百物語(文庫版) の商品レビュー
裏表紙 古より百物語と言う事の侍る 不思議なる物語の百話集う処 必ずばけもの現れ出ずると-人々が目に見えないものと見、理性では説明のつかぬことを信じていた江戸の時代。生と死の間で右往左往する人間たちの前に、時間を、空間を超えて現れる魑魅魍魎たち。怪しのものと人間たちの滑稽でいとお...
裏表紙 古より百物語と言う事の侍る 不思議なる物語の百話集う処 必ずばけもの現れ出ずると-人々が目に見えないものと見、理性では説明のつかぬことを信じていた江戸の時代。生と死の間で右往左往する人間たちの前に、時間を、空間を超えて現れる魑魅魍魎たち。怪しのものと人間たちの滑稽でいとおしい姿と懐かしき恐怖を、怪異譚集の形をかりて漫画で描いた〈あやかしの物語〉。 この作品は昭和六十三年八月、平成二年十二月、五年七月に、「百物語」(壱)(弐)(参)として新潮社より刊行された。
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ホラーじゃなくて怪談。 ホラーは、明らかに人間に害をなす「悪いもの」に襲われる、あるいはそれと戦う話だと思う。そうではなく、何だかわからないことが起こって、現実の足元が揺らぐような感覚が怪談なのだと思う。無理に説明しようとしていないところがいい。 妖怪の類は最近はやりだが、まるで...
ホラーじゃなくて怪談。 ホラーは、明らかに人間に害をなす「悪いもの」に襲われる、あるいはそれと戦う話だと思う。そうではなく、何だかわからないことが起こって、現実の足元が揺らぐような感覚が怪談なのだと思う。無理に説明しようとしていないところがいい。 妖怪の類は最近はやりだが、まるで本当に作者自身が江戸に住んでいて、隣のおかみさんから聞いた話のようなこの書きぶりは、杉浦さんならではではないだろうか。 読んでいるときは大して怖くなかったのだが、そのあと寝ようと電気を消したら何とはなくぞっとした。見えてはいけないものが見えそうな気がして。 浮世絵の影響を受けた独特の絵柄、と思っていたのだが、終わり近くさらっとムンクの絵が使ってあってはっとした。もしかして、浮世絵に詳しい方なら、明らかに本歌取りとわかる絵(コマ)が他にもあるのだろうか?
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本来の百物語は「うらめしや」ではなく 不思議系の半紙が多かったそうで、 忠実に不思議な話が多く奈々っているのですが。 純和風だからですかね、 ぞっとする怖さが違いますね。 絵や人物はいい味を出しているのに、 あまり読み返せない一冊です(笑)。
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百日紅と百物語は杉浦さんのコミックでは2大オススメ作品です。 怖い話だけではなく、不思議な話をただその出来事だけ描いた物も多く、 その落ち着かなさが、不思議と印象に残ります。
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一日一話ずつ読んでいきたい。 一気読みも良いけど、杉浦先生の描く怪しくも可笑しい『百物語』の世界に少しずつ少しずつ浸かるという心地よさ。しかし油断していると、本気でビクッとさせられる事があるから困る。
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ああ、随分大切な何かなのに、どこかに置いて来てしまった。 そんな気がしてならなくて、気持ちが寂しい時、これをゆっくりと読みます。
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古典からの引用や創作、とにかく多様な語り口で描かれるふしぎ話、あやし話各種。 百物語の作法に則って九十九話で打ち止めなのがどこか勿体なくもあり。 もちろん百物語であるならば、最後の一話は止めるが定石だし、怪を語れば怪至る。 でもこんな怪ならば、少し離れた場所でそっと透き見したい...
古典からの引用や創作、とにかく多様な語り口で描かれるふしぎ話、あやし話各種。 百物語の作法に則って九十九話で打ち止めなのがどこか勿体なくもあり。 もちろん百物語であるならば、最後の一話は止めるが定石だし、怪を語れば怪至る。 でもこんな怪ならば、少し離れた場所でそっと透き見したい。 そんな本。
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なんとなく、「今度こそ99話読み終えた時何か起こってしまうのでは…」と、今まで読み返さずにおったのですが。 ご存命の時からどことなく妖怪に近いというか、江戸時代から生きておられそうな方でしたので… やっぱりすごくおもしろいです。 流れる水のような線の美しさは今になって見ても変わら...
なんとなく、「今度こそ99話読み終えた時何か起こってしまうのでは…」と、今まで読み返さずにおったのですが。 ご存命の時からどことなく妖怪に近いというか、江戸時代から生きておられそうな方でしたので… やっぱりすごくおもしろいです。 流れる水のような線の美しさは今になって見ても変わらず…夭折されたことが惜しまれます。 杉浦日向子先生の遺志を継いでソ連(蕎麦連合)を実践し続けます。 蕎麦最高!
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連載じゃなく本気で描ききってほしかった一作。その面映ゆさは手塚治虫『どろろ』の物足りなさ・歯がゆさに匹敵する。
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ぞくっ ひやり。 研ぎすまされる世界。 妖怪や物の怪、本来怪談は人間味あふれるものなのだと思い出す。
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