百物語(文庫版) の商品レビュー
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これは本当に最高な怪談集! ストーリーが画一的でないというか、「ああこれどこかで聞いたわ」って話がほとんどない。一話一話が新鮮で、美味しい料理をフルコースで食べたみたいな満足感がある。 好きなのは「地獄に呑まれた話」。中に入っていれば気持ち良い温泉みたいな湧き水。でも、そこから出れば体がすさまじく火傷している。興味本位で近寄った親子の父親のほうが、いつしか底なし沼のようにずぶすぶ浸かっちゃう。 これを仕掛けたのが鬼だか仏だかは知らないけど、なんていやらしい罠なんだろう! でも嫌悪感より、「見事」って思っちゃう。だってこの話、結局は人間が悪いんだもんね。よく考えて見れば、ただおかしな湧き水が湧いてただけで、それを恐ろしい罠にしているのは人間の弱さ。 そんなちょっとシニカルだけど、嫌味のない怪談が詰まってる。何度読んでもその度面白いと思える!
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小説のような体裁だけど、漫画。ときおり思い出しては一話一話読み進めて、ようよう読み終わり。怪と隣り合わせの日常という、なんとも日本らしい話の数々でした。
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大店の御隠居が退屈しのぎに訪れた人たちから不思議な話や怪談を聞き集めるという趣向の物語。 怪談ということではあるが、それ以上に妖が特別ではなく、江戸の日常との隣り合わせであることが描かれている。 現代ではキャーキャーと悲鳴とともに紹介されそうな話を、この世界では不思議を不思議と捉えながら、その不思議が日常生活の中に溶け込んでおり、当たり前として描かれていることが、江戸社会らしく印象深い。 改めて杉浦さんは漫画家であると同時に江戸社会・文化の研究者でもあったんだと実感させられる。
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ひとつひとつのお話ごとに画風を変えている。作者の絵力に惚れ惚れとする一冊。くすりと笑える話もあれば身の毛がよだつような恐ろしい話も。感情のひとつひとつを擽るような本。
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2008年8月31日読了。 「古(いにしえ)より百物語と言う事の侍る 不思議なる物語の百話集う処 必ずばけもの現われ出ずると」解説より。 江戸時代の怪談話、九十九話。百話目を話すと化け物が……。 九十九話のなかでも、美女の話がぞぉっとして怖い。子どもの話は少し悲しくていたたまれない。男や年寄りの話はまずまず。ってところでしょうか。つまりは自分好みの順に怖いってことで。 江戸の昔からも信じられ伝えられてきた怪しい話というのがなかなか興味深いです。
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◆どこか懐かしい恐怖◆ 百物語をすると必ずこわきものが現れる…一話ずつ読み進めてしまうのは怖いもの見たさの好奇心でしょうか。この本に出てくる人々もそんな好奇心にいざなわれて、気が付くと不思議な体験をしてしまっているのです。魑魅魍魎たちは言葉では伝わらないことを伝えようとしているの...
◆どこか懐かしい恐怖◆ 百物語をすると必ずこわきものが現れる…一話ずつ読み進めてしまうのは怖いもの見たさの好奇心でしょうか。この本に出てくる人々もそんな好奇心にいざなわれて、気が付くと不思議な体験をしてしまっているのです。魑魅魍魎たちは言葉では伝わらないことを伝えようとしているのか、ただ人間をからかっているだけなのか。選び抜かれた物語はどこか淋しげで滑稽でいとおしい。杉浦日向子の描く空白や闇はとても静かでどこまでも広がっています。
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独特のタッチと、不思議な小話がいい塩梅にまじりあって、たまに手に取って読み返してしまう。 ちょっと闇を覗くような不気味なお話も多い。
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99個も話しが入ってるから、飽きるところもあったけど、それでも恐怖と安心感が同時に存在するような、この雰囲気・・・好きだー!淡々とした語り口がまた良いし、杉浦日向子の絵も味があって良かった!
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コミックによる百物語。 ホラーというよりは「妖しい話」、「奇妙な話」が殆ど。何より、この作者ならではの江戸情緒―池波作品とはまた違う―が満喫できる。もちろん、背筋がぞくりとする話も多い。 画のタッチこそおだやかでおどろおどろしいものはないのに、ふと気付くと肌が粟立っていることも...
コミックによる百物語。 ホラーというよりは「妖しい話」、「奇妙な話」が殆ど。何より、この作者ならではの江戸情緒―池波作品とはまた違う―が満喫できる。もちろん、背筋がぞくりとする話も多い。 画のタッチこそおだやかでおどろおどろしいものはないのに、ふと気付くと肌が粟立っていることも。 つくづく、著者の早逝が惜しまれる。
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昔の人の「不可思議」との距離感がひしひしと伝わる。 で、妙にそれが心地いいのは、きっと日本人だからなんだろう。
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