眼の誕生 の商品レビュー
眼の誕生が補足者を生み防御のための甲羅・擬態など動物の進化をもたらし、多様な種類の生物のもたらしたとの説。面白かったが難しく良くわからないところもあった。善(見える)ことと悪(捕まえて食べる)とが結びついているところに生命の基本があるということか。人間も悪をなさずには生きてゆけな...
眼の誕生が補足者を生み防御のための甲羅・擬態など動物の進化をもたらし、多様な種類の生物のもたらしたとの説。面白かったが難しく良くわからないところもあった。善(見える)ことと悪(捕まえて食べる)とが結びついているところに生命の基本があるということか。人間も悪をなさずには生きてゆけないことがわかる。
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ダーウィンの進化論では解明できない、眼のような高等な器官が誕生した理由。 第9章で地球上はじめて眼が誕生するシーンは不思議な感動を覚えた。
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知識や推論成否の判断力において、自分がこの本を楽しめるレベルに達していないことは痛感した。だが、それにしてもこの前半は退屈過ぎやしまいか。 とりあえずワンダフルライフを読まないとだなぁ。
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生物進化の歴史で最大の事件と言われる「カンブリア紀の大爆発」は、なぜ起きたのか? この問いに対するひとつの答を示すとして書かれた本。結論から言えばそれはタイトルの通り、眼すなわち視覚が誕生したからだというもので、著者がその証拠固めをする過程をドキュメンタリーのように描いている。...
生物進化の歴史で最大の事件と言われる「カンブリア紀の大爆発」は、なぜ起きたのか? この問いに対するひとつの答を示すとして書かれた本。結論から言えばそれはタイトルの通り、眼すなわち視覚が誕生したからだというもので、著者がその証拠固めをする過程をドキュメンタリーのように描いている。 説としてはそれなりに有望だと思うが、本書の論法はちょっと我田引水すぎる感がある。著者はあまりに自分の説を信奉するあまり、自説を裏付ける証拠は安易に採用し、他説はろくに検証せず棄却してしまっている傾向が感じられた。 これは著者だけでなく訳者にも責任があるだろう。こういう書物では珍しく、著者の一人称が「ぼく」なのだ。この点については訳者あとがきでその理由が述べられているが、結果的にはやや内容が薄いものであるような印象を与えてしまっていると思われる。
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生物が持つ回析格子の構造や、干渉色についてのくだりにとても興味を引かれた。しかし表紙と中身は全く関係ないな。
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書評を読んで、すぐに買って、すぐに読んだ。冷静な本だと思う。 そもそも書評を読んでいて、カンブリア紀のいくつかの生物が回折格子を体表に身につけていることを眼の誕生の結果と考えた著者のアイデアに驚いたのだ。見られることなくしてそんな面倒な構造は自然淘汰の対象になるはずがない。そう、...
書評を読んで、すぐに買って、すぐに読んだ。冷静な本だと思う。 そもそも書評を読んでいて、カンブリア紀のいくつかの生物が回折格子を体表に身につけていることを眼の誕生の結果と考えた著者のアイデアに驚いたのだ。見られることなくしてそんな面倒な構造は自然淘汰の対象になるはずがない。そう、見られるから、回折格子は作られた。 難しい名称で語っていても仕方がない。要は昆虫の羽根のきらめく構造だ。バージェス頁岩の化石の中に同じきらめきを構造として持つ生物が存在した。そしてその時代は生物が初めて眼という構造物を持ち始めた時代だった。ならば。 眼の誕生こそがカンブリア大爆発と呼ばれる進化の大事件の理由だと言う。大胆にして、当たり前に聞こえる素晴らしい学説だ。書評で上記の印象を持って読んだ訳だが、著者は実に冷静で、細かい証拠を重視する。しかしその結果はたった1行に書ける新説である。いや誰も考えようとしなかったのだ。思いつきもしなかったのだ。本書の中で書かれている通り、ダーウィンだって眼が誕生したのは奇跡だと思っていたんだもの。学問の世界に未来はある、と本当に感じた。
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カンブリア紀の種の爆発は「眼」の誕生によって引き起こされた。それは「眼から鱗」モノです。その結論に至るまでの著者の軌跡が挿話薀蓄交じりで面白く大変な学者さんだなぁと感心して読みましたが最後の「で、眼は何でがきっかけで誕生したの?」と言う問いに絶句しているのが面白すぎです。
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グールドのワンダフルライフで一躍有名になったカンブリア紀の大爆発.本書はこのカンブリア爆発がなぜ起こったのかについての新説「光スイッチ説」について提唱者の新進の古生物学者パーカー本人が丁寧に説明したもの. 第一線の一流の研究者本人による書物であり,しかも順を追って丁寧に書かれてい...
グールドのワンダフルライフで一躍有名になったカンブリア紀の大爆発.本書はこのカンブリア爆発がなぜ起こったのかについての新説「光スイッチ説」について提唱者の新進の古生物学者パーカー本人が丁寧に説明したもの. 第一線の一流の研究者本人による書物であり,しかも順を追って丁寧に書かれているので読み応えがある.テーマが明確でストーリー展開が自然なこと,色彩というこれまであまり取り上げられていない視点からの解説であること,全く新しい考え方が展開されていることから本書はきわめて魅力的である.訳も定評ある訳者であり,文体も簡潔でわかりやすい.所々のイラストも楽しい. 内容は,カンブリア爆発について説明したあと,順に,化石とは何か,色とは何か,動物の体色はどのように決まっているのか,暗いところに生息しているとどうなるか,現生動物の貝虫の色と光の仕組み,色素による色と構造色,薄板構造と回折格子の説明,眼とは何か,どのように進化したのかがつづく.こうやって十分準備しておいてからカンブリア動物群の体色の解説.そして「光スイッチ説」の真打ち登場という構成である. 眼の誕生により視覚からの情報量が飛躍的に増加し,これにより捕食と捕食回避のための外骨格の進化が爆発的に起こったという本書の主張は実に説得的だし,細部の解説もなかなか読ませる.それより何より回折格子により虹色に輝くバージェス動物群の想像復元図(カラー)に目を奪われる.これは捕食者に対する警戒色として進化したのだというのが著者の解釈.とにもかくにも初めて明らかにされる真実の迫力に脱帽である. 著者はすでにさらに動物の色彩に踏み込んだ第二弾を”Seven Deadly Colours”という題で出版しているらしい.これも早く訳されないかと楽しみである.
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