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夜市 の商品レビュー

4.1

321件のお客様レビュー

  1. 5つ

    105

  2. 4つ

    132

  3. 3つ

    49

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    2

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2021/11/19

ホラー小説なのに、心にじわりと染みるような読後感。 表題作「夜市」は、不思議な物の怪たちの市場、夜市に行く話。収録の「風の古道」は、こちらも不思議な神々の道に迷い込む少年たちの話。 どちらも、日常のすぐ隣の非日常に、ずっと入り込んでしまう怖さがある。でもその非日常は、なんだか...

ホラー小説なのに、心にじわりと染みるような読後感。 表題作「夜市」は、不思議な物の怪たちの市場、夜市に行く話。収録の「風の古道」は、こちらも不思議な神々の道に迷い込む少年たちの話。 どちらも、日常のすぐ隣の非日常に、ずっと入り込んでしまう怖さがある。でもその非日常は、なんだか人間臭くて懐かしいような世界で、居心地は悪くない気がする。 「夜市」の後半のながれも驚き感動したが、「風の古道」の物哀しいけれども温かみのある雰囲気が好き。 感動するポイントがあるわけではないけれど、読んだ後、なぜか泣きそうになった。

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2021/09/26

選考委員激賞の、第12回日本ホラー小説大賞受賞作 何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。野球部のエースとして成長した祐司だったが、常に罪悪感にさいなまれていた——。(アマゾン紹介文) あまり読まないタ...

選考委員激賞の、第12回日本ホラー小説大賞受賞作 何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。野球部のエースとして成長した祐司だったが、常に罪悪感にさいなまれていた——。(アマゾン紹介文) あまり読まないタイプのホラーで面食らったけれど、世界観のつくり方が素晴らしく、収められている二編のどちらも大変面白かった。 ただ、表題作はネタの仕込みがもうちょい合っても良いのではと思ったり、二編目は淡々としているなぁと感じたり。 それにつけても紹介文の残念さよ。

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2021/09/05

夜一→人間でない者達が不可思議な物をたくさん売る夜一にて小さい頃に売ってしまった弟を探しにいく話 古道→周りの景色は見えるが特定の出入り口でないとそこからでることができない古道で生まれた男と迷い込んだ子供の話 どちらも独特な不思議な雰囲気。ちょっとグロい千と千尋的な。 かつど...

夜一→人間でない者達が不可思議な物をたくさん売る夜一にて小さい頃に売ってしまった弟を探しにいく話 古道→周りの景色は見えるが特定の出入り口でないとそこからでることができない古道で生まれた男と迷い込んだ子供の話 どちらも独特な不思議な雰囲気。ちょっとグロい千と千尋的な。 かつどちらもいい感じの伏線回収あって面白い。

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2021/09/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どこか別の世界と交わる”道”にまつわる中編2話。 ・よかった編 どっちもよかったけど、あえていうなら表題作「夜市」。「何かを買わねば帰れない」設定のうまさと、前半の不気味さと追い詰められ感から一転、弟側の苦労と頑張りと決断とがすごく良く、ラストそうなるかぁ、兄ちゃんの贖罪はそういう形でいいのかなあ、と切ない終わり方。 ・気になる点 先に「竜が最後に帰る場所」を読んでからだったので、「夜行の冬」とか一緒だなあ~と思う。おそらく「どこかで交わるどこでもなくてどこか違う場所」が作者の書きたいことの根っこなんだろうけど、村上春樹みたいに毎度そればっか出てくると「またかい」となりそうなのだけ気になる。いや他作読んでないので分かんないですけど。たまにだったら全然いいんですけど。 総評 ホラー小説大賞とあったので、夜寝れなくなる系の呪とか怨とか嫌だなあと思っていたんだけど、そういうじくじくした感じじゃなくてよかった。っていうかもっと早く読めばよかった。 ホラーというより、一度手にしたはずの何かがすり抜けてしまった後の余韻と寂しさがきれいで読みやすかった。レビュー参考にさせてもらいましたありがとう!

