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詩的私的ジャック の商品レビュー

3.6

415件のお客様レビュー

  1. 5つ

    48

  2. 4つ

    157

  3. 3つ

    145

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2009/10/04

すげー面白かった。相変わらずトリックはよくわかりませんでしたが。言葉の使い回しがすごい好きな本です。

Posted byブクログ

2009/10/04

この作品をきっかけに、私はどっぷりと森作品にはまりました。 この作品のミステリとしての出来は、よくわかりません。犯人も、トリックも、もはやどうでもいい。 犯人の動機が問題なんです。 「すべて、素敵なイーコールのために・・・・」 この当時、私はすごく、ある事で悩みを抱...

この作品をきっかけに、私はどっぷりと森作品にはまりました。 この作品のミステリとしての出来は、よくわかりません。犯人も、トリックも、もはやどうでもいい。 犯人の動機が問題なんです。 「すべて、素敵なイーコールのために・・・・」 この当時、私はすごく、ある事で悩みを抱えていました。 来る日も来る日も、それ以外のことが考えられなくて、毎日泣いてばかりいて・・・ そんなときにこの作品を読んで、 「相手の思考を楽観的に期待している状況・・・、これを、甘えている、というんだ。 いいかい、気持ちなんて伝わらない。伝えたいものは、言葉で言いなさい。 それが、どんなに難しくても、それ以外に方法はない」 ・・・これは犀川先生の血も涙もない冷たいセリフです。 この淡々とした理系思考が、当時のわたしにはとても優しい言葉に思えたのです。 わかりやすい。答えがひとつしかない。 この世の出来事が全部数学の証明のように解けたらどんなに楽だろう。 犀川先生のように、すべてを公式と論理で断言していける人がそばにいたら、さぞかし安心するだろう。 実際、この話の犯人は「イコールのために」殺人を犯してしまうので悲しいのですが、 でも、私も「イコールを求める」ことをやめちゃいけないと思ったのです。 イコールを理想とか、夢と言い換えても良かったかもしれません。

Posted byブクログ

2009/10/04

文系の人間にはですね、コンクリートとかエポキシとか言われてもさっぱりでした。今回については密室のトリックはお手上げ。最初から「知るかー!」という感じで。まあ密室のトリックよりも誰が犯人か、ということについて驚きました。わたしにはその心理はなかなか理解できかねるところでしたが。わた...

文系の人間にはですね、コンクリートとかエポキシとか言われてもさっぱりでした。今回については密室のトリックはお手上げ。最初から「知るかー!」という感じで。まあ密室のトリックよりも誰が犯人か、ということについて驚きました。わたしにはその心理はなかなか理解できかねるところでしたが。わたしはどちらかというと間違えても汚くても次のページにそのまま書きなぐるタイプなのかもしれません。 それと萌絵が犀川先生にプロポーズするシーンがなかなかよかったです。犀川先生のせりふも。 森作品は「人間が描けているか否か」についてはちょっぴり分が悪いなあと思っていたのですが徐々に登場人物に命が吹き込まれていく感じがします。今回、特にそれを感じました。 エピローグでの、犀川の最後の呟きがわたしは好きだなあ。 (たった今、君が突然言い出した、押しつけがましいお願いが希望で……、 僕がそれを断った、言葉では説明できない曖昧な理由……、それが夢だ)

Posted byブクログ

2009/10/04

 バイトで本を読む機会に欠いていたので、かなり久しぶりの書評になる。夏期休業後半はいろいろ読めることを期待する。と言うか、バイトが終わって暇で暇で仕方がない。大学の友達は実家に帰って金沢に居ないし、一人で部屋に籠もって本を読んだり書いたり、電話したりするぐらいしか楽しみがないのは...

 バイトで本を読む機会に欠いていたので、かなり久しぶりの書評になる。夏期休業後半はいろいろ読めることを期待する。と言うか、バイトが終わって暇で暇で仕方がない。大学の友達は実家に帰って金沢に居ないし、一人で部屋に籠もって本を読んだり書いたり、電話したりするぐらいしか楽しみがないのはどうしたことか。  いつから主人公が入れ替わったのだろう。やる気のない天才探偵役の犀川センセが主人公だったはずなのに、その仕事は進行役の西之園萌絵に移ったのはどうも面白くない。いや、好奇心旺盛なお嬢様もいいが、そんなものより森博嗣の魅力は犀川の様な天才だと思うので、西之園萌絵が活躍するのは見てて面白くない。だが、犀川センセはお話を進行させないから仕方がないのか。  森博嗣のトリックは健在なのであるが、それについては触れるのが面倒なので止める。  それにしても、分母分子をスラッシュしていって、素敵なイーコールの式を組み立てたときの快感は忘れがたい。その辺の話が書いてあったのが理系として共感してしまう。計算とは、条件式で縛っていっていく行動だと思う。文系にはこの感覚は一生判りまい、理系だけが持つ独特な快感だ。その時理系は『解けた!』と叫ぶ。  そんな理系本能を呼び覚ましてくれるミステリー小説森博嗣。文系の皆さんが読んで面白いのかいつも疑問なのだが、その辺どうなんだろう?

Posted byブクログ

2020/07/15

花が枯れても、人は泣かない。花はまた咲くからか。いや、人間だってまた生まれる。 失われるのは、身体ではない。死んだ者の記憶だ。 だが、記憶でさえ電子的に保存することが出来る。再生できないのは、人間の思考だ。思考だけが、今の技術では再現できない。 けれど、思考が失われるということが...

花が枯れても、人は泣かない。花はまた咲くからか。いや、人間だってまた生まれる。 失われるのは、身体ではない。死んだ者の記憶だ。 だが、記憶でさえ電子的に保存することが出来る。再生できないのは、人間の思考だ。思考だけが、今の技術では再現できない。 けれど、思考が失われるということが、何故悲しいのだろう。(p.302) 言葉はね、言い方や、言い回しじゃない。内容はちゃんと伝えないとね。それが、言葉の役目だから。 底なし沼と普通の沼はどう違う?底がない沼なんてない。ようは、人間の幻想の有無なんだ。(p.307) 将来を決めてしまうなんて、恐ろしいじゃないか。台風の進路だって扇形に広がっているだろう?人間の進路はもっと広角だ。(p.460)

Posted byブクログ