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永遠の仔(下) の商品レビュー

4.3

114件のお客様レビュー

  1. 5つ

    46

  2. 4つ

    45

  3. 3つ

    11

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2012/02/14

上巻の熱を持ちつつ、下巻に入る。相当な量だが、さくさく読める。嵐の中、クスの幹で手を重ねた3人「ここに、いるよ」このシーンが儚く、強く印象に残る。この後、謎解きへと繋がり、丁寧な説明と共に誰も悪くないって事を考えさせられ、ちょうど熱も冷めた頃に物語も終わる。とても良かったんだが、...

上巻の熱を持ちつつ、下巻に入る。相当な量だが、さくさく読める。嵐の中、クスの幹で手を重ねた3人「ここに、いるよ」このシーンが儚く、強く印象に残る。この後、謎解きへと繋がり、丁寧な説明と共に誰も悪くないって事を考えさせられ、ちょうど熱も冷めた頃に物語も終わる。とても良かったんだが、胸の中のドロドロしたモノも宙に浮き、無くなってしまった。

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2012/01/13

随分長い本だった。 一種のミステリーであろう。最後に謎解きがある。 しかし、ミステリー以上に人生を考えさせられる本である。 主人公たちのような不幸な環境にいる人たちは稀であろうが、人は皆悩みを抱え、つらい現実と戦っている。 登場人物の何人かは、死を選ぶことになるが、逞しく生きてほ...

随分長い本だった。 一種のミステリーであろう。最後に謎解きがある。 しかし、ミステリー以上に人生を考えさせられる本である。 主人公たちのような不幸な環境にいる人たちは稀であろうが、人は皆悩みを抱え、つらい現実と戦っている。 登場人物の何人かは、死を選ぶことになるが、逞しく生きてほしかった。 したがって、生きること、生き抜いていくとはどういうことかを問いかける作品だ。

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2012/01/04

上下読みました。幼児虐待と介護の話が軸。自分も様々な人と関わりを持つようになって、人間が形成される過程で「育ってきた環境・関わってきた人」は重要な要素のひとつだと思うようになりました。でもそこでヒトは完成していません。また新たに飛び込む環境や新たな出逢いによって死ぬまで成長してい...

上下読みました。幼児虐待と介護の話が軸。自分も様々な人と関わりを持つようになって、人間が形成される過程で「育ってきた環境・関わってきた人」は重要な要素のひとつだと思うようになりました。でもそこでヒトは完成していません。また新たに飛び込む環境や新たな出逢いによって死ぬまで成長していくんだと思います。過去にとらわれることはヒトが記憶を持って生きていく上でいわば当たり前。抱えたものをどう人生に組み込んで力として得るかが大事だと思います。フィクションですが実際に傷を抱えながら生きている人がいること・社会の厳しさを学べる一冊です。

Posted byブクログ

2012/01/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人から借りて、あらすじを知らないまま読み始めたのですが、ディープです・・・。 あっという間に上下読んでしまいました。 本に出てくる登場人物全員辛すぎます。悲しすぎます。 とても心に重く圧し掛かり、考えさせられました。 最後は震え、そして涙があふれてきました。

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2011/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再会は地獄への扉だった。十七年前、霧の霊峰で少年たちが起こした聖なる事件が、今鮮やかに蘇る―。山本周五郎賞受賞作から三年余。沈黙を破って放つ最高傑作ミステリー。 アマゾンレビューを見ると絶賛の嵐。 なるほど文章は秀逸で、重くて暗いのに引き込まれて、1000ページ弱ある上下巻をあっという間に読み切ってしまった。 病院の設定はともかくとして現代社会の闇と、その子どもへの影響も妙にリアル。 ただ、「最後の二行に救いが」と書いてあるものが多かったけれど、私はそこに救いや希望が見出せなかった。 だってそれまでがあまりにも痛くて、哀しい。 重松清の『疾走』を読み終えた後の感じに似てるかもしれない。

Posted byブクログ

2011/11/15

心が揺さぶられた。 嗚咽しながらボロボロ泣きました。 フィクションだと分かっていても、読了後は静かに目を閉じるしかなかった。 それぐらい衝動的で悲しい真実に彩られた心理物語。 物語の構成と伏線の伏線も見事で騙されました。 そして最後の伏線も悲しい真実があった。 でも悲しいだけで...

