黒い家 の商品レビュー
純粋に怖かった。 切迫したシーンでは、文章を読み進める毎に 心からハラハラし、冷や汗をかいた程。 本当にドキドキした。 生命保険について何ら知識がなくとも 都度、丁寧に説明が成されるため 頭を抱えることなくサクサクと読めた。 扱う人によっては堅くなる背景だとも感じたが 中弛み...
純粋に怖かった。 切迫したシーンでは、文章を読み進める毎に 心からハラハラし、冷や汗をかいた程。 本当にドキドキした。 生命保険について何ら知識がなくとも 都度、丁寧に説明が成されるため 頭を抱えることなくサクサクと読めた。 扱う人によっては堅くなる背景だとも感じたが 中弛みすることもなく一気に楽しめた。 そして、事件自体は終結したものの 更なる事件を匂わせるようなラスト。 こういう業界はここまでと行かずとも (流石に創作であるし)、恐ろしい側面とは 常に戦っているんだな…と感じさせられた。
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そもそも、本のタイトル、表紙の色合いからして、怖いでしょ!怖い話なんでしょ! っていうのがヒシヒシと伝わってきますよね・・・ オバケなのか殺人なのかがわからないけど、何しか怖いんでしょ! 貴志祐介さんなでしょ!って感じですよね。 小説って、けっこう想像力掻き立てられて怖いんです...
そもそも、本のタイトル、表紙の色合いからして、怖いでしょ!怖い話なんでしょ! っていうのがヒシヒシと伝わってきますよね・・・ オバケなのか殺人なのかがわからないけど、何しか怖いんでしょ! 貴志祐介さんなでしょ!って感じですよね。 小説って、けっこう想像力掻き立てられて怖いんですよね。 特に、文字・文章による描写だと、自分の想像力で怖さ倍増します。 「独特の匂い」「その女性の異様さ」でも普段は正常であるところとか、「形相」とかが、、 心理面も意図的に語られながら場面が進むので、臨場感ありました。 怖・面白い小説です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私たちはお金がないと生きていけない。お金と命は、常に天秤に掛けられている。誰が正気で、誰が狂っているのか。保険金を巡る事件は、日頃のニュースやドラマの中で多数の人にとっては、あまりにも非情に映るものだ。 眉間に皺を寄せずには居られない。不気味で不愉快な執着と憎悪。 物語の進行に合わせて、登場人物達が抱えるトラウマや、心の闇の輪郭が見えては消えてゆく。 ホラー要素がたっぷり。怖っ!気持ち悪っ!ゾワッ。 素晴らしく恐ろしい描写に鳥肌が立つ。 私は読書の最中に、玄関、窓、浴室、壁、トイレ、照明、家鳴り。色んなものがいつもと違うという妄想に飲み込まれしまいそうで、何度か本を閉じて呼吸に集中するという時間を設けていた。 個人的には金石の述べた思想には、深く同意する部分があった。あまりに割り切った考えである為に、全てに頷くことはできないが、読んでいてどこか安心感がある。 決して救いのある物語では無いし、読者としても深く傷を負った気持ちになる。人はどこまでも、欲深く得体の知れない目的意識に、救済や犠牲を織り交ぜて個人や大衆を操り、また操られる。 不足の事態に人々を金銭的に守り、支援するための制度が人を傷付け、殺したのである。 保険金にまつわる物語の一つだ。 読了。
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「こんな奴おらんやろ」って思いたいのに、思わせてくれないのが貴志祐介。自分や他人の体を犠牲にしてまでお金を欲しがる気持ちが分からない… そして何だか嫌な終わり方。希望が全く見えない。
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想像以上に怖すぎた!後半は展開が気になって頁を捲る勢いが加速。人の執着心とはこんなにも恐ろしいものか。人の闇を垣間見た。鬼気迫る情景の描写が鮮明で血の臭いがこちらにまで蒸し返してきそうで気持ちが悪くなった。現実ではこんなことが無いことを祈る。
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サイコパス犯による保険金殺人。 保険会社に勤める主人公が巻き込まれ、徐々に追い込まれていく展開は、リアリティがあって恐怖を感じた。 一方でリアリティの追求によるものなのか、生命保険のしくみや、サイコパスに関するプロファイルなどの解説シーンが長くて、途中自分の感情がストーリーか...
