デザインの輪郭 の商品レビュー
11年間ゼネコンでデザインする人たちを見てきて一緒に食事をしたり遊びに行ったりしていて独特の世界があることに興味を持っていた。けれども自分がまだ若すぎてよく知り合えないままになってしまったのがもったいないと感じていた。 この本は工業デザイナーの著者が日々の生活でものごとをどんなふ...
11年間ゼネコンでデザインする人たちを見てきて一緒に食事をしたり遊びに行ったりしていて独特の世界があることに興味を持っていた。けれども自分がまだ若すぎてよく知り合えないままになってしまったのがもったいないと感じていた。 この本は工業デザイナーの著者が日々の生活でものごとをどんなふうに捉えているか、哲学とともにあますところなく感じられて新鮮だ。「じゅんさいのぶよぶよのようにその見えない感触を楽しみたい。」 装丁も美しい本でとても楽しくよみました。 こーきさんありがとうございます。
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工業デザイナー、深澤直人さんのデザインに対する考え方を軸にしたエッセイ集。デザインする事についての過程から考察まで興味深い内容で、繰り返し読みたくなる本です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「行為に溶けるデザイン」。深澤直人を象徴する目次タイトル。 デザインが見た時すぐに刺激を与えるものではなく、やや遅れて「あ〜〜!」となるような気づきのズレ。 みんなが通過する意識の中心に置かれるデザインは、さりげない配慮やジョークがかたちになったもの。 深澤さんの研ぎ澄まされたシンプルなデザインは、こういった理論からくるものなのだと納得。 アフォーダンスとか、このデザインの考え方って、ニーズを生みだすってことなのかなと。 ニーズって、人の無意識の欲求の結果だと思うので、その欲求を形にして解決するのがデザインの役目であるのなら、デザインってすごく身近なものなはず。
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一流のデザイナーによる金言の数々. 日常におけるありふれた当たり前のことを完璧にすることに、デザインの目的を持っているようである. 「ゆでたまごを完璧にゆでることに凝っている」 デザイナーの仕事は夜空に散りばめられた星屑の中から、星座の輪郭を見つけることなのだ.
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深澤直人さんといえば、無印の壁掛けCDプレイヤー、auのインフォバー、プラスマイナスゼロの加湿器。ではないでしょうか。 彼のインタビューをネットでみたり、デザインのデザインの中で語られていたりしてるんだけど、もう、とにかくカッコいい。 語彙が無いせいで「カッコいい」なんだけど、他...
深澤直人さんといえば、無印の壁掛けCDプレイヤー、auのインフォバー、プラスマイナスゼロの加湿器。ではないでしょうか。 彼のインタビューをネットでみたり、デザインのデザインの中で語られていたりしてるんだけど、もう、とにかくカッコいい。 語彙が無いせいで「カッコいい」なんだけど、他に言葉が見当たらないほどカッコいい(笑) そんな深澤フリークな私からすると、最高な本でした。 デザインの輪郭というより、深澤直人の輪郭と言った方が近いんじゃないかと思う。 スーパーノーマルなデザインをする彼がどんなにノーマルじゃないかがわかります。 彼とか、馴れ馴れしいね。 深澤直人が好きな人、彼のデザインした製品が好きな人に読んで欲しいです。そして更に好きになってください。
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うまく言葉に表せないけど、デザインは"なにか"をそのままとらえた先にあるもので、そのことってとっても貴重なことだということのようだ。
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±ゼロのデザインを見た人はいないのではないかと思うが、 そのデザイナーさんがこの方、深澤直人さん。 片付けが苦手でデザインも、決まった所に整理することができずに 苦肉の策としていうところの「すっきりした」デザインに偏りがちな私。 当然±シリーズは大注目で、加湿器や扇風機など、...
