項羽と劉邦(中) の商品レビュー
上巻から変わって、かなり劉邦寄りに、かなりの頭脳戦になってきた中巻。 陳平の策がどうなるのか気になって、章が変わるページまで読み飛ばしてやろうか、と思ってしまったけれど、我慢してゆっくり読むことで人物像や范増や鍾離昩、竜且に周殷の不遇、楚の名を重んじる慣習などが伝わった。 2人と...
上巻から変わって、かなり劉邦寄りに、かなりの頭脳戦になってきた中巻。 陳平の策がどうなるのか気になって、章が変わるページまで読み飛ばしてやろうか、と思ってしまったけれど、我慢してゆっくり読むことで人物像や范増や鍾離昩、竜且に周殷の不遇、楚の名を重んじる慣習などが伝わった。 2人と劉邦の子供たち、家臣たちがどうなるか(世界史で習ったはずだけど)ネットで調べたいけれど、もったいないような気がして、下巻を読みすすめている。
Posted by
「それらの一人が、この紀信という無名の下士の陰口について劉邦の耳に入れ、それについて劉邦が関心を示したということをきいたとき、紀信はあやうく昏倒しそうになった。」 関中は落ちた。その門を閉ざした劉邦に怒る項羽。和解の後に行われた漢軍の東進。またもや追い込む楚軍。漢軍には韓信、陳...
「それらの一人が、この紀信という無名の下士の陰口について劉邦の耳に入れ、それについて劉邦が関心を示したということをきいたとき、紀信はあやうく昏倒しそうになった。」 関中は落ちた。その門を閉ざした劉邦に怒る項羽。和解の後に行われた漢軍の東進。またもや追い込む楚軍。漢軍には韓信、陳平が参入し、楚軍からは蕭何が脱退。潰走した漢軍の進む先は勝利か敗北か。 最後の紀信の話がとても好き。鬱屈し、現世を批判的にしか見る事ができない男が、最後に誇りに思う者を見つけた。そして、彼らの友も気づかぬうちに紀信の影響を受け、まっすぐに生を終えた。
Posted by
項羽と劉邦の攻防戦が長引き 劉邦が籠もっていた榮陽城を逃げ出すまで。 陳平の奇策や紀信の最期が凄まじい。 下巻に続く。
Posted by
項伯と張良の関係やさまざま登場する「士」の生きざまなど、司馬さんの解説に助けていただきながら読み進めていく……。 わかった気になっているだけなのか、しかしそうだとしても、彼らには本当にすばらしい。 よくもまぁ、日本でいえば弥生時代に、ここまで成熟した人間たちが生きていたもんだなぁ...
項伯と張良の関係やさまざま登場する「士」の生きざまなど、司馬さんの解説に助けていただきながら読み進めていく……。 わかった気になっているだけなのか、しかしそうだとしても、彼らには本当にすばらしい。 よくもまぁ、日本でいえば弥生時代に、ここまで成熟した人間たちが生きていたもんだなぁ。
Posted by
項羽と劉邦の戦いが激化。人望の厚い劉邦は人を使って、項羽の猛攻をすり抜ける。後半の籠城戦における、劉邦の家臣による数々の奇策が見所。
Posted by
笵蔵が去るくだりを3回読んだ。 老翁は、項羽に仕えたことを後悔はしなかったのだろうか。 この時代の人々のあふれる感情は本当にドラマだ。 ていうか、もう、究極のツンデレ紀信よ!
Posted by
劉邦が情けない。只々情けない。ひたすら項羽に怯え、自ら権謀術数することもなく具申採択のみ。しまいには部下を放って逃亡する始末。 対して項羽の何たる豪傑ぶり。3万の兵を以って劉邦56万の兵を撹乱する様はまさに鬼神。家柄良し、才良し、武良し。誰が見ても皇帝に相応しいのは項羽だ。 ...
