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破戒 の商品レビュー

4.2

198件のお客様レビュー

  1. 5つ

    66

  2. 4つ

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  3. 3つ

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自然主義文学を確立し…

自然主義文学を確立した作品であると同時に島崎藤村の代表的作品。被差別部落出身者である主人公の葛藤と、悩んだ末の「告白」が胸を打つ。

文庫OFF

いわれなき差別で懊悩…

いわれなき差別で懊悩する主人公に暗澹たる気持ちになりました。

文庫OFF

主人公の葛藤や、今も…

主人公の葛藤や、今も昔もある意味では変わらない「世間」というものが丹念に描かれており、「社会問題とか苦手…」な私でも一気に読めました。ただ、感動作品と聞いていたわりには、そうでもなく、結末には首をひねります。巻末の「解説」と「破戒と差別問題」と題した文章は勉強になったので、新潮文...

主人公の葛藤や、今も昔もある意味では変わらない「世間」というものが丹念に描かれており、「社会問題とか苦手…」な私でも一気に読めました。ただ、感動作品と聞いていたわりには、そうでもなく、結末には首をひねります。巻末の「解説」と「破戒と差別問題」と題した文章は勉強になったので、新潮文庫がオススメですね。

文庫OFF

2024/08/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

丑松が自分の出自を告白した後の展開が気になって読んでみました。 まさか宿屋から放逐された大日向が最後に丑松に絡んでくるとは思っていなかった。 最後の展開も、身分に関わらず慕ってくれる丑松の生徒やお志保、身分が穢多であれ友達思いの銀之助たちのお陰で、丑松が報われていて良かった。

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2024/07/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

丑松の苦悩と葛藤が伝わり今まで読んだ本の中で1番、一度本を読む手を止めて考えたり、悩んだりする時間が多かった。 丑松が生徒や銀之助に自分の身分を打ち明ける場面は彼の覚悟が伝わりとても心に響いた。 最後はうまい事いきすぎている気もするけど、個人的にはそれくらい報われてもいい程丑松は思い悩んで苦しんできたので、丑松良かったね!!って感じでした。 日本の歴史をまた差別について知る上でも、人生で一度は読むべき一冊だと思う。

Posted byブクログ

2024/07/09

著者、島崎藤村、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 島崎 藤村(しまざき とうそん、1872年3月25日(明治5年2月17日) - 1943年(昭和18年)8月22日)は、日本における詩人又は小説家である。本名は島崎 春樹(しまざき はるき)。信州...

著者、島崎藤村、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 島崎 藤村(しまざき とうそん、1872年3月25日(明治5年2月17日) - 1943年(昭和18年)8月22日)は、日本における詩人又は小説家である。本名は島崎 春樹(しまざき はるき)。信州木曾の中山道馬籠(現在の岐阜県中津川市馬籠)生まれ。帝国芸術院会員。 ---引用終了 本作が刊行されたのは1906年。 同年に漱石の『草枕』が刊行されています。 そこで、生年没年の確認。 島崎藤村(1872~1943) 夏目漱石(1867~1916) そして、本作の書き出しは、次のとおり。 ---引用開始 蓮華寺では下宿を兼ねた。瀬川丑松が急に転宿を思い立って、借りることにした部屋というのは、その蔵裏つづきにある二階の角のところ。寺は信州下水内郡飯山町二十何ヵ寺の一つ、真宗に附属する古刹で、丁度その二階の窓に倚凭って眺めると、銀杏の大木を経てて飯山の町の一部分も見える。 ---引用終了 それから、本作は数回映画化されているので、公開年と主演(瀬川丑松)を少々見ておきます。 1948年 池部良(1918~2010) 1962年 市川雷蔵(1931~1969) 2022年 間宮祥太朗(1993~)

Posted byブクログ

2024/07/04

被差別部落問題の本は、他に“橋のない川”を読んだことがある。それとは違いこちらは、当事者の丑松のカミングアウトまでの長い長い心のうちをあの手この手で描いている。

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2024/09/08

主人公の行く末が大胆に感じて笑っちゃった。当時は普通だったのかな。 みんなに「新平民だけど、でもあの人は」みたいな言われ方をしてて、生まれでなく個人として評価されてることは良かったと思うけど、新平民そのものに対してはまだ偏見があるって感じがするから、やっぱりそこを拭い去るのは難し...

主人公の行く末が大胆に感じて笑っちゃった。当時は普通だったのかな。 みんなに「新平民だけど、でもあの人は」みたいな言われ方をしてて、生まれでなく個人として評価されてることは良かったと思うけど、新平民そのものに対してはまだ偏見があるって感じがするから、やっぱりそこを拭い去るのは難しいんだね〜〜〜

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2024/05/13

まず述べておきたいのは、本作は解説を含めて読むことで当時の時代背景や差別の実態を把握しなければ、真に理解することはできないという点である。 本作は被差別部落出身者である主人公が素性を隠して教員として勤務するが、尊敬する同じ被差別部落出身の思想家の横死を経て、父から与えられた素性を...

まず述べておきたいのは、本作は解説を含めて読むことで当時の時代背景や差別の実態を把握しなければ、真に理解することはできないという点である。 本作は被差別部落出身者である主人公が素性を隠して教員として勤務するが、尊敬する同じ被差別部落出身の思想家の横死を経て、父から与えられた素性を明らかにするなという戒めを破るまでの葛藤を描いた物語である。 解説にも指摘されているように、本作は藤村の差別意識が無意識に表出している部分もあり、また結末も差別からのある種の逃避になっているため、社会派的小説としては極めて不完全ではあるものの、逆にそのこと事態が思想的な理想を描いた空虚な小説ではなく、ヒューマンドラマとしての凄みを付与しているように思える。

Posted byブクログ

2024/05/10

ほぼ裏表紙の説明通りではあったが、穢多であることを隠しながら生活していた丑松に関する物語。 新平民という言葉はあれだ、実態はまたまだ差別が当たり前のように存在した日本が描かれており、当時の状況が垣間見える作品。 文章自体は現代のものに慣れていると読みにくさはあるし、いろいろ保管し...

ほぼ裏表紙の説明通りではあったが、穢多であることを隠しながら生活していた丑松に関する物語。 新平民という言葉はあれだ、実態はまたまだ差別が当たり前のように存在した日本が描かれており、当時の状況が垣間見える作品。 文章自体は現代のものに慣れていると読みにくさはあるし、いろいろ保管しながらでないと理解が難しいところもあるが、ゆっくり時間をかけてでも読んでおきたい作品だと感じた。 先日読んだ蟹工船と合わせ、日本の歴史を学びたいと感じる一冊。

Posted byブクログ