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ヨーロッパ退屈日記 の商品レビュー

3.6

111件のお客様レビュー

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    23

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2010/07/19

パリは美しい。それに比べ日本は、東京は、どうしてこんなに醜くなってしまったのか。 P159「人々は、グレイや黒やいろんな茶色の革なんか着て歩いているねえ。あれは、街にあわせてるんだ。連中は、街を上等の外套みたいに着こんでいるんだ。」 に、納得。 P271「バッハやモーツァルトを...

パリは美しい。それに比べ日本は、東京は、どうしてこんなに醜くなってしまったのか。 P159「人々は、グレイや黒やいろんな茶色の革なんか着て歩いているねえ。あれは、街にあわせてるんだ。連中は、街を上等の外套みたいに着こんでいるんだ。」 に、納得。 P271「バッハやモーツァルトを、イカス、とかイカサナイ、とかいう安っぽい言葉で一気に否定するということが一体できるとでも――なぞと力むことはないね。なあに、一気に否定されたのは彼女の脳味噌であった。 つまり、こういう人物は、生理でもって脳味噌の代用にしているわけだ。人生において、優れたものに対する『怖れ』を持たない人、こういう人は何をやらせても駄目なのだ、とわたくしは思う。得意だとかいうチャーハンだって、まずいにきまっているのだ。」 うーん、何という切れ味の鋭さ。最後の皮肉な一文が効いてる! P283「ヴァイオリンというのは不愉快な楽器である」ってのもわかる。面白い。

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2010/06/26

伊丹十三の偏見と独断がぎっしりのとっても面白い本です。 ヨーロッパでの経験談から料理、お酒の作りかたや心持ちなど、洋服について、車について、外国語について。生活のすべてのことをかれの独断で言い切っているところがおもしろい。 伊丹十三が描く女性像がとっても好きで、とっても理想的なん...

伊丹十三の偏見と独断がぎっしりのとっても面白い本です。 ヨーロッパでの経験談から料理、お酒の作りかたや心持ちなど、洋服について、車について、外国語について。生活のすべてのことをかれの独断で言い切っているところがおもしろい。 伊丹十三が描く女性像がとっても好きで、とっても理想的なんです。

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2010/05/25

おもしろいっす。 伊丹十三だから映画論とか役者論とかはもちろんなんだけど、 いちばんおもしろいのはやっぱり食べ物のこと。 食べ物とお酒の記述がおもしろくないエッセイ(に限らず)なんて、 読む価値ない。

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2013/03/03

「退屈日記」というタイトルと、表紙に書かれていたコピー「この本を読んでニヤッと笑ったら、あなたは本格派で、しかもちょっと変な人です」に惹かれて読んでみました。 あと、著者は映画監督もやっていて、弟が最近彼の映画にはまっているという話を聞いていたので。 著者が映画俳優として撮...

「退屈日記」というタイトルと、表紙に書かれていたコピー「この本を読んでニヤッと笑ったら、あなたは本格派で、しかもちょっと変な人です」に惹かれて読んでみました。 あと、著者は映画監督もやっていて、弟が最近彼の映画にはまっているという話を聞いていたので。 著者が映画俳優として撮影のためにヨーロッパに滞在していた時期を中心として、主にヨーロッパのことや、ヨーロッパに対する日本、というテーマのエッセイ集です。 ユーモアというか皮肉が非常に利いていて、僕はかなり気に入りました。 様々なものに斜に構えているようでいて、物事の本質を見極め、それを「退屈日記」なる語り口で語っていく。 いやー、ホントにこれがソフィストケイトされた本格派というものか、という感じ。 自分が外国に行くときにはこういう感想を言える大人になりたいものです。 ただ、読みながら気になっていたのは「退屈」というのが何を指すか、ということ。 皮肉はよく利いてるけど、それは決してヨーロッパに対する批判ではないというか、むしろとても愛着を感じるのです。 最後にあとがきまで読んで納得。 タイトルは著者と関わり深く、そしてこの本の出版も直接関わった山口瞳さんという編集者のつけたものであるらしいです。表紙に書かれたコピーも。 そして「退屈」の意味は、「文章がなんともいえず倦怠している、実に退屈そうだ」ということであるらしいです。 いや、全く納得です。確かに倦怠感漂ってる。 そんなところがなんとも言えず良いですよ。 そして、裏表紙の紹介文によりますと、この本が「戦後初めて登場した本格的な『エッセイ』だった」ということです。 そうだったのか。いやいやこれは良い本を見つけてしまいました。