±ゼロのデザインを見た人はいないのではないかと思うが、 そのデザイナーさんがこの方、深澤直人さん。 片付けが苦手でデザインも、決まった所に整理することができずに 苦肉の策としていうところの「すっきりした」デザインに偏りがちな私。 当然±シリーズは大注目で、加湿器や扇風機など、利用していました。 そのデザイナーさんが有名な人だってのはしっていた。 オンライン記事かなにかでちらっとインタビューを読み、注目はしていた。 古本屋でふと手にしてそのまま、はいお買い上げ。 なんだろうこの人は、つきつめるのが、いい。 そうしてデザインとどうように、非常にシンプルに単純にあらわす。 それがまた、とてもいい。 いくつか気に入ったフレーズを引用しながらご紹介すると: 「ものとその周りにある環境との関係が、そのものの輪郭を決めていく。 その輪郭を見いだすのがデザイナーの仕事であるとわかってきた。 その輪郭とそこに加わる双方向の力を見いだせば、 それによって表面の力が自然と規定されてゆく。 自然と張りが見えてくるということがわかってきた」 これは、深澤氏が、自分はいったい何を元にデザインを決めているのだろうか? と考え、「張り」という言葉を導きだし、しかしそれは実は表面からではなく、 内面によってこそいきてくるのである、そしてその内部は実は、 そのものと周りとの関係によってきまってゆくのであると。 雑談から端を発したこのロジックは「HARI」として受け容れられ、 社内のプレゼンから大学の講義、ひいてはデザイン会議で とりあげられるようになったという。 その突き詰めるパワーもすごいのだが、しかしその表現は、 あくまで平易で無駄がない。 まさに氏の作品そのものが溶けているかのようだ。 時間がない!という方はぜひ、そのタイトルだけでもご覧いただきたい。 いくつか私の好きな章を。好きな章はなべて、タイトルも美しい。 ・選択圧 ・行為に溶けるデザイン ・使っていなかった触覚 ・意図を消す ・感動の因子 ・短命なデザイン ・自分を決めない でも、最高に好きなのは実は、「ゆで卵」のエピソードだ。 これだけでも立ち読みでもいいから、読んでもらえたら。 きっと深澤氏のよさがわかるのではないだろうか。 わたしはどうも、「じゃ、ま、いっか」とすべてを端折る、通称「じゃまいか人」である。自分のその割り切りの良さは強みであると同時に、あたしという人間を平凡に落とす、おそろしい決め言葉でもある。 だからあたしは、不器用だとか要領が悪いといわれながらも、こだわり抜いて一見、融通の利かないような人が本当に好きだ。あたしが軽やかに生きるために捨て去ったその重たいなにかを引きずりながら、地面に着実にしるしを残している人をあたしは、美しいと思う。 よく究極に突き詰めると人は、同じものを見る、あるいは感じるという。例えば編集の松岡正剛氏が人生は編集だと言い、深澤氏はこの本の中でいみじくもどうように、デザインはすべての生き方に通じると言っている。絞り込んで妥協なく、突き詰めたものだけが目にするなにかを、二人とも目にしているに違いない。 あたしが便利と引き換えに捨ててきた、その人たちだけに許されたセンスで。
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内容とまったく関係ないですが、 本のサイズ感がすごくしっくりきます。 小説の単行本のサイズよりも気持ち小さめで、 手のひらの中にちょうどいい大きさと 重くもなく軽過ぎない質量のバランスがすごいいいなと思います。 TOTO出版の本が全てこの大きさで統一されているのか、 この本だけが...
内容とまったく関係ないですが、 本のサイズ感がすごくしっくりきます。 小説の単行本のサイズよりも気持ち小さめで、 手のひらの中にちょうどいい大きさと 重くもなく軽過ぎない質量のバランスがすごいいいなと思います。 TOTO出版の本が全てこの大きさで統一されているのか、 この本だけがそういう大きさにしているかはわからないですが、 とにかく持っていたくなる本です。 だから、読む前からすごくいいなと思ってしまいました。 とても素敵な本です。 深澤さんが手がけた製品がカラー写真で載っていて、 それがとても美しいです。 内容もとても好きです。 この方は日本的な考え方の人のようで、 デザインに対しても生活することに対しても日本的なことを重視している印象です。 寄り添うイメージでしょうか。 人々の暮らしに寄り添って、品のいいお節介をするために製品を作ってるのかな。 そうやって、人々の暮らしを丁寧に見ているから、 幸せってこういうことなんじゃないかなっていうのを発見したりもしている。 デザインのことだけでなく、そういう暮らしのことについても書かれている本です。
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気になりだしたのは無印良品の換気扇型CDプレイヤーから。 名前を知ったのはINFOBARやその前のAUの多面体ケータイから。 そして+-0。 こういうアプローチって、最近ふえてきてますね。 俳句や自然に共通する何かを伝えている。 目に見えない輪郭をビジュアル化するのが、デザイナ...
気になりだしたのは無印良品の換気扇型CDプレイヤーから。 名前を知ったのはINFOBARやその前のAUの多面体ケータイから。 そして+-0。 こういうアプローチって、最近ふえてきてますね。 俳句や自然に共通する何かを伝えている。 目に見えない輪郭をビジュアル化するのが、デザイナー。 自分から作り出すというより、環境から見付け出す。 夜の無数の星くずから星座の輪郭を見つけ出すように。 この本を読んだら、自分でもなんだか出来そうな気がしてきた。
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プロダクトデザイナー深澤直人のエッセイ。 深澤直人がデザインをしている中で、軸となっている考え方や感覚を、微妙なニュアンスで伝えてくれます。 例えば「美しい」とも「新しい」とも違う「張り」という感覚。若くても年を取っていても、ある特定の人からは「張り」を感じる。 またいちごの種...
プロダクトデザイナー深澤直人のエッセイ。 深澤直人がデザインをしている中で、軸となっている考え方や感覚を、微妙なニュアンスで伝えてくれます。 例えば「美しい」とも「新しい」とも違う「張り」という感覚。若くても年を取っていても、ある特定の人からは「張り」を感じる。 またいちごの種のくぼんでいる感じからおいしそうないちごを見分けられるのも、そこに「張り」があるからだ。 「張り」は内側と外側のバランスの中に生まれるものであって、これをデザインでどう表現するかが課題になっている。 そういうとてもリッチな感覚を翻訳してくれています。 作家ではないのに言葉にセンスを感じる。 クリエイティブな能力には似通うところがあるようです。
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