ご冗談でしょう、ファインマンさん(下) の商品レビュー
好奇心は、かくも人をラブリーな存在に変えてしまう、その典型がファインマン博士だということが良くわかりました。 ノーベル賞の受賞を断ろうとしてみたり(理由:面倒くさそう)、ドラムをたたいて木の周りを歌いながらウロウロする独演で森の伝説になってみたり。 一方で、なぜかくも熱心な学...
好奇心は、かくも人をラブリーな存在に変えてしまう、その典型がファインマン博士だということが良くわかりました。 ノーベル賞の受賞を断ろうとしてみたり(理由:面倒くさそう)、ドラムをたたいて木の周りを歌いながらウロウロする独演で森の伝説になってみたり。 一方で、なぜかくも熱心な学生の多いブラジルに、物理学の成果が出ないかという問題に触れる折、暗記だけの学習がもたらす危険についての言及がある。そのスピーチの指摘する点も同様であるが、つまり、人の好奇心というものに形式的な餌を与えて飼いならしてしまう行為がいかに危険かということを本書は熱弁している。 好きな逸話の出だしはこうだ。"あるとき僕はとあるパーティで、ボンゴ・ドラムを叩いていた。だんだん調子がでてきたところで、1人の男がとりわけこのドラムの音に魅せられたものか、洗面所に飛び込んでシャツ」をかなぐり捨て、裸の胸いっぱいにシェービングクリームでへんてこなデザインを塗りたくり、耳たぶにサクランボをぶら下げて踊り狂いながら現れた。” なんかレッチリのインタビューを初めて読んだときのことを思い出した。
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純粋な好奇心でいっぱいのファインマン先生。 この好奇心(=すなわち自分)に嘘をついたり、隠したり、絶対にしないこと。 それはまるで5歳の子どものようだけど、 それを大人になってからも、ましてや大学教授といういわゆるインテリ層になってからも、 貫きつづけるというのはすごいことだと...
純粋な好奇心でいっぱいのファインマン先生。 この好奇心(=すなわち自分)に嘘をついたり、隠したり、絶対にしないこと。 それはまるで5歳の子どものようだけど、 それを大人になってからも、ましてや大学教授といういわゆるインテリ層になってからも、 貫きつづけるというのはすごいことだと思う。 年をとっても、自分がどんな立場になっても、 好奇心を押し殺してしまわないこと、 その好奇心に素直に従って行動できる体を大切にしよう。
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少し期間が空いたけど、下巻も詠みました。上巻よりも、さらに加速化しつおり大変面白かったです。 好奇心まんまんのファインマン先生。ボンゴをうちならしたり、はたまたノーベル賞を断ろうとしたり、奇想天外、でも本当に大人げない探求心で徹底的にやり抜く力が、スゴイです。訳者あとがきの、「と...
少し期間が空いたけど、下巻も詠みました。上巻よりも、さらに加速化しつおり大変面白かったです。 好奇心まんまんのファインマン先生。ボンゴをうちならしたり、はたまたノーベル賞を断ろうとしたり、奇想天外、でも本当に大人げない探求心で徹底的にやり抜く力が、スゴイです。訳者あとがきの、「とにかく何かにあっと驚き、なぜだろう?と考える心を失わないこと。そしていいかげんな答えでは満足せず、納得がいくまで追及する。わからなければわからないと、正直に認めること。これがファインマン先生の信条でもあり、そっくりそのまま先生の生涯を浮き彫りにしていると思う。」が、まさに!と思いました。
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誤差は7パーセント カーゴ・カルト・サイエンス が印象的だった。 ------------------------- ----彼は量子の世界で何が起こっているかを頭に思い描くことができた。 その絵姿から、方程式を経ずに答えを書き下すことができたのだ。 ----彼は、教科書...
誤差は7パーセント カーゴ・カルト・サイエンス が印象的だった。 ------------------------- ----彼は量子の世界で何が起こっているかを頭に思い描くことができた。 その絵姿から、方程式を経ずに答えを書き下すことができたのだ。 ----彼は、教科書に書かれた量子力学がりかできなかったので、自分で最初から創り始めた。自家版・量子力学の完成まで五年間もそれに没頭した。 ----その五年間にわたる奮闘の最終段階に立ち会って、私はケインズがニュートンについて語った次の言葉を思い出していた。「彼の特異な天分は、頭の中で問題をすっかり解ききるまで休みなく考えつづける能力にあった。かれの直観の力は誰のものより強く、長く持続した。それが彼を偉大にしたものだと思う。」 あとがきより
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読んでいる途中に何度も笑いがこぼれた! ファインマンという人はほんとにピュアで好奇心旺盛で。 偉大な人なのにちっても偉ぶらなくて、 いつも面白いいたずらを考えている。 読後はとってもチャーミングな人に出会ったような。 文章から、彼の魅力が惜しみなく伝わってくると思ったら、 訳者...
読んでいる途中に何度も笑いがこぼれた! ファインマンという人はほんとにピュアで好奇心旺盛で。 偉大な人なのにちっても偉ぶらなくて、 いつも面白いいたずらを考えている。 読後はとってもチャーミングな人に出会ったような。 文章から、彼の魅力が惜しみなく伝わってくると思ったら、 訳者の方はファインマンの友人であった。 なるほどー あっという間に読めた理由はここにもあったんだ。 「自分を偽らない」って彼の言葉はがつんと私にもひびいた。 日本びいきだったファインマン。 すっかり彼のキャラクターに魅せられてしまって、 そんなことが嬉しかった。
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日本についての話や絵画にはまった時の話、 幻覚についての話などを扱っていて、 上巻よりも読み応えのある内容になっている。 日本をべた褒めしていて、 日本人としては悪い気はしない。 だからこの本が売れたのだろうが、 ファインマンさんが愛した お茶が飲みたくなったら 誰かがお茶を淹...
