百物語(文庫版) の商品レビュー
39冊目『百物語』(杉浦日向子 著、1995年11月、新潮社) 1986年〜1993年に連載された、夭折の作家・杉浦日向子による怪談百物語。 〈現代と江戸と二つの時間を自在に行き来する〉と称されるほど確かな時代考証を得意とする著者が描く百物語ゆえ、生々しい息遣いが聞こえてくるよう...
39冊目『百物語』(杉浦日向子 著、1995年11月、新潮社) 1986年〜1993年に連載された、夭折の作家・杉浦日向子による怪談百物語。 〈現代と江戸と二つの時間を自在に行き来する〉と称されるほど確かな時代考証を得意とする著者が描く百物語ゆえ、生々しい息遣いが聞こえてくるようなリアリティが作品に満ちておりそれが恐怖心を増幅させる。 エピソードによって作風をがらりと変えるなど、表現主義的ともいえる変幻自在のタッチもまた素晴らしい。 〈罰が 当たるのなら、 姉ちゃんは きっと猫に 生まれ代わるよ。〉
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初めて読んだ作家さんですけれども、割と面白かったですかね! 江戸時代を舞台にした作品ということもあり、少々登場人物たちの言葉遣いが分かりづらかったもしましたが…まあ、慣れ、ですね! ヽ(・ω・)/ズコー 理屈に雁字搦めになっている現代とは違い、この頃の日本人は迷信だとか世迷...
初めて読んだ作家さんですけれども、割と面白かったですかね! 江戸時代を舞台にした作品ということもあり、少々登場人物たちの言葉遣いが分かりづらかったもしましたが…まあ、慣れ、ですね! ヽ(・ω・)/ズコー 理屈に雁字搦めになっている現代とは違い、この頃の日本人は迷信だとか世迷言だとかを信じていたくさいですねぇ…だからこそ、マジで不思議に思える出来事に出会うことがあるとか…幽霊的なものとかね、見ることも多々あったかと思います! そういえば、現代日本では”怪談話”というものが見られなくなってしまいましたねぇ…昔はそんな番組、多々あったように思うのに…現代の日本人は科学ですべて立証できる!とでも思い込んでいるのでしょうか…。 解説に「これからの日本人は皆、隠居していく…」みたいな記述があるのですが、世の中インターネッツで便利になったこともあり、確かに現代人は皆、”内向き”になっているような気がしてなりません…若者も、現代の若者はどこかへ遊びに行くというよりも、内に篭って何かをやっている…ような雰囲気がありますし…内にこもっていても何一つ不自由のない生活が送れますからねぇ… 良いのか悪いのかは別として…。 さようなら…。 ヽ(・ω・)/ズコー
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第100回アワヒニビブリオバトル第2部タイマンビブリオバトル 第5戦「マンガ」で紹介された本です。ハイブリッド開催。チャンプ本。 2023.6.10
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これも漫画とは思わず、手に取った本。 昔から伝承される怪談話を集めて漫画にしたもの。一話一話が短くてサクサク読めます。 気持ちわるって思うのから何故かほっこり笑えるものまでいろいろ楽しめました。
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怪談なのでオチがあるわけではない。ゾッとしたり、不可解な気持ちになったり。なかなかに濃い内容で、一度に読めるものではない。
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ぎりぎり怖くない、と思う。 ただ街灯の絶えた夜道を歩いているときに思い出したらおっかない気はする。 想像力から「怪」は湧くのであります。 カヴァーに付されている筆者杉浦の紹介文が「笑顔の絶えない人であった」云々といった、新潮社らしからぬ表現だったのは今でも気になる。
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著者の名も知らず、開いたら漫画だった。怪談だが怖くはない。「遠野物語」のような江戸時代の人が妖怪とどう接したかを想像する。しばしば画のタッチが異なっていて、別人手伝ってるのかと余計なことが気になった。2021.5.11
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描線の入りと抜きが無いので、素人っぽく見える絵だが、奥行きや高低差の表現を見ると実に玄人っぽい。特に、其ノ五十九「魂呼びの話」(上)、長押障子の向こうに覗く童女の顔など。其ノ八十七「人魚譚三話」、壺の表面を遊泳する人魚もお見事。 江戸時代なら、こういう怪異も地続きで起きたのだ...
描線の入りと抜きが無いので、素人っぽく見える絵だが、奥行きや高低差の表現を見ると実に玄人っぽい。特に、其ノ五十九「魂呼びの話」(上)、長押障子の向こうに覗く童女の顔など。其ノ八十七「人魚譚三話」、壺の表面を遊泳する人魚もお見事。 江戸時代なら、こういう怪異も地続きで起きたのだろうと思えてくる。正確に考証され、杉浦日向子を経由した語り口調が、怪異譚を下支えしている。
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http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2005/07/post_4adb.html
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江戸時代を舞台にした怪異譚で百物語作法に則り、99話収録。 8ページに1~3話、又は8ページずつ上下で2話の構成。 99話目は16ページ。 夜の闇は濃く、山野は深く、生けるモノや死せるモノだけでなく、 生きものや魑魅魍魎も、身近にあった頃の怪異譚です。 日常での、ちょっと不可思議...
江戸時代を舞台にした怪異譚で百物語作法に則り、99話収録。 8ページに1~3話、又は8ページずつ上下で2話の構成。 99話目は16ページ。 夜の闇は濃く、山野は深く、生けるモノや死せるモノだけでなく、 生きものや魑魅魍魎も、身近にあった頃の怪異譚です。 日常での、ちょっと不可思議な話というような感じの語り口で、 淡々とした印象だけど、言葉の代わりに絵で、はっとさせられます。 また、人間の心根の複雑さも、考えさせられます。 読みながら、頭にふと浮かんだのは諸星大二郎の「諸怪志異」 あちらは中国の怪異譚。やはり身近に魑魅魍魎がいる話だけど、 舞台設定の違いで味わいが違うものだなぁと思いました。
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