百年の孤独 の商品レビュー
見果てぬ南米大陸の、超自然的世界観。7世代にもわたる、この物語。「超」長編とも言えるこの小説を最後まで読み切ることができたのは、有無を言わせぬそのガルシア・マルケスの驚嘆すべき筆致にのめりこまされ、その幻想的世界を僕自身も旅することが出来たからだ。僕自身のこんなエピソードがある。...
見果てぬ南米大陸の、超自然的世界観。7世代にもわたる、この物語。「超」長編とも言えるこの小説を最後まで読み切ることができたのは、有無を言わせぬそのガルシア・マルケスの驚嘆すべき筆致にのめりこまされ、その幻想的世界を僕自身も旅することが出来たからだ。僕自身のこんなエピソードがある。僕は横になりながら『百年の孤独』を読んでいて、ふっとまどろみに落ちてしまった。僕はその夢の中で、コマンドにいたような、なにか幻想的な不思議な感覚に襲われた(と、目覚めたときに感じた)。起きた瞬間、ここがどこなのか、わからなかったのである。あたかも日常に当然存在するかのように書きあげる、そのフェーリック(妖精的)な世界。僕の現実世界もそんな超自然的世界に、接続されたかのような感覚を覚えた。 「ストーリーの時間を線的につながない構造」「日常の具象的な側面のように語られる超自然性」に、ハマる人はハマるであろう。
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濃度が異常な小説。見た目の厚さの十倍はあるんじゃないかと思える長大な物語。 それと圧倒的なラスト。ラストが素晴らしすぎる。 ラストのために物語は、マコンドは、ブエンディーア家の歴史は、あったように思える。 今まで読んできた本のなかで最も凄いラストシーンだった。
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もしかしたら、この小説のタイトルの訳語は「孤独の百年」の方が合っているのかもしれません。 『百年の孤独』は、南米某国のマコンドという開拓地に暮らすブエンディア一族の栄枯盛衰を描いた小説です。ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラを第一世代(開拓者)として、何代にも渡ってマコ...
もしかしたら、この小説のタイトルの訳語は「孤独の百年」の方が合っているのかもしれません。 『百年の孤独』は、南米某国のマコンドという開拓地に暮らすブエンディア一族の栄枯盛衰を描いた小説です。ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラを第一世代(開拓者)として、何代にも渡ってマコンドにおける一族の様々なエピソードが書かれています。 単なる歴代誌を飛び越えて、一見して統一感の無いように見えるそれぞれのエピソードに、ブエンディア一族の重層的な歴史が現れています。この歴史を要約することは非常に困難な作業です。延々と続く一つのセンテンス、バラバラな時系列、そして不可思議な現象の数々、こういった要素が読み始めに読者を苦しめますが、読み進めていくにつれてブエンディア一族の歩みと幻想的なマコンドの姿がありありとわかるようになってきます。 先に述べたように要約は難しい小説ですが、「孤独の対義語としての愛」が透徹したテーマとして描写されていきます。またマコンドという地に凝縮されたラテンアメリカの風土記として読むのも面白いかと思います。
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学生の時に授業のために購入。大学生の私にとっては、かなりきつい値段と内容だったけど、とても満足した本。 衝動の結果をリアルの世界で目の当たりにするのは、嫌なんですが、読書傾向としては、そういうのを求めがち。
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一族の百年にわたる歴史。ノーベル文学賞をとるだけあって、最高にいい本だった。なんて言うかい。我々日本人にとっては非常に読みにくい本ではある。というのも、まったく馴染みの無い人名。これに尽きる。そしてその人名が何回も子孫に名付けられる。アウレリャノってのが二十人近くいたり、レメデ...
一族の百年にわたる歴史。ノーベル文学賞をとるだけあって、最高にいい本だった。なんて言うかい。我々日本人にとっては非常に読みにくい本ではある。というのも、まったく馴染みの無い人名。これに尽きる。そしてその人名が何回も子孫に名付けられる。アウレリャノってのが二十人近くいたり、レメディアスって女の子が三人くらいいたり、だから読み進めながらこのアウレリャノはどのアウレリャノだっけ?とか一秒程固まる事もしばしば。 そんなのを差し引いて、物語としては読みやすい部類に入る。それぞれの登場人物にサイドストーリーがあり、面白い。ただ、一気読みしないと苦しいかも。
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あの有名なお酒のネーミングの元となった小説。 内容は多岐にわたって、大変深い。訳者が解説に書いている通り、「要約などは徒労としか思えない無数の挿話」から物語が構成されており、全ての挿話が複雑に絡み合って全体の雰囲気を構成している。資本主義と神秘主義の対立、そして蜃気楼の街マコ...
