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アースダイバー の商品レビュー

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99件のお客様レビュー

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2024/07/03

中沢新一(1950年~)氏は、山梨市生まれ、東大文学部宗教史学科卒、同大学院人文科学研究科博士課程満期退学、東京外大アジア・アフリカ言語文化研究所助手、国際日本文化研究センター研究員、中大総合政策学部教授、多摩美大美術学部教授兼同大芸術人類学研究所所長、明大特任教授兼同大野生の科...

中沢新一(1950年~)氏は、山梨市生まれ、東大文学部宗教史学科卒、同大学院人文科学研究科博士課程満期退学、東京外大アジア・アフリカ言語文化研究所助手、国際日本文化研究センター研究員、中大総合政策学部教授、多摩美大美術学部教授兼同大芸術人類学研究所所長、明大特任教授兼同大野生の科学研究所所長等を経て、千葉工大日本文化再生研究センター所長、京大こころの未来研究センター特任教授、秋田公立美術大学客員教授。大学院在学中のネパールでのチベット密教の修行をもとに書いた『チベットのモーツァルト』(1983年/サントリー学芸賞受賞)は、浅田彰の『構造と力』とともに、人文書としては異例のベストセラーとなり、「ニュー・アカデミズムの旗手」とされ、その後も領域横断的な活動を続けている。 本書は、縄文時代の東京の地形図をもとに、現在の東京の自然的・文化的景観がどのように形作られてきたのかを考察したもので、初出は「週刊現代」の2004年1月~2005年2月の連載で、2005年に出版され、桑原武夫文藝賞を受賞した。更に、『大阪アースダイバー』、『アースダイバー 東京の聖地』等が出版されている。 私は、本書を出版当初から新刊書店で見てはいたが、今般たまたま新古書店で入手し、読んでみた。 ページをめくり始めてまず頭に浮かんだのはNHK番組の「ブラタモリ」なのだが、それは当然のことで、ネットで調べると、昨今の地形ブームの端緒はそもそも本書なのである(本書は2005年出版、プラタモリは2008年から放映)。今や、(過去を含む)地形、歴史、現在の景観等を結び付けて考える思考パターンは、素人の我々にさえ身に付き、そういう意味では、「ブラタモリ」も、その先駆けとなった本書も、その意義は非常に大きかったと思う。 そして、本書のようなことを発想し、一つの形とすることができたのは、中沢氏が常に、特定の学問領域に留まることなく、考古学、歴史学、神話学、人類学、民俗学から、都市学、建築学、サブカルまでをカバーし、幅広い領域横断的な研究活動を続けてきたことによるのだろう。(一方で、専門の学者からは、科学的に厳密ではないとの批判もあるのだそうだ) 尚、前半では、縄文時代は海岸で、洪積層(堅い土でできている地層)と沖積層(砂地の多い地層)のぶつかる、新宿~四谷、渋谷~明治神宮、東京タワー付近、麻布~赤坂、三田、早稲田、青山等が、後半では、当時は海の底にあった、銀座~新橋、浅草~上野~秋葉原、隅田川東の下町、更には皇居が取り上げられている。 地形ブーム・新しい街歩き論の嚆矢として、一読の意味はある一冊と思う。 (2024年7月了)

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2024/01/28

オカルトもあるし、 なんか成人雑誌のコラムみたいではある。 でもその不可解さが少しゾクゾクさせる。 エンタメ地理としておもしろい。

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2022/05/29

この本の内容を知っていると、都心の散歩が楽しくなる。数千年前に住んでた人もこの坂を上っていたのかな、など。

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2022/02/18

まるで、ダイバーが海面から海へとダイブするかのごとく、東京という都市を現在から、縄文時代までの歴史にダイブし、また浮かび上がった時に見える景色を見せてくれる本だった。 縄文時代の地形と、御先祖様が構築してきた文化・風習の痕跡から、現在の佇まいを眺めるといろんなものが見えてくる。摩...

まるで、ダイバーが海面から海へとダイブするかのごとく、東京という都市を現在から、縄文時代までの歴史にダイブし、また浮かび上がった時に見える景色を見せてくれる本だった。 縄文時代の地形と、御先祖様が構築してきた文化・風習の痕跡から、現在の佇まいを眺めるといろんなものが見えてくる。摩訶不思議な東京散歩ガイドブック。 神話から脈々と連なる神社仏閣があり、お祭りも土地の歴史を語り注がれたもの。 縄文時代の地形地図も折り込みされている。東京駅も海の下だったことがわかる。 見えないものが見えちゃう人の感覚って、土地の歴史を嗅ぎ取る能力が鋭いということなのかもしれないなぁ。 いやぁ 面白かった。

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2021/12/14

図書館で借りた本。 谷と台地、坂道、お参りの場所。すごく面白い、興味深い。このタイミングで読むべきだった。大阪も読まねば。

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2020/06/02

中沢新一 アースダイバー 現代の東京に 縄文時代の地形図をトレースして、東京の精神地層を探ろうとした本。 著者がアースダイバーとなり、東京にある 時間の作用を受けない 「無の場所」を探検 東京の野生を見た感じ。精神文化都市としての東京は、外国人に媚を売る観光都市より、ずっと...

