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アースダイバー の商品レビュー

4

99件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

    38

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    1

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2012/02/10

数年前の読みかけの積読状態をなくそう、と。 基本おもしろいんだけどやっぱりところどころだらけてしまうのはなんでなんだろ。 また時間がたって、気が向いたら読もう。 そして暖かくなったらつりぼりに行こう。

Posted byブクログ

2011/12/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

感想をまとめられないので、心に響いた言葉を。 私たちの世界では、世界を創造した神様も動物も、みんな自分の手を汚し、体中ずぶぬれになって、ようやくこの世界をつくりあげたのだ。…からだごと宇宙の底に潜っていき、そこでつかんだなにかとても大切なものを材料にして、粘土をこねるようにしてこの世界をつくるという、かっこうの悪いやり方を選んだのが、私たちの世界だった。(p.10) 東京を歩いていて、ふとあたりの様子が変だなと感じたら、十中八九そのあたりはかつて洪積層と沖積層のはざまにあった地形だということがわかる。そのあたりはかならず特有の雰囲気をかもし出している。(p.15) 神につながる要素(乾いた面)と物質や肉体につながる要素(湿った面)とが、ひとつに結合しているのである。(p.48) ほかのどの都市を散歩するよりも、ぼくには東京の散歩が興味深く感じられたのだが、…ひょっとしたら東京という都市の魅惑は、ほかの大都市ではすでに完全に見えなくなってしまっている人間の精神層が、なにかの理由で地表近いところにむきだしになっていて、そのためにいわば「野生の思考」と資本主義的な「現代の思考」とがひとつのループ状に結び合って、東京の興味深い景観をつくりなしているのではないか、と思いいたったのである。(p.242)

Posted byブクログ

2011/11/26

縄文時代の東京の古地図から、現代の東京を読み解く。 1万年の時間を経て残る土地の記憶。 堆積した歴史の必然が現在の東京の、 新宿の銀座の日暮里の芝浦の四谷の赤坂の浅草の 街の、土地の記憶を、匂いを、情景を形作ってきたのだ。 東京の土地の奥深くに眠る、仄暗い時の記憶を、 &qu...

縄文時代の東京の古地図から、現代の東京を読み解く。 1万年の時間を経て残る土地の記憶。 堆積した歴史の必然が現在の東京の、 新宿の銀座の日暮里の芝浦の四谷の赤坂の浅草の 街の、土地の記憶を、匂いを、情景を形作ってきたのだ。 東京の土地の奥深くに眠る、仄暗い時の記憶を、 "アースダイブ"して掘り起こす、時間と土地の記憶を辿る旅行記。

Posted byブクログ

2011/10/04

 東京は一見、超合理的あるいは意識的な都市空間であるように思う。しかし少し思考と感覚の井戸を掘りおこすと、すなわちアースダイブしてみるとその無意識下には、縄文人が設置したドリームタイム空間の名残が連綿と今日まで存在していることがわかる。東京のいたるところにアージル的空間が残されて...

 東京は一見、超合理的あるいは意識的な都市空間であるように思う。しかし少し思考と感覚の井戸を掘りおこすと、すなわちアースダイブしてみるとその無意識下には、縄文人が設置したドリームタイム空間の名残が連綿と今日まで存在していることがわかる。東京のいたるところにアージル的空間が残されていているのだ。 「ぼくはいまこそ、夢想が目に見える現実と混ざっている地点にいるのだ。 もはやここいは、ぼくのための場所しかない。理性がぼくの官能の独裁を告発しても無駄だし、誤謬を警戒させようとしても無駄である。誤謬こそ女王なのだ。おはいりくだされ、女王さま、これがぼくのからだ、これがあなたの王座です。ぼくは、ぼくの熱狂を愛らしい馬のように愛撫する。人間の誤れる二重性よ、きみの虚妄のついてしばらく夢想させてくれ」『パリの農夫』  無意識の思考へダイブするというのは、時に慄然とした、それでいて、甘美な感情を私たちに思い起こさせる。

