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靖国問題 の商品レビュー

3.6

74件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2009/12/15

満州事変のあった1931年の翌年、熱心なクリスチャンだった2人の上智大生が軍事教官に引率されて靖国神社に遊就館の見学に行ったさいに、参拝を拒んだ。それが大問題となり、陸軍省は大学からの配属将校の引き上げを実施、反カトリックキャンペーンを展開。上智大学はこの事件で存亡の危機に瀕した...

満州事変のあった1931年の翌年、熱心なクリスチャンだった2人の上智大生が軍事教官に引率されて靖国神社に遊就館の見学に行ったさいに、参拝を拒んだ。それが大問題となり、陸軍省は大学からの配属将校の引き上げを実施、反カトリックキャンペーンを展開。上智大学はこの事件で存亡の危機に瀕したが、結局全面屈伏と引き換えに危機を逃れた。学長以下全校謹慎したうえ、学長、神父、学生がこぞって靖国神社に参拝し、忠君愛国の士を祀る神社に参拝することは、国民としての公の義務にかかわることであって、各自の私的信仰とは別個の事柄であることを了解した、と文部省に伝えた。

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2009/10/04

ま、もともとこの問題に関して知識がなかったけど なかなか深い考察をしてるな〜と思いました。 とりあえず、いい本だと思います。 靖国神社は 「戦死者を祭神として昇華し、戦争に赴く気を保つ装置である」 というような定義をしてると思います。 第一章が非常に印象的で、 息子の死を...

ま、もともとこの問題に関して知識がなかったけど なかなか深い考察をしてるな〜と思いました。 とりあえず、いい本だと思います。 靖国神社は 「戦死者を祭神として昇華し、戦争に赴く気を保つ装置である」 というような定義をしてると思います。 第一章が非常に印象的で、 息子の死を悲しみながらも、 靖国に祀られ天皇の顔を見れた事を光栄に思う人の談話がのってました。 そして、靖国問題=A級戦犯分祀問題と捉えることで 戦争責任をA級戦犯のみに押し付け、 それを指揮したとされる昭和天皇やBC級戦犯の責任、 ひいては満州事変以前の 日本の歴史認識の曖昧さを覆い隠す、と。 それでいて無宗教の国立追悼施設についても 神道は形式的には宗教ではなかったことに関連して言及してます。 うん、いろいろ書いてあったんだけど、 全体としていまいち咀嚼しきれてない感覚。 本の中で、靖国問題から非戦の話にまで話が拡大したからかな。 それが当然の流れなんだろうけど。

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2009/10/07

友人からもらった著書。 小泉元主相の靖国参拝に端を発した靖国問題について書かれている。おぼろげながら靖国の問題はわかっていたが、理解を深める上で取っ掛かり易い著書だと思う。靖国問題について議論の必要があるときは、もう一度熟読しようと思った。日本は敗戦国であるが、アジアの国々を植...

友人からもらった著書。 小泉元主相の靖国参拝に端を発した靖国問題について書かれている。おぼろげながら靖国の問題はわかっていたが、理解を深める上で取っ掛かり易い著書だと思う。靖国問題について議論の必要があるときは、もう一度熟読しようと思った。日本は敗戦国であるが、アジアの国々を植民地支配したという事実をきちんと伝えている点は、大切だと感じる。主観的な偏りも無く事実を冷静に見つめている哲学書だと言ってよい。

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2009/10/07

小泉元首相が靖国神社に参拝するようになってからもう7年近くになります。福田首相になってから靖国参拝をめぐる「問題」として見る視点も少なくなってきてはいますが、本質的議論がなくなっただけで問題は残っているように思えます。 21世紀に入ってからの数年の間に、未来志向とも叫ばれていた...

小泉元首相が靖国神社に参拝するようになってからもう7年近くになります。福田首相になってから靖国参拝をめぐる「問題」として見る視点も少なくなってきてはいますが、本質的議論がなくなっただけで問題は残っているように思えます。 21世紀に入ってからの数年の間に、未来志向とも叫ばれていた日本と中国・韓国との関係が冷え込んだ歴史をたどりながら振り返る上で、お薦めできる本です。 また実際に靖国神社と国家および皇室のつながりが心理的、社会的にどのような影響を及ぼしたか、その構造がもたらす恐ろしい影響力も書かれています。小泉元首相が参拝の度に繰り返す論調がいかに靖国の宗教的歴史的位置づけに対して理解がないのかが分かります。 思い返せば小泉氏は首相になったときに「首相は常に公人で私人であることはありえない」とか言ってたのに、靖国参拝の時は「私的参拝」っていったりしていたのを思い出します。論理的に破綻している彼の傲慢というか横暴の一面を象徴しているのがこの靖国参拝問題の一側面かもしれません。 哲学的な視点から見た靖国問題の検討という売り文句内容が必ずしも一致していない部分や少々強引な論調も見られるので、★は3つ。

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2009/10/04

見識を広げようと購入した。読み終わった直後はそれとなく分かった気になったが、今となっては大部分の内容が抜けている気がする。ともあれ問題の大筋をつかむことが出来たように感じた。 この種の問題のように、対立する2つの主張が存在する事柄について学ぶ場合には、双方の立場の意見をそれぞれ聞...