中沢新一 アースダイバー 現代の東京に 縄文時代の地形図をトレースして、東京の精神地層を探ろうとした本。 著者がアースダイバーとなり、東京にある 時間の作用を受けない 「無の場所」を探検 東京の野生を見た感じ。精神文化都市としての東京は、外国人に媚を売る観光都市より、ずっと魅力的に感じた 無の場所 *夢と現実、過去と現在 が同じ空間にあり、自由に行き来できる *人間の心の原像が存在〜心の原像は泥のようにグニャグニャで形が定まらない、もう一度コネ直せるもの 東京の精神地層 *死と関係するところが多い〜生命は死に触れているからこそ豊かである *江戸の精神マップの中心は富士山〜死と再生の聖なる山 日本の橋は 端(はし) この世とあの世の境界にかけられたエッジ サッ、崎 がつく地名は境界

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2020/05/11

東京在住者は読んでみよう。 こういうエッセイはいいね! 学術的には色々あるのかもしれないけど、新しい物の見方を与えてもらうのはこれぐらいの軽さが丁度いい。週刊誌っていう媒体が絶妙に良い仕事をしたんだと思う。

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2019/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なかなかおもしろい本。縄文時代の地図に、東京の歴史を重ねている。 ただ、地図は海と川を区別していない。だから、フィヨルド(入江)と表現している部分は、本当にそうなのかわからない。 むしろ、渓谷なのではないか。湿地で有ることには変わらないが。

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2019/03/17

Twitterでフォローをしている石井ゆかりさんが、面白い。と、呟いていたので、試しに図書館で借りてみた。 面白かった! 現代の東京都の地図に、縄文時代の地図を重ね合わせる。 そこには、複雑なフィヨルド状の入り組んだ海岸線、陸地群が見えてくる。 そこに、古墳、寺社のある場所を重...

Twitterでフォローをしている石井ゆかりさんが、面白い。と、呟いていたので、試しに図書館で借りてみた。 面白かった! 現代の東京都の地図に、縄文時代の地図を重ね合わせる。 そこには、複雑なフィヨルド状の入り組んだ海岸線、陸地群が見えてくる。 そこに、古墳、寺社のある場所を重ねる。 すると、縄文時代に岬であった場所、海岸線に沿った場所に、寺社や古墳が点在している。 縄文時代の人々は、そのような場所に霊性を感じていた。 そして、今も、その場所には霊性がある。 東京都に住んでいる自分にとって身近な地域名がたくさんでてくるので、ワクワクしながら読んでいた。 そして、「たしかに!!あそこに古墳がある!神社がある!」「へー。。あの高台は古墳だったのか!!」と、いちいち興奮しながら読んでいた。 新宿、渋谷、六本木、浅草では、エロチシズムに関して、書かれていたが、少し強引かな?と思う点があったけれど、まあ、たしかに、湿地がジメジメしたところだから、水商売とも俗に言われるものたちが広がるのも納得しないわけではない。 読み終わって漠然と感じたのは、結局、今も昔も人間は、死、性に対して特別なものを無意識に感じているのだろうなと。

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2019/03/10

中古で再入手して、館山で再読した。 関東に来てからだいぶん土地勘ができてきてはいるけれど、土地そのものに対してはまだあまり知らない。 今の地図と縄文地図を重ね合わせると、今の神社や寺は岬の突端に位置して古代人(縄文人 )の遺跡や聖なる土地だったり、渋谷や東京タワーが墓場や死に...

中古で再入手して、館山で再読した。 関東に来てからだいぶん土地勘ができてきてはいるけれど、土地そのものに対してはまだあまり知らない。 今の地図と縄文地図を重ね合わせると、今の神社や寺は岬の突端に位置して古代人(縄文人 )の遺跡や聖なる土地だったり、渋谷や東京タワーが墓場や死にまつわる土地だったり、 新宿版ロムルスとレムスの話だったり、今も古代からの土地の記憶がそのまま継承されているという考察(妄想かもしれない )が中沢新一特有の湿っぽい文章で綴られています。 個人的には西日本版の、大阪アースダイバーの方が面白かったか。やはりよく知ってる土地だから。 ゆっくり都内とか歩いてみたいとは思うけど、尋常じゃない人の多さ(狂ってる)に腰が引けています。

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