サイコパス犯による保険金殺人。 保険会社に勤める主人公が巻き込まれ、徐々に追い込まれていく展開は、リアリティがあって恐怖を感じた。 一方でリアリティの追求によるものなのか、生命保険のしくみや、サイコパスに関するプロファイルなどの解説シーンが長くて、途中自分の感情がストーリーから脱線してしまったことで読了感が薄れてしまった。
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【感想】 物語の序盤から中盤にかけては、「日常に潜む人間の怖さ」がテーマでした。 菰田重徳が何を考えているのか全然わからず、また不気味さも相まって、「もしかすると自分も運が悪ければこのようなトラブルに巻き込まれてしまうのでは?」といった身近な恐怖を感じました。 狂っている人間ほど...
【感想】 物語の序盤から中盤にかけては、「日常に潜む人間の怖さ」がテーマでした。 菰田重徳が何を考えているのか全然わからず、また不気味さも相まって、「もしかすると自分も運が悪ければこのようなトラブルに巻き込まれてしまうのでは?」といった身近な恐怖を感じました。 狂っている人間ほど怖いものはないなと、読んでいてガクブルしていました。 ただ終盤は、もはや人間ではなく、モンスターと化した菰田幸子との戦いに。 物語のジャンルも、もはや「ホラー」ではなく「モンスターパニック」になりました。 こうなったら、もはや読んでいて怖くも何ともありません。だって、コメディですもの。笑 (余談ですが、菰田幸子の垣間見せるタフネスさは、RIKAを彷彿とさせますね。) 警察の無能さ、無関心も、少々オーバーすぎるだろとツッコミながら読んでいました。 あれだけ証拠が出揃っていたらいくら何でも動くだろう。笑 主人公を孤立無援にさせるための演出ではあると思いますが、「犯罪に対して、さすがにここまで無能で無関心な警察なんかいねーよ!」とツッコミました。 物語自体の構成はかなり面白かったのですが。。。 作中のホラー要素を訴求するあまり、終盤は一気に安物のホラー作品になっちゃいました。 コメディ要素がなければとても面白かった作品でしたが、、、残念です。 【あらすじ】 顧客の家に呼ばれ、子供の首吊り死体の発見者になってしまった保険会社社員・若槻は、顧客の不審な態度から独自の調査を始める。 それが悪夢の始まりだった。 第4回日本ホラー小説大賞受賞。
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正直な感想を言うと、微妙。 情景描写や登場人物の掘り下げなどは丁寧だが、そこまで怖さは感じなかった。 同作者の天使の囀りも読んだことはあるが、そちらもそこまで恐怖感は感じなかったので、多分相性の問題もあると思う。
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1997年第4回日本ホラー小説大賞で大賞を受賞した昨品。 ホラー小説ではありながら、保険金のためなら何でもしてしまうという一種の保険金搾取がテーマになっており、現代に暗い影を落とす作品になっている。 20年以上前の作品だが、現代でもこのテーマは褪せることなく存在しているので...
1997年第4回日本ホラー小説大賞で大賞を受賞した昨品。 ホラー小説ではありながら、保険金のためなら何でもしてしまうという一種の保険金搾取がテーマになっており、現代に暗い影を落とす作品になっている。 20年以上前の作品だが、現代でもこのテーマは褪せることなく存在しているので、そういった意味でも十分に読み応えのある作品と言える。 生活を守るための保険が、かえって殺人や傷害を助長してしまっているのではないかという現代社会の矛盾点に切り込んだ本格長編。
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ホラー大賞というからにはどんな怖いものが出てくるのだろうと思いながら読み始めたこの本。おばけ?ゾンビ?いや、出てきたのは終始人間だけだった。結局この世で一番怖いのは人間の黒い心なんだと感じさせられた。 終盤に行くにしたがって判明する事実がジワジワと怖さを醸し出し、まるで自分がそこ...
ホラー大賞というからにはどんな怖いものが出てくるのだろうと思いながら読み始めたこの本。おばけ?ゾンビ?いや、出てきたのは終始人間だけだった。結局この世で一番怖いのは人間の黒い心なんだと感じさせられた。 終盤に行くにしたがって判明する事実がジワジワと怖さを醸し出し、まるで自分がそこにいるかのようにドキドキしながら読んだ。 サイコパスと出会いたければ是非。
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