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神様のボート の商品レビュー

3.8

107件のお客様レビュー

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神様のボートにのってしまったから

ひたひたと静かな狂気に満ちた本。骨ごと溶けるような恋に囚われてしまった母親・葉子。母を愛しながらも、自分たちの歪みを冷静に笑う娘・草子。切なくも美しい空気に包まれた、シシリアンキスの味がする恋愛小説。

yama

2024/07/25

やっぱり江國香織ワールドは 特別だ。 ひとつの情景や心象が 洒脱なものになる。 今の私は も少し無骨なくらいの 地に足がついてるどころじゃなくて、 食い込むくらいの 現実味が 欲しい。

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2023/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後がすごく好きな終わり方だった。 きれいな言葉で描かれる、いわゆる一般の正しさからは外れてるけど楽しげで美しい暮らし。 こういう生き方もいいなあと思って読んでいると、途中で現実に引き戻されて、心がぎゅっとしながら諦めの気持ちで読んでいたところへの最後のページにぞくぞくした。 「言葉は危険なのだ」「言葉で心に触られたと感じたら、心の、それまで誰にも触られたことのない場所に触られたと感じてしまったら、それはもう『アウト』なのだ」って文がすごく好きだったんだけど、でも、江國さんの本自体、心の無防備なところになんの抵抗もなくすっと言葉が入ってくる感じがするなあ。 心へ直結して人生をも変えてしまう「言葉」の強さを感じた話だった。

Posted byブクログ

2020/06/24

とっても読みやすかった。 究極の恋をしたんだろなぁ。 最後は人によって捉え方が違うかもしれない。 私は、その人にとっては最高に幸せだけど、他の人にとっては最高に不幸な終わり方をしたような気がした。 きっと、また自分が母になって読んだら違う見方が出来るんだろうな。

Posted byブクログ

2018/08/01

主人公は奔放で行動派で真逆なんだけど、 奥手な私自身も、現れることを信じている夢子なので、 主役の女性の恋愛観には、一種同族感を覚えていた。 だけど、静かに進んでいく世界は、他の人たちと次元が違ってくるのでしょうか。 正しい生き方が分からなくなります。 せめて、 そうじゃないと思...

主人公は奔放で行動派で真逆なんだけど、 奥手な私自身も、現れることを信じている夢子なので、 主役の女性の恋愛観には、一種同族感を覚えていた。 だけど、静かに進んでいく世界は、他の人たちと次元が違ってくるのでしょうか。 正しい生き方が分からなくなります。 せめて、 そうじゃないと思うことで、私の心を救いたい。 もちろん、 幸せな小説と捉える方もいるでしょうね。

Posted byブクログ

2018/05/22

前に何度か読んだことがあったけれど、こどもが誕生日に買ってくれたので(中古で)もう一度じっくり読み直した。 中盤から後半にかけて子どもが成長するにつれておもしろくなった。 ラストシーンは忘れていたので、とてもどきどきした。 江國さんの中でも好きな本。

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2016/08/28

図書館で借りた。確か高校生のころ一回読んだけど、今読むと、葉子の愛に狂った姿が怖くも美しいなと思う。ラストは現実?それとも妄想??

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2017/02/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久々に止まらず一気読みしてしまった本。 動機は某テレビ番組の中でヒロインの女性が薦めていた、から(笑) 葉子が何故同じ土地に長期間住み、 馴染んではいけないと思ったのかがわからない。 現実的に考えて、 いくら相手がどこにいても見つけ出すって言ったって、 あんなに転々としたら探せないだろうと思う。 そういう精神的な結びつきを信じていたからこそ出来た、 彼女の奇行なのだろうけれど。 ところでラスト2ページ、 あれは文章通りに受け取って良いものなのだろうか。 それでまでの葉子の精神状態の描写を読んでいて、 あれが現実のものであったのか不安に感じた。

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2015/12/29

再読。学生時代大好きだった江國香織さん。久しぶりに読んだけど、文章がとても綺麗。光を浴びながらさらさら流れる水みたい。

Posted byブクログ

2015/06/27

別れた彼氏に見つけてもらうために あちこち居場所を変えるという 普通に考えるとかなり病んでいる 母、葉子。 その母に振り回されるように 住処を転々と否応なくされる 聡明な娘、草子。 こんな設定で、しかも母娘ものなんて どうしてもドロドロネチネチしてしまう と思うのだが、なんて読...

別れた彼氏に見つけてもらうために あちこち居場所を変えるという 普通に考えるとかなり病んでいる 母、葉子。 その母に振り回されるように 住処を転々と否応なくされる 聡明な娘、草子。 こんな設定で、しかも母娘ものなんて どうしてもドロドロネチネチしてしまう と思うのだが、なんて読後感の爽やかな 素敵な物語になってしまうのだろう 江國さんの筆致の素晴らしさがよく分かる お勧めの一冊。

Posted byブクログ