眼の誕生 の商品レビュー
『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』松尾豊 著 KADOKAWA:参考文献
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「カンブリア紀の生物大進化(生物の多様性が何倍にもなった生物史上最大のエポックメーキングな出来事)について解説した本。現存生物学、古代動物学、光学(光学がとても重要なのです)、地質学等の多分野に対する深い考察からこの出来事を見事に解明。とても面白く読めます。すばらしい。
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人工知能関係から読みました。 しっかりと論証してある感じでとても勉強になった。 考える視点が増える系の本なのでよかった。 それにしても地質学ってすごい。太陽光量をヘリウムのなんたらとかの技術とか、 あとは観察 観察 それとスケール
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読了。タイトルのママだけど、カンブリア爆発(カンブリア紀の初めのわずか500万年程度の間に現在ある38の門がすべて出そろった現象)の原因を、三葉虫に眼が発生したことに求める「光スイッチ説」を詳しく解説している。最初の方は光と生物の関わりみたいなところから始まり、なかなか本丸のカン...
読了。タイトルのママだけど、カンブリア爆発(カンブリア紀の初めのわずか500万年程度の間に現在ある38の門がすべて出そろった現象)の原因を、三葉虫に眼が発生したことに求める「光スイッチ説」を詳しく解説している。最初の方は光と生物の関わりみたいなところから始まり、なかなか本丸のカンブリア爆発の話にならない。前段は前段で面白いんだけど、そこを理解しないと結論が理解できないわけでもないので、大学で話のうまい先生の講義を聞いてるみたいな読書体験だった。
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素晴らしい。この本のせいで、飛行機を予約して中国雲南澄江まで出かけてしまったよ。必読書。サピエンス全史と合わせて読むと進化、歴史観が変わると思う。
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IoTが急速に普及する中で、センサーはいわば世界に対する「目」として機能している。では、「目」の存在はどれほどのインパクトをもたらし得るのか? 本書は、生命史の中で爆発的な進化が発生し、多様な生物種が誕生するきっかけとなった5億4300万年前のカンブリア大進化の謎を、「環境的な...
IoTが急速に普及する中で、センサーはいわば世界に対する「目」として機能している。では、「目」の存在はどれほどのインパクトをもたらし得るのか? 本書は、生命史の中で爆発的な進化が発生し、多様な生物種が誕生するきっかけとなった5億4300万年前のカンブリア大進化の謎を、「環境的な変化により地球や水中に到達する太陽光の質・量が増大した結果、生物に眼が誕生し、多様な進化をもたらした」という光スイッチ説に基づき解き明かすノンフィクションである。 光スイッチ説では、光の量が増大したことにより、その光が淘汰圧となって、単なる光受容器に過ぎなかった器官が神経と結びつき、外部の像を見えるようにした眼を生み出した。その結果、生物はそれまで以上に過酷な「食う・食われる」の関係に巻き込まれることとなり、自らの種の生存のために、カモフラージュできるような体の形態・色の変化を身に着けたり、簡単に捕食されないように硬い骨格を持つようにならざるを得なくなり、爆発的な進化につながったとされる。 本書では生物学・地質学・物理学・化学など、様々な学問分野の知見をベースに、光スイッチ説が検証されていく。ところどころ専門知識が要求されるところはあるものの、概ね平易な語り口であり、カンブリア大進化という生命史の謎が解かれる様子を楽しむことができる、一級のサイエンスノンフィクションである。
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NHKの特集かなにかで見たことがある。多分この本が元となったのだろう。 無差別に与えられる光が、生き物の進化のスイッチになったのだろうという新説。 偶然に偶然が重なって…という壮大なドラマ。
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目の誕生とカンブリアの関係について謎を暴く。 久しぶりに面白い本を読んだ。 もう少し「視覚」とはなにか、 といった考察が欲しかったけど十分すぎるくらいに満足。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
◆地球史、そして生物進化史における最大の謎、カンブリア大爆発の実相につき、「眼」という当たり前の生体機構に焦点を絞って解読。知的なワクワク感を感じたい人にとっての最適の一書◆ 2006年刊行。 約5億4000万年前、多種多様な生物が生まれ、(地質学的スパンにおいて)短期間で進化し、そして、それらが大量絶滅したカンブリア紀。 これは、生物進化学において大いなる謎の時代である。 このいわゆる「カンブリア大爆発」の謎を解く鍵として、本書は、眼の出現、すなわち、光ほか電磁波に対する感受性の獲得したこと、これに伴う広範囲にわたる捕食の発生と食物連鎖の形成をあげる。 記述内容は、非常に興味深く、エキサイティングな読後感である。 もとより、生物学と生体機構学、進化の具体的実例と眼という機構の変化を叙述する本書の専門的な内容に関して、その是非を問う力は個人的には有してはない。 しかし、なぜ、今のような人類になっていったのかに関する科学的アプローチに関心がある方であれば、本書は間違いなく知的興奮を味わえる良書といってよいかと。 著者はオックスフォード大学グリーンカレッジのリサーチフェロー。
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動物の進化史上における最大の事件とされるカンブリア紀の進化大爆発。 スティーブン・J・グールドの「ワンダフル・ライフ」で日本でも有名となったこの大事件の原因については、従来様々な仮説が立てられてきたが、そのことごとくに有力な反証があり、長らく謎とされてきた。 本書は、現代の生物が...
動物の進化史上における最大の事件とされるカンブリア紀の進化大爆発。 スティーブン・J・グールドの「ワンダフル・ライフ」で日本でも有名となったこの大事件の原因については、従来様々な仮説が立てられてきたが、そのことごとくに有力な反証があり、長らく謎とされてきた。 本書は、現代の生物がいかに“光”に適応しているかから説き起こし、カンブリア爆発の原因を動物における最初の視覚(目)の獲得にあることを論証して見せた快著である。 生物学や地質学だけでなく、物理学、光学等を援用して淘汰圧としての光の重要性を丁寧に説き、最後に至って光への適応がすなわち視覚を持った捕食生物への対応であることを明らかにする。 そして、最初に目を獲得した生物がカンブリア紀最初期に生息した三葉虫であることから、他の生物がこの新たな捕食動物への対応を迫られた結果としてカンブリア爆発が起こったと結論付ける過程は、凡百の推理小説よりもスリリングで知的興奮を掻き立てられる。 ポピュラーサイエンスとして出色の出来である。
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