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2009/10/14

伊丹十三のエッセイ集でいろいろなことを知ったし、今の自分のマナーの線引きはかなり伊丹十三に影響されていると思う。ダンディと独特のユーモアのスタイルを貫いた人なんだなあ。今読み返すと、当時よりもっと軽い視点で可笑しがってさらっと読めるのもいい。

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2009/10/19

【ブックテルメニュー】プランターズ・パンチ p90 カクテルというものは、本当は愉しいものなのにねえ。第一、カクテルがないとしたら、晩餐前、夜の早い時間に何が飲めるだろう。ブランディは食後の飲み物だから先ず除外しよう。ビールはおなかが一杯になってしまう。じゃあ、日本酒でも飲む...

【ブックテルメニュー】プランターズ・パンチ p90 カクテルというものは、本当は愉しいものなのにねえ。第一、カクテルがないとしたら、晩餐前、夜の早い時間に何が飲めるだろう。ブランディは食後の飲み物だから先ず除外しよう。ビールはおなかが一杯になってしまう。じゃあ、日本酒でも飲むかね。これからステーキでも食べようという時にも日本酒でいってみますか。すると残りはウィスキーとでもいうことになるのだろうが、ご婦人と一緒の場合だってあるんだぜ。君はウィスキーでいいだろうが彼女には何を飲ますかね。  わたくしは、彼女の、その日の気分や、好み、アルコール許容度、そして服装の色などをおもんぱかって、これ以外なし、というカクテルをピタリと注文する悦びは、男の愉しみとしてかなりのものと考えるのだが、いかがなものであろうか。 伊丹十三が残した男のダンディズムの教科書決定版。このあと本文はマルティニー、ギムレット、ジン・バックと進むけれど、最後に記されたプランターズ・パンチがご婦人の笑顔を引き出すには最適かと。にぎやかに飾られたオレンジ、レモン、パイナップル、サクランボ。彼女の笑顔が堪能できるなら、コストパフォーマンスはこの際度外視。 知識

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2009/10/04

伊丹十三のイギリスの香り高い趣味の小箱とも言える一冊です。 ちょっと気取っているように見えますが、それが彼なりの美学だとすれば それはそれで憧れます。 表紙と本文のすてきな挿絵は全部ご本人が描かれたそうです。 絵も達者だったとは知りませなんだ。

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2009/10/04

伊丹十三、映画監督のみならずその多才な才能を存分に発揮された文章と言い回しとこだわりに脱帽。読みにくさは否めませんがこれが天才ゆえ仕方なし。ヨーロッパ所感日記といった感じ。

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2009/10/04

自らの目で見定めた上で、男のお洒落は「本筋、でなくてはならぬ。スタンダードでなくてはならぬ。場違いであってはならぬ、のです」と日本中のナイーブ男子に教え諭し、社会の掟に進んで身を任せることを説いた人類学的エッセイ。

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2009/10/07

「この本を読んでニヤっと笑ったら、 あなたは本格派で、しかもちょっと変なヒトです」 と表紙に書かれた一言。 ニヤっとはしましたが、 それは変なヒトなだけであって、本格派には程遠いと思いました。 趣味を極めている人間とはこういうヒトなんだと。 かっこいいなあ。

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