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科学哲学の冒険 の商品レビュー

3.9

49件のお客様レビュー

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2012/02/11

科学哲学の入門書.著者によれば背伸びした高校生から大学1,2年生くらいを対象に書いたらしい. 第I部の科学哲学の基礎概念の部分は,ちょっと前に読んだ「科学的思考」のレッスン」と重なる部分もあって,ふむふむと読み進めていったのだが,著者が一番力をいれて書いている科学的実在論をめぐる...

科学哲学の入門書.著者によれば背伸びした高校生から大学1,2年生くらいを対象に書いたらしい. 第I部の科学哲学の基礎概念の部分は,ちょっと前に読んだ「科学的思考」のレッスン」と重なる部分もあって,ふむふむと読み進めていったのだが,著者が一番力をいれて書いている科学的実在論をめぐる議論を扱った第II部,第III部が私にはとても退屈だった. 理由を考えてみると,まず第一は,当たり前なんだろうが,科学哲学が科学ではなくて哲学であること.私は抽象的な哲学的議論がとても苦手(そういう意味では大学1,2年生以下なのだろう).もう一つは,科学哲学と科学自身の距離があまりにも遠くに感じてしまうこと,ここに出てくる議論のほとんどは哲学者には大問題でも科学者にとってはほとんど気にもならない問題なのではないかな.そして哲学者が科学者を誤解している部分もあるのではないか.たぶん,科学者は素粒子というような一見抽象的な対象を扱っていても,その科学者の中では非常に具体的で手触りのあるものに感じているに違いない.そうでなければ,自然の本質を踏み外さない研究は難しいのではないか.そうなると「電子の実在性」なんてことを議論されても,なんだかまったく別世界の物事のように感じられてしまう. というわけで,学問の意義は認めつつも,私との距離は遠いし,それが近づくこともなかった.哲学好きの人はどうぞ.

Posted byブクログ

2011/10/05

おもしろいく読めますし,哲学の本の中ではかなり実用的な本だと思います. ロジカルシンキング本を読むと,演繹について書かれたものは多いですが,帰納について書かれてるものはあまりないですよね.論理を学ぶなら帰納と演繹両方学ばなきゃ意味がないように思いますが,帰納法についてちゃんと扱っ...

おもしろいく読めますし,哲学の本の中ではかなり実用的な本だと思います. ロジカルシンキング本を読むと,演繹について書かれたものは多いですが,帰納について書かれてるものはあまりないですよね.論理を学ぶなら帰納と演繹両方学ばなきゃ意味がないように思いますが,帰納法についてちゃんと扱ってるものって少ないですしね. あ,内容もいま読むのにはいいんじゃないですかね.

Posted byブクログ

2011/07/29

科学とは何なのか、科学が世界の真実に近づくための手段として本当に信じることが出来るのものなのか、という問いに関する入門書。面白かった!

Posted byブクログ

2011/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『哲学者はなんでこんなに対話篇が好きなんだろうか。 という理由はまぁだいたい想像がつくけど、これもご多分にもれず対話形式をとっています。 センセーとリカちゃんとテツオくんだったかな、彼ら3人の哲学オタクの会話から、科学哲学が楽しく学べます、そんなコンセプトの本。 疑似科学について知りたくて借りたんだけど、この本からは「科学には実証可能なものが多く、疑似科学には実証不可能なものが多い」という程度のことしかわからなかった。 それから、科学哲学を専攻している友達に言ったら殺されそうになったが、こんなもん考えるくらいだったらもうちょいましなこと考えろよ、というのが正直な感想。 ロジカル・シンキングの訓練としては面白いが、おそらく実際的な意味はほぼ皆無。 ま、話のタネにはなったからそーでもないか。 あと、貸してくれた友達いわく、「後半は誤解を招きかねない記述が多いから(シロウトは)読まなくていい」らしいです。 (参考:http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/~tiseda/works/adventure.html)』

Posted byブクログ

2011/05/28

久しく科学哲学の本を読んでいなかったので、科学哲学の最近の話題が理解できて非常にためになりました。3人の登場人物の対話形式で書かれているので、読みやすそうですが、内容が濃いので意外と読破するのには手こずりました。

Posted byブクログ

2011/04/19

教授と男女2人学生(文系と理系)による対話形式で科学哲学(科学の究極の目的とは何か)を紹介します。科学的実在論を擁護するのが著者の立場だそうです。私はどちらかというと科学者なので著者の立場に共感を覚えます。本書が扱っている内容については途切れ途切れの(ホパーとかクーンとか)僅かな...