あの有名なお酒のネーミングの元となった小説。 内容は多岐にわたって、大変深い。訳者が解説に書いている通り、「要約などは徒労としか思えない無数の挿話」から物語が構成されており、全ての挿話が複雑に絡み合って全体の雰囲気を構成している。資本主義と神秘主義の対立、そして蜃気楼の街マコンド自体の振り払いがたい荒廃、そこに生きる一族のそれぞれの孤独。 …と、まとめ的なものを書いてみるものの、はっきり言って一回読んで理解できるレベルを超えているので、もう一度読んでみたい一冊です。 Contents are constructed from a lot of story and each one is very depthful. (The translator said "it makes no sense to summarize because too many episodes in it.") Stories have complicatedly influenced each other and it makes the atmosphere. conflicting capitalism and mysticism, Macond, the city of mirage, is stuck with devastation, solitude of each member of family... But I could not understand this complicated story at once, so I want to read once more.
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<ブエンディア家を中心に拓かれた町マコンド。その一族の数奇なクロニクル> ラテンアメリカ文学の旗手ガルシア・マルケス。彼がノーベル賞を受賞したのがこの作品です。 読んで最初に感じたのは違和感。 最初ははっきりしなかったそれが形になり始めたのは50ページぐらい読んでか...
<ブエンディア家を中心に拓かれた町マコンド。その一族の数奇なクロニクル> ラテンアメリカ文学の旗手ガルシア・マルケス。彼がノーベル賞を受賞したのがこの作品です。 読んで最初に感じたのは違和感。 最初ははっきりしなかったそれが形になり始めたのは50ページぐらい読んでから。 その正体は心理描写がほとんどなく、徹底したエピソードや寓話の積み重ねで成り立っているというものでした。 しかし読み進めていくうち、その違和感が不思議と心地よいものに変わっていく。 それは次第に物語の奔流の中に飲み込まれているということ。 奇妙な人生を送るブエンディア一族の愛の不在と孤独は、とても哀しいのにも関わらず、 その物語の世界からなかなか抜け出せない。 気づけば読み手はいつの間にか、マコンドという架空の町の歴史を「体感」していることでしょう。 読み終えた後も文章世界から読み手を離さず、しばしマコンドの町に繋ぎ止める圧倒的な読書体験。 読み終えてすぐ、一頁目から再読したい気持ちにさせられるという感覚を抱いた初めての本となりました。
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ブエンディア家を中心に築かれた町、マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでの百年とは……。 その物語はまさに魔術的で、要約不可能。日常と非日常が当たり前のように共存する膨大な量のエピソードが怒涛のように繰り出される濃密な100年間にただただ圧倒される。全てが収束して...
ブエンディア家を中心に築かれた町、マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでの百年とは……。 その物語はまさに魔術的で、要約不可能。日常と非日常が当たり前のように共存する膨大な量のエピソードが怒涛のように繰り出される濃密な100年間にただただ圧倒される。全てが収束してゆくラストも素晴らしい。
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小さな時間の流れを調整しエピソードの区切りを優先させながら大きな時間の流れを創っている。・・・自分の言ってることがわからない。
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「すごい体験をしてしまった!!」とぶるぶる震えてしまうようなすごい本。 初めての南米文学として読んだのがこの本で、これまで読んだことの無い時間感覚や夢と現の平衡感覚にガツンとやられました。誰かが「南米の所謂マジックリアリズムは、実は結構そのまま南米の現実なんじゃないか」というよ...
「すごい体験をしてしまった!!」とぶるぶる震えてしまうようなすごい本。 初めての南米文学として読んだのがこの本で、これまで読んだことの無い時間感覚や夢と現の平衡感覚にガツンとやられました。誰かが「南米の所謂マジックリアリズムは、実は結構そのまま南米の現実なんじゃないか」というようなことを言っていて、個人的には何だかすごく「ああそうなのかも」って納得した。多感なときに読んでしまうと、人生が変わるほどの衝撃を受けてしまいそうなので、取り扱い注意ですー。
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