見識を広げようと購入した。読み終わった直後はそれとなく分かった気になったが、今となっては大部分の内容が抜けている気がする。ともあれ問題の大筋をつかむことが出来たように感じた。 この種の問題のように、対立する2つの主張が存在する事柄について学ぶ場合には、双方の立場の意見をそれぞれ聞いて、どこに真実があるのか自分で判断することが必要だと感じたのも、この本がきっかけだったように思う。

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2009/10/07

(2008/2/11読了) 靖国神社に行ったので、タイムリーに(笑)やはりあれは宗教であって、思想信教の自由に属する問題であるからして首相が軽々しく公式参拝するのは問題であると改めて感じました。

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2010/01/10

 以下、印象に残った概要。 ?靖国神社問題は、「感情の問題」・「歴史認識の問題」・「宗教の問題」・「文化の問題」・「国立追悼施設の問題」に要素分解される。 ?「感情の問題」…望まない戦死の<悲しみ>が靖国神社に祀られることで英霊化される<喜び>へ(⇒これって<悲嘆>じゃないの?...

 以下、印象に残った概要。 ?靖国神社問題は、「感情の問題」・「歴史認識の問題」・「宗教の問題」・「文化の問題」・「国立追悼施設の問題」に要素分解される。 ?「感情の問題」…望まない戦死の<悲しみ>が靖国神社に祀られることで英霊化される<喜び>へ(⇒これって<悲嘆>じゃないの?)…「感情の錬金術」 ?「歴史認識の問題」…●A級戦犯問題は、A級戦犯の罪状が問題なのではなく、戦争犯罪者を合祀している神社に日本国首相として参拝している行為が問題の本質、●靖国の戦死者の<戦いの歴史>を植民地支配の過程から認識すべき。 ?「宗教の問題」…政教分離問題・靖国非宗教化論(信教の私的自由と国家の公的義務は両立する⇒<ホンネ>と<タテマエ>) ?「文化の問題」…戦死者追悼参拝は日本特有の文化に対し、祀られるべき人間は国家的意志の選別を受けた者のみ。 ?「国立追悼施設の問題」…不戦の誓い・過去の清算・非軍事化・憲法9条の堅持(非戦・平和主義)を実質的に行わなければ「第二の靖国」となる。  「靖国神社をめぐるさまざまな発言・言説がどのような意味を持つのか/どのような問題に対して発言しているのか」を知るため、論点整理のためには有用だろう。しかし、?・?で言及している、自国の国民だけ追悼して相手(敵国も含まれる)の人間を追悼しないのはおかしいとするような内容については違和感を感ずる。追悼施設は基本的に、一般的にどこでも、自国の人間を追悼し、敵国の人間を追悼していない性格のものだろう(中国が旧日本兵を追悼しているか?)。

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2009/10/04

懐かしい、プレゼンの思い出。 海野先生、鐘先生曰く、この本は中立的で、入門書としては一番良いそうです。

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2009/10/04

靖国問題と言うと、右だ左だとそういう観点で見ることが多くなるが、この本は比較的バランスが取れていて良い本だと思った。 歴史的には戦死者およびその家族の精神安定装置として意義あることだった。これからも戦争が起こった場合に靖国神社はその機能を発揮できるか大きな疑問がわいた。 そもそも...

靖国問題と言うと、右だ左だとそういう観点で見ることが多くなるが、この本は比較的バランスが取れていて良い本だと思った。 歴史的には戦死者およびその家族の精神安定装置として意義あることだった。これからも戦争が起こった場合に靖国神社はその機能を発揮できるか大きな疑問がわいた。 そもそも日本人は戦争に巻き込まれた場合、戦えるのか?? 間違っても日本から戦争を吹っかけていくことはして欲しくないが巻き込まれる事はありうる話だ。その時日本人は何を糧に命を投げ打つ覚悟をするのか? 戦前、戦中にその覚悟を与える一つの装置が靖国神社であったと解説されている。 日本人は日本を守れるのか?そんな疑問が頭をよぎりました。

Posted byブクログ

2009/10/04

高橋哲也[2005]『靖国問題』ちくま新書★★★靖国の抱える問題を、包括的に扱っているという点で、優れていると思います。各論については、賛否が分かれると思いますが、靖国をめぐる論点を理解するという点においては、良書・基本文献といえると思います。

Posted byブクログ