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水曜の朝、午前三時 の商品レビュー

3.4

192件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    63

  3. 3つ

    56

  4. 2つ

    24

  5. 1つ

    7

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2013/05/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

45才で亡くなった女性翻訳家が、亡くなる前に吹き込んだ4巻のテープを起こしたものだ。彼女の名は、四条直美。この内容は、昭和45年(1970年)夏の大阪万博や、直美の祖父がA級戦犯・・・戦争犯罪人であったこと、そのため祖母と毎年夏、靖国神社へ参拝に出かけたこと、この家柄のため直美が結婚できないと心配して早くから婿養子になってくれる許婚(いいなづけ)がいたこと、そして、直美の元彼は北朝鮮人だったことなど、歴史を知る事が出来た。

Posted byブクログ

2013/04/12

45歳の若さで逝った翻訳家で詩人の四条直美が、娘のために遺した4巻のテープ。そこに語られていたのは、大阪万博のホステスとして働いていた23歳の直美と、外交官としての将来を嘱望される理想の恋人・臼井礼との燃えるような恋物語だった。「もし、あのとき、あの人との人生を選んでいたら……」...

45歳の若さで逝った翻訳家で詩人の四条直美が、娘のために遺した4巻のテープ。そこに語られていたのは、大阪万博のホステスとして働いていた23歳の直美と、外交官としての将来を嘱望される理想の恋人・臼井礼との燃えるような恋物語だった。「もし、あのとき、あの人との人生を選んでいたら……」。失われたものはあまりにも大きい。愛のせつなさと歓びが心にしみるラブストーリー。

Posted byブクログ

2013/03/24

微妙です。 心に引っかかりそうで引っかからない・・。 そんな感じの小説でした。 実は大分と前に読んでいたけれど・・・ もう1度、今の自分の現状で読んでみよう・・ と思い、、、。 以下、本文より引用。 「迷った時は急がずに立ち止まりなさい。慌てたって、いいことは...

微妙です。 心に引っかかりそうで引っかからない・・。 そんな感じの小説でした。 実は大分と前に読んでいたけれど・・・ もう1度、今の自分の現状で読んでみよう・・ と思い、、、。 以下、本文より引用。 「迷った時は急がずに立ち止まりなさい。慌てたって、いいことは一つもありはしないのです。物事を理性的に、順序立てて考えるのは悪いことではないし・・・・・・・・・(省略) 何にもまして重要なのは内心の訴えなのです。あなたは何をしたいのか。何になりたいのか。どういう人間として、どんな人生を送りたいのか。それは一時的な気の迷いなのか、それともやむにやまれぬ本能の訴えなのか。耳を澄まして、じっと自分の声を聞くことです。歩き出すのは、それからでも遅くはないのだから。」 選択しなかったもう一つの人生を思いながらも 選択した人生を愛している直美に・・・。 きっとみんなそんなもんだろうな~。 そしてこの小説が切ないと感じるのは・・・ 1970年大阪万博の頃が舞台という点も大きく反映しているんだろう。

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2013/02/28

ノスタルジック。古き良き恋愛。現代の基準とは多少のズレはあるものの、潜在的な価値観によってどこか惹かれてしまうような魅力を持つ女性や男性が出てくる。特に臼井さんの独特な翳りのある雰囲気は、大人の男性を思わせ、身を委ねたいと思ってしまうと同時に、垣間見えるやわらかな表情に母性をくす...

ノスタルジック。古き良き恋愛。現代の基準とは多少のズレはあるものの、潜在的な価値観によってどこか惹かれてしまうような魅力を持つ女性や男性が出てくる。特に臼井さんの独特な翳りのある雰囲気は、大人の男性を思わせ、身を委ねたいと思ってしまうと同時に、垣間見えるやわらかな表情に母性をくすらぐられてしまうという純粋な魔性である。こういう男性はなかなかえがけない。ましてや、男性作家がえがいているとは考えられない。しかし、語り手である僕にこそ、蓮見圭一自身が反映されている。秘めたる羨望にも似た恋心は、きっと誰もが持つ、少年時代の秘密だ。 ストーリー自体はおそらく母親世代なら懐かしんで読めるであろう万博が中心であり、主人公の直美を若かりし自分の母親と思わず重ねてしまう。母親だって父親だって、今でこそ落ち着いてはいるものの、若き頃は情熱的な恋愛をしたのかもしれない。そんな複雑な気分になってしまうのは、今、読む人特有の現象だろう。古すぎない、絶妙な世代ズレが楽しめる作品である。

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2013/02/13

うーん。。。 私にはちょっとわかんなかったかなあ。 でも、『もしあの時こうしていたら…』みたいなことって誰にでもあると思う。 今でもまあまあ幸せだけど、もしあの時こうしていたら。 こういうのって考え始めたらきりがないのだろうけど、考えちゃうことが多いな。 直美さんは、ず...

