眼の誕生 の商品レビュー
カンブリア期の爆発的な進化促進の正体について、光に注目することで説明を試みている。グールドのワンダフルライフ以降の研究成果を証拠として紹介しながら外堀を固めていくように結論に近づてけいくのが説得力を持たせている。進化というテーマそのもののほかに、現代の生態や環境への理解が深まっ...
カンブリア期の爆発的な進化促進の正体について、光に注目することで説明を試みている。グールドのワンダフルライフ以降の研究成果を証拠として紹介しながら外堀を固めていくように結論に近づてけいくのが説得力を持たせている。進化というテーマそのもののほかに、現代の生態や環境への理解が深まった。 瑣末な説明や用語、場面転換が多く、精読しながら読み進めるのが難しい。 前提図書として ・ワンダフルライフ(グールド) ・波紋と螺旋とフィボナッチ(近藤滋)
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眼の誕生 カンブリア紀大進化の謎を解く カンブリア紀のはじめに種が爆発的に増えた「カンブリア紀大進化」の謎に精緻に迫るノンフィクションです。5億4300万年前に何が起きたのか?その謎に向かって、進化論、物理学、化石の知識、色彩の知識、解剖学などの基本知識がまとめられます。その中には、著者がどのような体験を元に謎に近づいていったかという推理小説のような推理の道筋もしっかりと体験談として織り込まれています。 要は、著者の学説の一般向けのお披露目ですが、丁寧な筆運びなので一般の学術書のように飽きることはありません。 スティーブン・J・グールド博士の「ワンダフル・ライフ」でその謎の解明が克明に語られたバージェス頁岩が、更に詳細に分析され、世界各地で同様な化石が産出しているという新しい知識も盛り込まれていました。また、カンブリア紀の大進化では、生物組織の組成そのものが多様化したのではなく、生物の外側(外見、特に装甲)が多様化したのだということもはじめて知りました。 推理小説ではないので、ネタバレをしてしまうと、これらの進化は、三葉虫が眼という器官を発達させたことによって、捕食効率が爆発的に良くなり、その進化の淘汰圧に対応するために、あるものは環境に同化して捕食者を欺き、あるものはより強力な捕食者となり、あるものは捕食が難しくなるような装甲を身にまとうことによって厳しい生存競争を生き抜いた結果であると結論しています。 この説だと、少なくとも著者が提示した事実や物理現象、進化論、解剖学などと矛盾したものや論理の飛躍は無いように思われます。(だからといってそれが正解とは限らないですが) 人間もこういった進化の結果として、視覚に多くを頼る(逆に他の動物と比べると頼りすぎ)ことによって、生存競争を勝ち抜いて来たことがわかります。「百聞は一見にしかず。」 最後の章で、何故三葉虫は眼を獲得したのか?それを誘引した環境の変化は何か?という問いがされますが、それには明確な回答は無く、いろいろな既知の説(スノーボール説や海の透明度が上がった説、太陽の光の強さが変わった説)が上げられているだけです。 現在は第4次大量絶滅のさなかにあるようですが、それを起こしているのが人間という傲慢な一種類の生き物だということも、自覚しなければいけないですね。 竹蔵
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壮大な人類の歴史を光スイッチ説を軸に描いた力作。途中挫折しかけたが、捕食のあたりからまた面白くなり読み終えた。 三葉虫やるなあ。
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カンブリア紀の爆発-「眼の誕生」 -2007.10.06記 「カンブリア紀の爆発は、生命史の要をなす瞬間である」とは、S.J.グ-ルドが著書「ワンダフル.ライフ」の中で述べた言だが、5億4300万年前から5億3800万年前のほぼ500万年という生物進化上の年代的サイクルでいえばごく短い間に、現生するすべての動物門が、体を覆う硬い殻を突如として獲得-但し、海綿動物、有櫛動物、刺胞動物は例外-したとされる、カンブリア紀の爆発がなぜ起きたのかを、光スイッチ説を論的根拠として三葉虫における「眼の誕生」によるものとの新説を、素人にも判る懇切丁寧な運びで詳説してくれるのがA.パーカーの本書「眼の誕生-カンブリア紀大進化の謎を解く」だ。 一般にカンブリア紀の爆発といえば、カンブリア紀開始当初のわずか500万年間に、多様な動物グループ-門が突如として出現した出来事であると解されているが、著者はそれを事実誤認という。 即ち、その直前までにすでに登場していたすべての動物門が、突如として多様で複雑な外的形態をもつにいたった進化上の大異変こそが、カンブリア紀の爆発にほかならない。そしてそのきっかけが「眼」の獲得だった、というのである。 生物はその発生の当初から太陽光の恩恵を受けていたことは自明のことだが、生物が太陽光を視覚信号として本格的に利用し始めたこと、即ち本格的な「眼」を獲得したのはまさにカンブリア紀初頭のことであり、そのことで世界が一変したというのが著者の言う「光スイッチ説」の骨子であり、いわば肉食動物が視覚を獲得したことで<喰う-喰われるの関係>が劇的に変化し、これが進化の陶太圧として働いて、自らの体を硬く装甲で覆うべき必要が生じたというのである。 いわば「眼」の誕生は、諸々の生物群こぞって軍備拡張路線の激化へと走らせることとなった訳だ。 地球上に登場した「最初の眼」とはいかなるものだったか? それは進化にどんな影響をもたらしたのか? まだ若く気鋭の生物学者たる著者は、高校生物程度の知識があれば一応読み遂せるという点においても、よく行き届いた論の構成をしており、我々のような一般読者にもかなりお奨めの書だ。
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文章や小段落の構成が独特で非常に読みにくい。特に接続詞の類が不自然で、「つまり」「ようやく」「しかし」「しかも」みたいな言葉の後に、この接続ならこういう展開が続くだろうと期待する内容が来ないことが多く、読んでいてストレスが溜まった。訳者が2人なのがよくないのだろうか。 内容は...
