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夜市 の商品レビュー

4.1

321件のお客様レビュー

  1. 5つ

    105

  2. 4つ

    132

  3. 3つ

    49

  4. 2つ

    7

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オススメ

第12回『日本ホラー小説大賞』受賞。何かを引き換えにすれば、手に入らないものはないという「夜市」。そこは妖たちの集う場所。一切の無駄をそぎおとした美しい文章から、妖しく幻想的な光景が浮かび上がる。

TKS

2024/09/11
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気になっていたこの本にふと出会ったので読んでみた。 あからさまに禍々しいようなものは出てこないけど、ふと足元をすくわれるようなおぼつかない気持ちになる。面白かった。

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2024/09/03

読書は体験だ、という気持ちが蘇える時間だった。 夜市の生ぬるい、だけど昏く暗い夜空の閉塞感、互いしか味方のいない心細さと、その味方すら得体は知れないというじわりとした恐怖。その上でうつくしい物語の構造と、妖しいものたちの彩。 私は二作目に入っている、古道のお話の方が好きだった。 ...

読書は体験だ、という気持ちが蘇える時間だった。 夜市の生ぬるい、だけど昏く暗い夜空の閉塞感、互いしか味方のいない心細さと、その味方すら得体は知れないというじわりとした恐怖。その上でうつくしい物語の構造と、妖しいものたちの彩。 私は二作目に入っている、古道のお話の方が好きだった。 恒川さんの本は二冊目だけれど、 今も変わらない圧倒的な肌感があった。 腐っていく友人に話しかける怪しい古道の端。 生温かい血のにおい。蠅のたかる甘い腐臭。 どうしようもない理の前に立つことが、 どうしようもなく生きていきたい世界へと続いている。 力強く、切なく、本当にうつくしい物語でした。 大好き。 夏にいつも読みたいと思うのに読めずに来た二冊目、クリア。(一冊目は『向日葵の咲かない夏』で去年のこと。毎年一冊ペース)

Posted byブクログ

2024/08/03
  • ネタバレ

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あまりに面白い面白いと言われすぎていて期待を上げすぎていたというのが正直な感想…。 夜市も風の古道も目紛しい展開で飽きることはなかったが、展開がパターン化されているように感じた。 怖いのが苦手だけどホラー小説が読みたいと言う人におすすめ。

Posted byブクログ

2024/08/07

ずっと読んでみたかった。 がっつり幽霊が出るとか殺人鬼が出てくるとかそういう話ではなく、なんとなく背筋にツーッとくる。それでいて最後には切なさが残る、暗闇の中に微かな灯火がゆらめいているような話だった。 「夜市」では子どもの頃に迷い込んだからこそ、単純な願いが弟と対等に思えてし...

ずっと読んでみたかった。 がっつり幽霊が出るとか殺人鬼が出てくるとかそういう話ではなく、なんとなく背筋にツーッとくる。それでいて最後には切なさが残る、暗闇の中に微かな灯火がゆらめいているような話だった。 「夜市」では子どもの頃に迷い込んだからこそ、単純な願いが弟と対等に思えてしまったのかな。本当に欲しいものってお金では絶対買えないんじゃないかと思えるほど、成長していくごとに増す裕司の葛藤や後悔が辛い。 いずみの存在は正直謎だった。見届け役にしてもちょっと…とは思ったけど、恋人だったらまたあの別れは違っていただろうからあれで良かったのかもしれない。何にせよ裕司は子どもの頃も成長しても、自分のことで精一杯。そういう意味ではいずみが可哀想だったな。 ちょっと物足りなさを感じたので、長編にしたらもっと読み応えがありそうという印象。 「夜市」より「風の古道」の方が好みだった。古道のものは外に持ち込めないというのは、あの世とこの世みたいだな。 自分が住む世界の外側や異界に憧れる、というのは多くの人が持つ感情だと思うが、全く想像してなかった形でそれを描写され、その思いを抱えるキャラクターのことを考えると胸が締め付けられた。 レンが登場した時に容姿の描写が少し不思議だなと思っていたら、そこに至る理由がちゃんとあってほろりときた。そこから彼は孤独に放浪するわけだけども。 死人が蘇るというのは本来あってはならないことで、蘇らせるにはかなりの代償が必要、というのも納得の理由。代償を払って甦らせた結果も残酷。だから本当は蘇ってはいけないのだと頭ではわかっているけど、コモリにつまらない理由で殺された「彼」を思うと…同情とかそういう単純なことだけではなく「道」のようにいろいろな気持ちが交差する。 「私」とレンはその後再会することはあるんだろうか。道が交差して分岐し続けるなら、そういう未来もあるのかもしれない。 二つの話に共通する「その世界のルール」がしっかりしていて面白かった。文体も好みだったので引き続きこの作者さんの話を読んでみたい。

Posted byブクログ

2024/06/02

何年かに一度突然猛烈に読みたくなる本。雰囲気も文章も物語の内容も全部好き。装丁も含めて印象的な一冊。表題作は人ならざるものたちの夜市の雰囲気がとても暗く美しくて引き込まれてていくのに、途中からは風景よりも物語がどう展開していくのかが気になって一気に読んでしまう。荒俣宏先生が『絵が...

何年かに一度突然猛烈に読みたくなる本。雰囲気も文章も物語の内容も全部好き。装丁も含めて印象的な一冊。表題作は人ならざるものたちの夜市の雰囲気がとても暗く美しくて引き込まれてていくのに、途中からは風景よりも物語がどう展開していくのかが気になって一気に読んでしまう。荒俣宏先生が『絵が浮かんでくる』と言われてたとおり、二作ともあり得ない景色なのになぜか森や道路が頭にふっと浮かんでしまう。

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2024/01/15

読みやすいホラー小説。 不気味がじわじわ侵食してくるような感じ。 不思議な世界観は読んでて面白かった。

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2023/11/26
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「若さ」や「自由」を買える夜市の設定が面白かったです。 幼い頃、弟を差し出しても欲しかった「野球の才能」は結局はちっぽけなもので、弟を犠牲にしてずっと後悔している姿に儚さを感じました。

Posted byブクログ

2023/11/16

すごく幻想的な世界観で、没入感がすごかった。 個人的には夜市と一緒に掲載されてる風の古道がとても好きでした。

Posted byブクログ

2023/10/03

図書館。 ホラーというよりファンタジー要素が強めで、でもあまりファンタジーを読まない私でも楽しめた。「夜市」「風の古道」どちらも風景が容易に思い浮かんで、私の中にある原風景のどれがそのイメージを見せているのかわからないのがまた、良い。

Posted byブクログ