日本についての話や絵画にはまった時の話、 幻覚についての話などを扱っていて、 上巻よりも読み応えのある内容になっている。 日本をべた褒めしていて、 日本人としては悪い気はしない。 だからこの本が売れたのだろうが、 ファインマンさんが愛した お茶が飲みたくなったら 誰かがお茶を淹れてくれる 日本をこれからも大事にしていきたい。
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下巻の冒頭の話「ラッキーナンバー」では、いかにして計算の名人と評判をとったかの話が出てきます。計算名人になりたい人は必読です。 次の「オー、アメリカヌ、オウトラ、ヴェズ」はブラジルに行って大学で教えたときの話ですが、教える側、先生にとって深い話が書いてあります。どんなに下手でも...
下巻の冒頭の話「ラッキーナンバー」では、いかにして計算の名人と評判をとったかの話が出てきます。計算名人になりたい人は必読です。 次の「オー、アメリカヌ、オウトラ、ヴェズ」はブラジルに行って大学で教えたときの話ですが、教える側、先生にとって深い話が書いてあります。どんなに下手でもポルトガル語で説明することにした理由や学生に質問させるのがいかに難しかったかの話です。 学校の先生や教育に携わる人にはここをぜひ読んで欲しいですね。 詳しくは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120523/1337728136
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愉快!痛快!ウソがない。「自分自身に生きている」 上下共に訳が素晴らしい。ファインマンさんの人柄が眼前に浮かぶようだ。 また、含蓄深い言葉も多々ある。 上から目線ではなく、働く人の目線である。自分で動く人の目線である。 ・地球が宇宙より古く考えられている時代があった。 ・具体例...
愉快!痛快!ウソがない。「自分自身に生きている」 上下共に訳が素晴らしい。ファインマンさんの人柄が眼前に浮かぶようだ。 また、含蓄深い言葉も多々ある。 上から目線ではなく、働く人の目線である。自分で動く人の目線である。 ・地球が宇宙より古く考えられている時代があった。 ・具体例で法則を考える。 ・妹の言葉:何かヒントを得て、それを初めから自分のやり方で考え抜いた訳じゃないからわかりにくいだけのこと。 ・真に重要なのは物質そのものではなくて、それを作る力なのだ。※貧困の解決に当たって。 ・ワカリクセス! ・カーゴ・カルト・サイエンス。科学的良心(または潔癖さ)。実験の結果を無効にしてしまうかもしれないことまでも、一つ残らず報告すべきなのです。 ・ミリカンの電荷の測定のぶれの歴史。 ・ヤングのマウス実験。
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うん、やっぱり憎めないや。下巻でも相変わらずの自由奔放なエピソードが目白押しで、時に驚くほど大胆な行動力を魅せる時も。それは自分への揺るぎない自信によるものであるのと同時に、自分自身をも進んで実験台にして観察してやろうとする科学者の矜持も感じさせる。実際、卒業式での講演を収録した...
うん、やっぱり憎めないや。下巻でも相変わらずの自由奔放なエピソードが目白押しで、時に驚くほど大胆な行動力を魅せる時も。それは自分への揺るぎない自信によるものであるのと同時に、自分自身をも進んで実験台にして観察してやろうとする科学者の矜持も感じさせる。実際、卒業式での講演を収録した章ではこれまでの冗談半分な姿勢とは一変、えせ科学の問題点を指摘し、事実に対して徹底的な正直であろうとする科学的良心の必要性について真摯に語っている。決して自分自身を欺かないように、その為に自由であれと。これは嫌いになれないよなぁ。
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物理学者リチャード・ファインマンの自伝の下巻。 「変人ノーベル賞学者のハチャメチャな人生」という紋切り型の受け取り方もできるかもしれないし、それでも楽しんで読めるとは思う。 しかし最期まで読むと、彼のすべての行動は「科学的良心」(最終章)と「人がどう思おうと、ちっとも構わない」...
物理学者リチャード・ファインマンの自伝の下巻。 「変人ノーベル賞学者のハチャメチャな人生」という紋切り型の受け取り方もできるかもしれないし、それでも楽しんで読めるとは思う。 しかし最期まで読むと、彼のすべての行動は「科学的良心」(最終章)と「人がどう思おうと、ちっとも構わない」(文庫版訳者あとがき)という信条に貫かれていると分かる。 空気を読むのが美徳とされ、自分の信条を貫いていきていくのが難しい日本人としては一種のあこがれを感じた。 何にでも興味を持ってチャレンジしていく(しかもどれもこれもマスターしてしまう!)姿は、コグレマサト,いしたにまさき『マキコミの技術』(インプレスジャパン)の「一歩前に踏み出し」、「周りをマキコ」むという行動のまさに実践。 しかも50年前に!! http://booklog.jp/users/caliconography/archives/1/4844329588 氏の「火山」を「ひっきりなしに爆発し続け」させた教科書のデタラメについては、佐藤克文『ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待 』(光文社新書)で触れられているとおり、現代になってもあまり変わっていないのかもしれない。 (教科書のウソに言及する両者の文脈は全く違うけれど) http://booklog.jp/users/caliconography/archives/1/4334034160
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