劉邦が情けない。只々情けない。ひたすら項羽に怯え、自ら権謀術数することもなく具申採択のみ。しまいには部下を放って逃亡する始末。 対して項羽の何たる豪傑ぶり。3万の兵を以って劉邦56万の兵を撹乱する様はまさに鬼神。家柄良し、才良し、武良し。誰が見ても皇帝に相応しいのは項羽だ。 しかし歴史は劉邦に微笑んだ。なぜか。 それは劉邦の人柄と有能な人材に恵まれたことに尽きる。司馬氏が「虚」と表現する劉邦のブラックホールのような懐の深さと身分や出生に拘らず教えを請う姿勢が、劉邦を前漢の高祖まで押し上げた。 特に韓信の能力を見出した張良が素晴らしい。何の実績もない、ただ不満しか言わない男を、さらなる上位職への登用を具申する。そして、それを受け入れる劉邦。これこそが劉邦が高祖になった本質であろう。 この大胆な人材登用は乱世だからこそ出来たのだろうか?いや、いまの時代だからこそ必要だと思う。本書は歴史小説ではなく、「人の上に立つ者とはどうあるべきか」と指南するビジネス書といえる。 連戦連敗の劉邦が、どのように項羽を破るまでに至るのか。下巻へ続く。
Posted by
中巻。 劉邦が圧倒的に不利な状況に変わりはないが、懐が深く、個性的な将を受け容れる劉邦に巻き返しの気運を感じる。 項羽と劉邦のリーダーシップが対照的に描かれる中、いよいよ最終巻へ。 以下引用~ ・戦国の現出の先駆的な条件は、古代社会にくらべ、農業生産力が飛躍的にあがり、自作農が...
中巻。 劉邦が圧倒的に不利な状況に変わりはないが、懐が深く、個性的な将を受け容れる劉邦に巻き返しの気運を感じる。 項羽と劉邦のリーダーシップが対照的に描かれる中、いよいよ最終巻へ。 以下引用~ ・戦国の現出の先駆的な条件は、古代社会にくらべ、農業生産力が飛躍的にあがり、自作農が圧倒的に増え、ひとびとは農奴的状況から解放され、それを踏まえての自立精神ができあがったということを見ねばならない。これによってアジア的な意味での個が成立し、この個の成立からさまざまな思想、発明が、沸くように出てきた。戦国の前時代の春秋期を含めて諸子百家がぞくぞくとあらわれ、中国思想史上、後代にもない絢爛とした時代を現出するのも、以上のような土壌に由来する。 ・人才に対する鈍感さは、逆にいえば項羽軍の特徴でもあった。勇は項羽ひとりで十分であり、智は范増ひとりで十分であると思い込んでいる項羽軍首脳にとっては、器才のある者をつねにさがさねばならぬという必要など頭から認めていなかった。
Posted by
劉邦の弱さ、不思議なカリスマ性が発揮されていく。 それにしても戦いは驚くほど弱い。 隙があるからこそ、部下が全力を尽くしてそれを助ける、とあるが、ただ単に運が良かっただけという印象を受ける。咸陽に入った時も、一時的に我を忘れて喜んだものの、すぐに項羽への恐怖で情けないほどの...
劉邦の弱さ、不思議なカリスマ性が発揮されていく。 それにしても戦いは驚くほど弱い。 隙があるからこそ、部下が全力を尽くしてそれを助ける、とあるが、ただ単に運が良かっただけという印象を受ける。咸陽に入った時も、一時的に我を忘れて喜んだものの、すぐに項羽への恐怖で情けないほどの逃げ腰になる。 項羽と劉邦は3巻の構成だが、劉邦は(たまにうまくいくものの)未だ苦戦してばかりいる。
Posted by
高校の漢文で習い、とても興味を持ち…その結果、「歴史小説」デビューを果たす事になった作品。 ある期待を持って読み解いていった。 漢文で登場した虞美人の最後の一節にとても期待していたからだ。 面白かった。確かに面白かった。 ハラハラ、ドキドキ…。 面白かったのだが…期待にあふれて...
高校の漢文で習い、とても興味を持ち…その結果、「歴史小説」デビューを果たす事になった作品。 ある期待を持って読み解いていった。 漢文で登場した虞美人の最後の一節にとても期待していたからだ。 面白かった。確かに面白かった。 ハラハラ、ドキドキ…。 面白かったのだが…期待にあふれていた虞美人の最後は漢文訳とほとんど同じだった・・・。 もっと、表現も豊かで、詳細が書き連ねられているのではないだろうか。 もっと切ない思いが出来るのではないだろうか。 そんな期待はものの見事に裏切られたww 歴史小説デビューとしては、少し難易度が高かったが… その後、日本史に興味を持ち、読むようにもなり、いいキッカケになったと思う。 ただ、歴史小説を初めて読む人には、絶対にオススメはしないw もっと、手軽な内容と、登場人物も少なく、名前も覚えやすい日本名からいくべきだとは思う!
Posted by