心が揺さぶられた。 嗚咽しながらボロボロ泣きました。 フィクションだと分かっていても、読了後は静かに目を閉じるしかなかった。 それぐらい衝動的で悲しい真実に彩られた心理物語。 物語の構成と伏線の伏線も見事で騙されました。 そして最後の伏線も悲しい真実があった。 でも悲しいだけで終わらせない、子に対する母親の愛情が見えた伏線で心が打たれた。 抉るような心に傷を抱えた登場人物たちが、今を生きる心の苦しさと葛藤そして迷いが理解出来る。 性的虐待、育児放棄、イジメ、身体的劣等感、心の病など、様々な問題を生々しくこの物語で描いているが、 登場人物たちと同じく子供に受けた心の傷は、大人になっても簡単には消えはしない。 普通の人と同じように生きようと、もがけばもがくほど現実に苦しむ。 今、この瞬間にも、それらに悩み葛藤しながら生きている人達がいることを思い浮かべてしまう。 だからこそ物語の3人には、最後幸せになって欲しかった。 笙一郎の結末が悲しすぎて泣いてしまう。 普通に生きたいだけなのに、心の闇や現実問題がそうさせない。 生きてても良いんだよ。と、私も3人に語りかけたかった。 ルフィンとジラフとモウルの名前も、悲しい現実だが下巻で名前の意味を理解できた。 煙草の火の押し潰された痕が無数にあるから、キリン=ジラフ(英語名)だとわかった時に胸が苦しくなった。 どんな結末でさえ、優希と梁平、笙一郎の、3人の絆と生きた証が残る物語だった。 今まで読んだ本で同著者の「悼む人」と同じくらい一番心が揺さぶられた物語でした。 様々な感情が取り巻くが、読めて素直に良かったと思える物語です。 下巻の個人的なメモ↓ イフェメラの日記P113 「ときどきこの世界って、親が大人とはかぎらないってことを、忘れるみたいね。子どものままでも、親になれるんだから。 親ってだけで、子どものすべてをまかせるのは、子どもに子どもを押しつけてる場合もあるのよ。 子育ては競争じゃないって伝えるところが、どうしてないの。 支える道も作らずには、未熟な親を責めるのは、間接的に子どもを叩いているのと同じかもしれないのに。」 P292の施設長が笙一郎に語る、介護の考え方が新鮮で救いがある。 P443優希 「つらさばかりを感じながらも、どうにか生きてこれたのは、いつか、ほめてもらえる日のあることを信じ、それに憧れ、求めていたためだと思う。」 P490優希(梁平の回想) 「生きていても、いいんだよ。 おまえは…生きていても、いいんだ。 本当に、生きていても、いいんだよ。」

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2011/09/24

主題は、重い。長さは気にならず。でも会話は不自然だ。ミステリの体裁でなくてもよかった。死んだ者と生きる者とを分けたものって何?

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2011/08/08

天童荒太著【永遠の仔 下巻】読了。文庫本で一巻から二巻までは読んだけど、残りの三巻が近所の本屋に売ってなくて…図書館で急遽、ハードカバーに変更して一気に読んだ。まぁ、下巻からは物語が動くわけですが…第一印象は、よくもまぁこんな切ない設定を考えついたかったいうもの。ほんと切ない。そ...

天童荒太著【永遠の仔 下巻】読了。文庫本で一巻から二巻までは読んだけど、残りの三巻が近所の本屋に売ってなくて…図書館で急遽、ハードカバーに変更して一気に読んだ。まぁ、下巻からは物語が動くわけですが…第一印象は、よくもまぁこんな切ない設定を考えついたかったいうもの。ほんと切ない。そして、成就して欲しいのに被せるように悲しい結末。もうね、悲しい気持ちが蔓延する一冊だった。

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2011/07/09

ボリュームがあるが、非常に読みやすいため、読むにあたってさほど時間を感じない。かといって離れられないほどではないため、暇つぶしには最適かもしれない。 物語の軸となるのは児童虐待だが、虐待をめぐって、虐待される者だけではなく、虐待する者、虐待を見過ごす者の心の傷がさまざまな形で描...

ボリュームがあるが、非常に読みやすいため、読むにあたってさほど時間を感じない。かといって離れられないほどではないため、暇つぶしには最適かもしれない。 物語の軸となるのは児童虐待だが、虐待をめぐって、虐待される者だけではなく、虐待する者、虐待を見過ごす者の心の傷がさまざまな形で描かれる。とはいえ、読み進めていくと結局のところ社会における軋轢のつらさを語るのに終始してしまっているようで、さほど感情を動かされるほどでもなく、月並みな話に落ち着いてしまっている印象を受けた。

Posted byブクログ

2017/09/20

人は救いを求めて罪を重ねる。連続殺人、放火、母の死…。無垢なる三つの魂に下された恐るべき審判は―。 上下巻合わせてかなりの量ですが集中して読めました。 自己を受け入れられないまま生きていく主人公たちの決して癒える事のない 傷跡。大人になった彼らの生き方は辛過ぎすぎる 嘘と真実...

人は救いを求めて罪を重ねる。連続殺人、放火、母の死…。無垢なる三つの魂に下された恐るべき審判は―。 上下巻合わせてかなりの量ですが集中して読めました。 自己を受け入れられないまま生きていく主人公たちの決して癒える事のない 傷跡。大人になった彼らの生き方は辛過ぎすぎる 嘘と真実が複雑に重なり合うように彼らの想いも複雑に重なり 物語の奥へ奥へと引き込まれてしまった。 自分の生き方を少し振り返ってみたくなった。

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