文章や小段落の構成が独特で非常に読みにくい。特に接続詞の類が不自然で、「つまり」「ようやく」「しかし」「しかも」みたいな言葉の後に、この接続ならこういう展開が続くだろうと期待する内容が来ないことが多く、読んでいてストレスが溜まった。訳者が2人なのがよくないのだろうか。 内容はまぁまぁ面白いが、眼の誕生の結果の話が大半であり、眼がなぜ誕生したのかは1番最後に少し出てくるだけである。眼がなぜ誕生したかを知りたい人にはおすすめしない。 この説は実験が簡単にできそうに思えるけど、そうでもないのだろうか。洞窟に住む眼のない生き物を明るい場所で飼育し、眼のある捕食者を入れてみて、何世代も観察するとか。素人にはできそうに思えるが、洞窟の生きものを人工飼育するのは難しいのかもしれない。 また、突然変異というのは個体に生じるわけで、最初に視覚を持った生きものは異質な存在だったろうなと思った。最初に眼を持ったとされる三葉虫が仲間に「あれが見えないのか」と言って孤独に陥ったり、超能力者として調子に乗るようなことはないのだけど、現代の人間にも突然変異は起こり得るはずで、個人の差異にもう少し注意を向けてみたいなと思った。 当たり前といえば、当たり前だけど、本書を読んで改めて気がついたのは、光の波長の長さにより、眼の最小サイズが決まってしまうということ。シュレーディンガーが「われわれの身体は原子にくらべて、なぜ、そんなに大きくなければならないのでしょうか」と言っていたのを思い出した。
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カンブリア紀の大爆発とは種が増えたことではなく、生物の外観が多様化したことを指す。その原因は眼を持つ生物(三葉虫)が誕生したこと。それに食われないように装備や保護色、警告色、敵を認識するための眼を持つように他の生物が進化したため、短期間で進化が進んだ。この時期に眼が誕生した理由は...
カンブリア紀の大爆発とは種が増えたことではなく、生物の外観が多様化したことを指す。その原因は眼を持つ生物(三葉虫)が誕生したこと。それに食われないように装備や保護色、警告色、敵を認識するための眼を持つように他の生物が進化したため、短期間で進化が進んだ。この時期に眼が誕生した理由は地上が明るくなったから。待機や海水、宇宙空間の組成が変化して海中に光が届くようになったから。
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科学者さんの書く一般書を読んでいつも感じるのは其の情熱である。時としてそれは狂気に近くなるのではないか?自然も社会も脳の中にあるので、どこかで脳の中から出る行為が必要だと思った。脳に支配される身体を、如何にして脳の支配から開放するかが俺の課題かな?と… それが今はサーフィン
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カンブリア期の生命の爆発的な多様性の増加を説明する新理論、ということかな? それは、「眼の誕生」によって、肉食動物の「食うか、食われるか」によって進化の圧力がかかったということではないかということ。 言われてみれば、なんか当たり前の話しのような。 真実って、そんなものかも。...
カンブリア期の生命の爆発的な多様性の増加を説明する新理論、ということかな? それは、「眼の誕生」によって、肉食動物の「食うか、食われるか」によって進化の圧力がかかったということではないかということ。 言われてみれば、なんか当たり前の話しのような。 真実って、そんなものかも。。。。 それにしても、眼という精緻な気管が偶然の変異と自然淘汰の結果として、進化するというのは、ほんとすごいな〜と思う。 でも、なんか生命には進化するなんらかの本質的な力があるんじゃないかという生気説とか、目的論的な進化論みたいなものを信じたくなる理由はよく分かる。
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2021/7/10 読み終わった カンブリア爆発が好きなので。カンブリア爆発とは、カンブリア紀という地質時代の一時期の地層から、それより古い時代の地層からは一切発見されていなかった生物の化石が大量に発見されたことから、カンブリア紀に生物の多様性が一斉に花開いたことを指す言葉。 つまり、カンブリア紀以降の地層からはいくらでも化石が見つかるのに、それよりの時代(先カンブリア時代という)の地層からは化石が出てこない。これはどういうこと?を解明している。 小説じゃないからネタバレすると、まず ①先カンブリア時代にも生物は多様であった。(カンブリア紀に生物の進化が急加速したのではない) ②食物連鎖もあった。ただし、捕食者は眼を持っていなかったため、捕食行動は受動的だった。イメージとしては、口を四六時中開けておいて、口の中に入ってきたものを食べる感じ。 ②そのため、被捕食者は捕食者から身を守る必要性が低く、外骨格を進化させなかった。 次に、カンブリア紀になって、 ③捕食者が眼(光受容器とも言っている)を持った、つまり捕食が能動的になった。 ④捕食から身を守るために、被捕食者が硬い外骨格を備えるようになった。 ⑤そのため、外骨格が化石として残り、カンブリア紀の生物たちは現代の我々の知るところとなった。 なるほどこういうカラクリだったのか…と納得したところ、この説は著者が提唱している新説であって、一般に広く認められている説では必ずしもないということも併せて知った。知らない単語とか生物名とか出てきたときに調べても、本書の説と関連する記述が一切なかったり、語彙自体が検索結果に無かったりした。時代の最先端の学説を読むってこういうことなんだなって、思った。
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読みたかったのは、どうして眼が誕生したのか、だったんだけど、この本は、眼が誕生した結果動物はどう進化したか、だった。 それはそれで面白かったんだけどね。
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