Posted byブクログ

2021/08/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

覚悟を決めて、生き延びたいと思った弟が強く生き延びられて、生を諦めた兄が消滅するという、人間讃歌に満ちた話しだった。人間讃歌は勇気の讃歌。「覚悟」とは、暗闇の荒野に、進むべき道を切り開く事だ、というジョジョの台詞を思い出した。

Posted byブクログ

2021/06/15

『こちらの世界とあちらの世界の狭間で起きた事』 田舎の神社のお祭りの出店を幻想的にした雰囲気の『夜市』 田舎の神社でかくれんぼをしていて、気付いたら一人ぼっちになっていた気分になる『風の古道』 どちらも、どことなく懐かしく、夢見心地で読み進められる、とても素敵な作品でした。

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2021/05/30

初・恒川光太郎さん作品。ホラーと書いてあったのでビクビクしながら読み始めましたが、怖い感じはあまり無かったです。とにかく面白かった。 描写がとてもわかり易く読みながらも頭の中で映像が流れている感じ。その映像がとても綺麗、美しい。ファンタジーの世界なのに何故か懐かしく思える不思議な...

初・恒川光太郎さん作品。ホラーと書いてあったのでビクビクしながら読み始めましたが、怖い感じはあまり無かったです。とにかく面白かった。 描写がとてもわかり易く読みながらも頭の中で映像が流れている感じ。その映像がとても綺麗、美しい。ファンタジーの世界なのに何故か懐かしく思える不思議な感覚でした。ホラーが苦手だと言う方にも、読んで欲しいお話です。 もっと早くに出会っていたかったと思う反面、これからまだまだ恒川さん作品と出会えるかと思うと楽しみで仕方がないです。

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2022/03/01

よく話題に上り何かと目に触れる機会が多く、美しい装丁が相伴い常に気になっていた作品ではあったが、如何せんホラーとの事で...なかなか踏み切れずにいた。 と、言うことで「角川ホラー文庫」の黒い書物と文字だけで何故か身体が拒絶してしまうので単行本を手に取ることに。ごめんなさい嘘です...

よく話題に上り何かと目に触れる機会が多く、美しい装丁が相伴い常に気になっていた作品ではあったが、如何せんホラーとの事で...なかなか踏み切れずにいた。 と、言うことで「角川ホラー文庫」の黒い書物と文字だけで何故か身体が拒絶してしまうので単行本を手に取ることに。ごめんなさい嘘です偶然です。 ページを開けば途端に世界観に惹き込まれ、まるで自分の年齢が登場人物の年齢まで下がりこの不思議な現象を追体験しているかの様だった。 読了後は、この「和」テイストのホラーに心が温まる。なんとも不思議な物語だ。 ーーー道は交差し、分岐し続ける。 1つを選べば他の風景を見ることは叶わない。 私は永遠の迷子のごとく独り歩いている。 私だけではない。誰もが際限のない迷路のただなかにいるのだ。ーーー アスファルトで固められた私たち人間が「道」と判断する無機質な底。そして彼等が踏み入れ歩み進んだ美しく恐ろしい風の古道。 あちら側から見えるこちら側は一体どう写っているのか... 私は暗闇の中を彷徨う事となった彼の友人の姿ですら、心の底から妬ましい。 風の古道...仮に私が足を踏み入れる事が出来るなら、どんな景色を見せてくれるのだろう。 古道の所有物、これはもしかしたら我等人間界にも当て嵌るのかもしれない。 「この世界とは」永遠のテーマだなぁ。 残酷で美しい、俗悪を感じない優美なホラーに心を掴まれました。 夜市 風の古道

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2021/04/21

この作品で恒川さんを知りました。 ホラー要素は少なめに感じました。 どちらかというとジブリの千と千尋の神隠しのような世界観に近いと感じました。 読みやすく面白かったです。

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2021/04/03

夜市  ホラーというよりは、ファンタジーというか、不思議なお話だった。 夜市という舞台は実際にありそうでワクワクする話。 風の通り道 こちらもホラーよりも、不思議さがある話。 選ばなかった方の道は見ることはできない、という締めかたは良かった。

Posted byブクログ