教授と男女2人学生(文系と理系)による対話形式で科学哲学(科学の究極の目的とは何か)を紹介します。科学的実在論を擁護するのが著者の立場だそうです。私はどちらかというと科学者なので著者の立場に共感を覚えます。本書が扱っている内容については途切れ途切れの(ホパーとかクーンとか)僅かな知識しかなかったのですが、本書によっていろいろ見えてき考えがすっきり感じがしました。 対話形式なんでもう少し議論を白熱させて方がよいのではと言っている人もいるようみたいですが、私的には分かりやすくてよかったです。

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2016/09/08

科学と哲学。 これらは理解し合えないものなのでしょうか。 そんなことはないと信じたい人が読むべき一冊です。 もはや科学は哲学の土台から独立した学問です。 しかし、哲学も科学も基本的な成り立ちは同じであり目的も似ている。 したがって、いがみ合うべきではなく協力し合うべきも...

科学と哲学。 これらは理解し合えないものなのでしょうか。 そんなことはないと信じたい人が読むべき一冊です。 もはや科学は哲学の土台から独立した学問です。 しかし、哲学も科学も基本的な成り立ちは同じであり目的も似ている。 したがって、いがみ合うべきではなく協力し合うべきものだと考えています。 “科学哲学”というどっち付かずのような学問について会話形式で綴られる一冊。 少々難しい部分もありますが、おすすめです。 又、最後のストーリーの締めくくりが素敵ですよ。

Posted byブクログ

2010/09/23

なぜこのほんを手に取ったか 大学、大学院で勉強や研究をするときにできるだけ、「科学的な」手法で対象を扱うように教えられる。科学的とは何だろう。文系の学問はその扱う対象が、自然の法則に完全に従うわけではない事象や、法則では一見コントロールできない人間の文化現象であるわけだから、そ...

なぜこのほんを手に取ったか 大学、大学院で勉強や研究をするときにできるだけ、「科学的な」手法で対象を扱うように教えられる。科学的とは何だろう。文系の学問はその扱う対象が、自然の法則に完全に従うわけではない事象や、法則では一見コントロールできない人間の文化現象であるわけだから、そうしたフィールドでどのように科学的であろうとしたらよいのだろうか。いや、そもそも科学とは何なんだろう。そんな疑問からネットを調べていたら、紹介されていたのが「科学哲学」。文字どおり科学自身を哲学する。科学の目的は、何を扱うのか。なにをいえれば科学的なのか。そんなことはデカルトとかアリストテレスらのギリシャ時代からいわれてきたのだろうけど、それは文系理系という区別があいまいだった(なかった)時代にしか通用しない考えだったのではないか。でも、いまはまた分離融合の学際分野もあり得るしとかとか考えるとよくわかんなくなった。 というわけで、いまから読みます。よんだらまたかきます。

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2010/09/07

対話篇。科学的実在論の立場から書かれた、科学哲学のよい入門書。類書にくらべて、科学的説明にかんする記述が詳しい。小説のような結びには、科学と哲学にたいする著者の思いがにじむ。

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2010/06/04

[ 内容 ] 「法則」や「理論」の本当の意味って知ってる? 「科学的な説明」って何をすること? 「科学」という複雑な営みはそもそも何のためにある? 素朴な疑問を哲学的に考察し、科学の意義とさらなる可能性を対話形式で軽やかに説く。 科学の真理は社会的構成物だとする相対主義に抗し、世...

[ 内容 ] 「法則」や「理論」の本当の意味って知ってる? 「科学的な説明」って何をすること? 「科学」という複雑な営みはそもそも何のためにある? 素朴な疑問を哲学的に考察し、科学の意義とさらなる可能性を対話形式で軽やかに説く。 科学の真理は社会的構成物だとする相対主義に抗し、世界は科学によって正確に捉えられるという直観を擁護。 基礎から今いちばんホットな話題までを網羅した、科学哲学入門の決定版。 [ 目次 ] 1 科学哲学をはじめよう―理系と文系をつなぐ視点(科学哲学って何?それは何のためにあるの? まずは、科学の方法について考えてみよう ヒュームの呪い―帰納と法則についての悩ましい問題 科学的説明って何をすること?) 2 「電子は実在する」って言うのがこんなにも難しいとは―科学的実在論をめぐる果てしなき戦い(強敵登場!―反実在論と社会構成主義 科学的実在論vs.反実在論) 3 それでも科学は実在を捉えている―世界をまるごと理解するために(理論の実在論と対象の実在論を区別しよう そもそも、科学理論って何なのさ 自然主義の方へ) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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