詩的私的ジャック の商品レビュー

森博嗣(著者)

2017/03/27

二人の関係にようやく進展が。
そこは良かったけど、
今作は全体的にしっくり来なかった。

犀川と萌絵が挑むのはまたも密室。
特に1番目、2番目の密室は
面白みがなかった。
まぁそんな中でも馴染んできた
登場人物達のキャラや、
スッキリする伏線回収では今回も
楽しませてもらうことができたが。

ただ、前作同様、
犯人の動機はどうしても
納得できなかった。
次作に期待。

2010/09/07

S＆Mシリーズ4作目。

犀川と萌絵の関係が1作ごとに微妙に詰まっているのが良い。

ずば抜けた頭脳を持つ犀川と世間知らずのお嬢様の萌絵との
恋愛模様は自分的には異次元の話なので何気に面白い。

ミステリ部分よりこの人の作品はこの辺の描写の方が好き。
今回は特にミステリ部分がしっくり来なかっただけに。

別々の大学構内で見つかった2人の女性の死体。
一見必要のない密室と女性の身体に残されたナイフの傷。
猟奇的ながら冷静に殺人を重ねる犯人の意図は…。

2012/02/27

ゲストキャラクタが興味深い。殺人動機と計画意図に関しては理解できなくもないけれど同意できない。どうしてこんなことになったのか。

犀川先生がとてもクールです。かっこいい。
犀川先生不在時の寂しさが半端無かったのですが、戻ってきてからのスマートさも半端無くて。言葉の一つ一つがかっこいいなぁ。綺麗だなぁ。素敵だなぁ。と思って読んでいました。

「英語で言える？」の真意が解った時のスッキリ感といったら。

萌絵のちょっと幼かったり身勝手だったりするお嬢様気質な部分がちょっと改善されてとても可愛らしいと思いました。コミュニケーションをしようとするのは相手のことを知らないから&相手のことを知りたいと思うからだという、私の先生の言葉を思い出したりします。

2010/08/30

S&Mシリーズ第4弾。
途中犀川先生が上海に出張に行ってしまって
萌絵ちゃん同様寂しかったーーー！！笑
今回は、トリック的には微妙ですが
早めに犀川先生が、分かっちゃってたのが
無駄にかっこよかったです。

それにしても今回の萌絵ちゃんと犀川先生の
告白シーンとか、一生のお願いシーンが物凄く
私的に大好きです。
はっきり答え言わない犀川先生も好き。

トリックが微妙であっても、シリーズものってところで
この主な二人のやり取りとか、関係が繋がってるから
全然駄目！！なんて事にはならないし。

では、以下核心部については非公開にて。

2010/08/29

シリーズ4作目。
萌絵が活躍。そして犀川にきちんと向き合い始めました。
萌絵成長の１冊。

「二人の距離は、数字の11より接近した」
　→まさに詩的な表現。どうしたらこんなに素敵な表現ができるのか。

「気持ちなんて伝わらない。伝えたいものは、言葉で言いなさい。」
　→私も常々思ってます。結局他人の考えてる事なんて分からない。分かってると思っているのは、単に自分の中でのみ導き出された解であって、自分の想像の域を出ない。
でも、自分の気持ちを言葉で言うのは難しいです。

「英語で言える？」
　→ふあぁ！そっかっ！あの人かっ！ってなりました。作中でも、「質問者側のレベルが問われる～」ってありましたが、まさに真理を突く高レベルの質問。流石犀川さん。

作品の内容もさることながら、4冊読んだ中で一番末尾の解説が好きです。
「正義の名の下に自らの＜好奇心＞を正当化する素人探偵の傲慢さほど不快なものはない。」
って・・・ズバッと言ってくれたぜ（笑）
他の文章もすとんと自分に落ちてきて好感がもてたのは私が「文系」だからでしょうか？

さて、次は5冊目。
犀川＆萌絵の今後の展開も気になるし、心優しき不良金子くんの動向も楽しみです。

2010/08/22

　登場人物の魅力でこういうミステリを読まされるのは悔しい気がする。時間的には、前に読んだ「笑わない数学者」の次にあたる作品。ミステリとしてはともかく、登場人物としてはきちんと時間的に動いているから、このシリーズ１０作は順番に読んだ方が良さそうだ。
　最初と二番目に提示される密室のトリックが、わりあいとあっさり解明されてしまうのが、この連続殺人事件のポイントである（と書いてネタばれにならないといいんだけど）。そのポイントをちゃんと押さえると、うまいなあって感じられた。そうでないと、ちょっと苦しいかな。この作者が「理系」っていわれるのもちょっとだけ納得。それがどこかっていわれると確かに漠然としているんだけど。
　例によって自分の中でのツボは、主人公の探偵コンビ。どうも、自分ではあんまり意識していない密かな願望を込めて、そのシリーズを読んでいるような気がして、自分で恥ずかしい。いかんなあ、と思う。

2010/07/24

「相手の感情を楽観的に期待している状況……、これを、甘えている、と言うんだ」

2010/06/05

今作はそのトリックを頭の中で順序立てて理解することが困難でした。想像しがたいというかなんというか‥。
登場人物のキャラクタに肉付けに比重が置かれているように思いました。

2010/05/21

S&Mシリーズ第四弾。

今回は、犀川先生が出張で、
萌絵ちゃんが活躍するお話（^ ^
お嬢様の冒険にハラハラドキドキ（^ ^;
...いろんな意味で

でも、やっぱり要所要所は犀川先生が
「締めて」くれる感じ。
萌絵ちゃんはどうしてもかなわない。
でも、その「かなわなさ」を
萌絵ちゃん自身が好意的に
受け止めているようなきらいも（^ ^

シリーズを通して言えることだが、
「読み手側」にもある程度の
「頭の良さ」が求められる作品（^ ^;

犀川先生と篠崎君の、静かでありながら
「丁々発止のやり取り」は、白眉。

篠「愛しているんだ」
犀「英語で言える？」

これだけで「あ、そういうことか！」と
気付かせる筆者の筆力はただ者ではない。

またミスリードが巧みなので、
まさかと思わせて、やはりそうかと思わせ、
いやでもしかし、あれもしややっぱり...
と、翻弄されることを楽しめる。

2010/05/20

S＆Mシリーズ第4作目。タイトルが良いです。「詩的私的ジャック」響きが素敵すぎる。
人には「こうあるべきだ」という確たる意志が誰にでもある。そしてそれが損なわれたとき人はそれを修復するために行動に移る。しかしそれは他の人から見たら全く動機がわからない理解不能な行動に見えるときがある。
今回の事件では誰も理解できない動機によって殺人事件が起きる、事件は解決するものの動機については事件後まで不明で説明されてもこんなことで殺人をするのかと疑問に思ってしまった。
犀川が萌絵の影響を受け始めてるのを微笑ましくて良かった。