うーん。。。 私にはちょっとわかんなかったかなあ。 でも、『もしあの時こうしていたら…』みたいなことって誰にでもあると思う。 今でもまあまあ幸せだけど、もしあの時こうしていたら。 こういうのって考え始めたらきりがないのだろうけど、考えちゃうことが多いな。 直美さんは、ずっとずっと心のどこかでこんなことを考えて生きていたんだなって思うと、胸が苦しくなります。

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2013/01/23

高度成長期、逆らえない風潮と世間体、そういう目に見えないものに胸を締め付けられる。例えその時代を生きていなくとも、今に。

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2012/12/21

古めかしいようでなんだか若い恋愛のお話。基本主人公の語りなので情熱が生に感じました。 万博のことは過去のことの世代なので、その一人の視点、しかも中からの視点が大筋とは別に面白かったです。

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2012/12/03

今年出会った、いや、これまで読んできた小説の中でも五本の指に入る名著だ。 舞台はわが故郷、千里ニュータウンの礎となった大阪万博。高度成長期の仕上げとして世界に披露されたその祭典で四条直美は恋をする。 そう書くとありがちな恋愛小説のようなのだが、時代は1970年である。旧態依然な...

今年出会った、いや、これまで読んできた小説の中でも五本の指に入る名著だ。 舞台はわが故郷、千里ニュータウンの礎となった大阪万博。高度成長期の仕上げとして世界に披露されたその祭典で四条直美は恋をする。 そう書くとありがちな恋愛小説のようなのだが、時代は1970年である。旧態依然な慣習が若者たちを束縛し、また自由にしていた。 直美の独白という形で物語は進んでいくが、母親として子供に遺すメッセージが、人生の重みというものをエッセンスとして加わっていく。 引用したい文章がとてもたくさんあり、何度も読み直したくなる作品である。とくに、テープの最後の部分、多くのレビューにも書かれているとおり、僕もまた強く胸を打たれたメッセージを引用しておきたい。 ”人生は宝探しなのです。嫌でも歩き出さなければならないのだし、それなら最初から宝探しだと割り切ったほうが楽しいに決まっているではないですが。そう、楽しめばいいのです。”

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2012/11/29

魅力的な女性の姿というのは、時代を超えて性別を問わずして人を引き付けていく。 人生において数々の選択があって、初めは些細な選択だったと思っていたものが後になって事の重大さを身に迫ってくることがある。 人との出会いというのは突然であって、また、出会ってから時間が経てからも関係性...

魅力的な女性の姿というのは、時代を超えて性別を問わずして人を引き付けていく。 人生において数々の選択があって、初めは些細な選択だったと思っていたものが後になって事の重大さを身に迫ってくることがある。 人との出会いというのは突然であって、また、出会ってから時間が経てからも関係性が変化することもしばしばあり、本当に生きていると何が起こるか分からない。 なんでこの人が好きなんだろう…人が人に惹かれるのに、理由はあまりなくて、でも、時代の偏見や価値観の形成において、自分の気持ちを裏切ってしまうこともある。

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2012/11/27

万博……当時テレビでは朝から晩まで、♪三波春夫でございます。♪1970年のこんにちは♪が流れていたし、太陽の塔の完成状況が逐一放送されたり、開会後はどこどこのパビリオンの入場者数が凄い、どこどこのパビリオンは比較的空いてる…とかいう情報がニュースで流されたり、岡本太郎がクローズア...

万博……当時テレビでは朝から晩まで、♪三波春夫でございます。♪1970年のこんにちは♪が流れていたし、太陽の塔の完成状況が逐一放送されたり、開会後はどこどこのパビリオンの入場者数が凄い、どこどこのパビリオンは比較的空いてる…とかいう情報がニュースで流されたり、岡本太郎がクローズアップされ、芸術は爆発だ!なんて目をむいて言っていたし、日本中が浮かれていて、今よりは社会全体が上向き調子で元気だったような印象がある。その懐かしさは横に置いておいて。 そもそも恋愛小説は苦手だから、どうしても批判的にしか読めない。恋愛に関しては、絶対、小説より事実がドラマチックだと思うし、何より、何故男性が女性を主人公にして恋愛小説を書くのだろう。男性に女性の真情などわかるはずがないのに。書き手の男性がこうあって欲しいと思う女性像がそこにあるだけなのに。 文体は綺麗だと思う。人種問題の提起でもなさそうで、何を書きたいのかよくわからない。 サイモンとガーファンクルの曲から題名がとられている、というのは知らなかった。解説の音楽の情報も込みで、読み終えた自分に満足。

Posted byブクログ