初は7、8冊だけ標題が読めないよう逆にされていた。 二度目は、十数冊、まとめて上下が逆に。 三度目は箱入りの本の中身が入れ替えられていた。 誰が何のために…? 六月の花嫁 江美ちゃんとそのサークルのメンバーの計5人で軽井沢へ行くことになった私。そこで、チェスのクィーンがなくなるという事件がおこる。 次になくなったのは卵。その次は鏡。 犯人は誰だ。 夜の蝉 私の姉に降りかかった悪意。 円紫さんの「つるつる」と合わさって、不満や嫉妬などが描かれる。 そこにいたのは「お化け」だった…。 前回もそうだったけれど、主人公や円紫さんがあまりにまほのぼのとしているので、(特に主人公の私はこの時代でも浮世離れしているよなぁ…と思う)突然、生々しい現実を見せられるとぞくっとします。 やったことは、小犯罪でも、それを心理学でいう合理化をして、あくまで自分を正当化する人。 全てを知っていながら、被害者になりきる女。 だからこそ、真ん中の六月の花嫁は、おぉっと思いました。 次の巻で、花嫁になった彼女を見るのが楽しみです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
シリーズ第二作目。今回も「私」が遭遇したちょっとした事件を、円紫さんと共に謎解きをして解決して行く。何と行っても円紫さんの落ち着いたあの知的な口調と、それでいて鋭い千里眼を持ち合わせる、このギャップがこのシリーズの持ち味だ。 大学の友人・江美ちゃん達と行った旅行では、犯人探しにまで挑む。(もちろん、殺人事件ではない。チェスの駒が消えた、というささやかな事件。) 今回は、更に「私」の周りの人々の素顔が描かれて行く。 1作目ではちらっとしか出てこなかった「私」の美人過ぎる姉も登場する。「私」の姉への愛情がテーマとなる。長い年月の姉妹のわだかまりを表現する描写があるのだけど、とても絶妙で、本当に姉を持った若い女性の気持ちを綴っているかのようだ。しかし、作者は紛れもない62歳のおじさんなのである。 北村薫、何者なのだろう。 そして、「私」と「姉」の名前が最後まで明かされないってのが気持ち悪い。 私は一人称の小説が実はあまり好きじゃない。何故なら語り手一点の視点でしかストーリーが追えないからだ。(といっても村上春樹は好きだけど。)このシリーズ、最後では名前を教えてくれることを期待して読み続ける。
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2012年5月から7月にかけて、「朧夜の底」「六月の花嫁」「夜の蝉」の各話と、話中に出てくる噺を、噺家の柳家三三さんがひとりで演じるというシリーズの公演が東京であり、それぞれを観賞し終わった後に、それぞれの話を再読しました。
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女友達、といえば3人組と相場決まっている、のだろうか? 三人だと対立しないし、安定していていいのかもしれない。 おもしろくて、ついついシリーズで一気に読み進めてしまっている。 「空飛ぶ馬」と同様にミステリーとして楽しめる作品だが、キャラクターにぐっと深みが出ていて、さらに読み応...
女友達、といえば3人組と相場決まっている、のだろうか? 三人だと対立しないし、安定していていいのかもしれない。 おもしろくて、ついついシリーズで一気に読み進めてしまっている。 「空飛ぶ馬」と同様にミステリーとして楽しめる作品だが、キャラクターにぐっと深みが出ていて、さらに読み応えが増している気がする。
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