Posted byブクログ

2011/09/13

よい地盤にはよい建物が建つとどこかで聞いたことがあったのだが,それだけだはなく,その地盤の歴史的な背景(地霊とでもいうのかな)が絡んでくるという示唆は非常に興味深かった。

Posted byブクログ

2011/09/07

縄文時代の地図を片手に東京の街を歩き、感じたことについて書かれたエッセイ。 縄文時代の丘と海の境目と、現在の東京のランドマークたちの一致から始まる考察。 東京在住の方なら読んで歩いてニ倍楽しめる筈。

Posted byブクログ

2011/07/25

沖積層と洪積層の差異は地理マニアにとっては有名なところで、ひそやかな楽しみであったのに、それをあっさり他分野の人にばらされてしまった。 しかし、うまいなあ。わざとやっているんだろうけど、東京をとてもエロチックに描いています。 ただ、銀座の広告で思ったけど、前世紀的な都市論の残滓...

沖積層と洪積層の差異は地理マニアにとっては有名なところで、ひそやかな楽しみであったのに、それをあっさり他分野の人にばらされてしまった。 しかし、うまいなあ。わざとやっているんだろうけど、東京をとてもエロチックに描いています。 ただ、銀座の広告で思ったけど、前世紀的な都市論の残滓があるようでもある。資本主義とニューアカが野合した80年代的な都市論。全体的にそこから脱していたのは、歌舞伎町の分析というか、縄文地図のアプローチから明らかだったのに、気を抜いたら80年代的な印象論になってしまう。

Posted byブクログ

2011/06/04

知的興奮を掻き立てられる著作である。 いま眼の前にある風景が、縄文時代はどんな佇まいをしていたのかということを想像するだけでも楽しいのに、その風景の中にある寺社の位置付けを知ることで、それが周辺の文化にも大きな影響を及ぼしていたということへの新鮮な驚き。 地誌学的にはいろいろな解...

知的興奮を掻き立てられる著作である。 いま眼の前にある風景が、縄文時代はどんな佇まいをしていたのかということを想像するだけでも楽しいのに、その風景の中にある寺社の位置付けを知ることで、それが周辺の文化にも大きな影響を及ぼしていたということへの新鮮な驚き。 地誌学的にはいろいろな解釈が試みられると思うが、そんな解釈にとらわれない自由な発想の豊かさを感受できる一冊。

Posted byブクログ

2011/04/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ようやく読了しました。縄文時代の地図と現代の地図を重ね合わせて東京の土地性を分析するという話なんだけど、面白かったです。洪積層と沖積層の語る東京……!土地に興味があって東京を歩いたことがある人ならかなり楽しく読めると思います。なにより導入がうまい……そんな上手く繋がるのか!という多少劇的すぎるきらいのあるくらいの素晴らしい導入でした(どこ褒めてんだか)ま、でもそれはさておき私が住む場所を探すときにぼんやり持っていたイメージというのが間違っていなかったな、と安心できた本でもあります。 この本が語るのは渋谷の成り立ちや皇居の意味や乾いた土地湿った土地のこと、場所の持つ特性。現在の時間が軽く四千年前と重なる都市というのはなかなかないわけです。聖書の時代の遺跡なんか軽く凌駕する時間を超えた『東京』の成り立ちの不思議。西洋の都市とはまるで違う、私たちを包み込み時間を超えて私たちを動かす場所のエネルギー。惜しむらくは中沢氏が推測の域を出ないファンタジーの香りのしてしまう結論を安易に口にしているところでしょうか。それを云ってしまうせいで現実感がやや遠ざかり、マンガの書き割りのようなスケールが出現してしまうのだけれど、それでもこの場所の物語は私たちがいま日々話し笑い泣き歩き生きている『東京』自身だということがやはりなにより面白い。機会があったら、ぜひ。 (べつのブログに書いておいたの転載)

Posted byブクログ

2011/04/03

縄文時代の地形から東京がどのようにできたのかという考えかたは面白い。神社がなんであんなたくさんあるのか?という疑問に対してひとつの回答があったのが新鮮。 途中からかなり怪しいワールド満載になってますが、嫌いじゃないです。東京の街を知る一冊としてオススメ。

Posted byブクログ