風神秘抄 の商品レビュー
笛と舞によって紡がれる物語。 音律とか律動といった言葉がいたる所に登場する。そういった世界感が心地よかった。 共振を軸に繰り広げられる場面は、圧巻。
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長いけど一気に読めた。 草十郎と糸世の運命がもう、泣けます。 大河のせいで後白河がどうしても松田翔太のイメージになってしまうんですが。それもありです。 鳥彦王、ナイスキャラ。 舞やカラスや、RDGを髣髴させるものもあってニヤニヤです。 勾玉三部作また読みたくなりました。 この...
長いけど一気に読めた。 草十郎と糸世の運命がもう、泣けます。 大河のせいで後白河がどうしても松田翔太のイメージになってしまうんですが。それもありです。 鳥彦王、ナイスキャラ。 舞やカラスや、RDGを髣髴させるものもあってニヤニヤです。 勾玉三部作また読みたくなりました。 この時代もおもしろいんだな~と改めて感じました。 熊野とか吉野とか行ってみたいな。
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※このレビューにはネタバレを含みます
おなじみ勾玉シリーズの流れを汲む本です。 気にはなっていたのですが、今回思い切って手にとってみました。 主に糸世と草十との関わりが中心なのですが、 鳥彦王との友情に絞って考えてみました。 草十は、孤独な人。笛の音色にもそれが現れて 聞く人を涙に誘う。 しかし彼は、異界とつながる何かを持っている。 そうして、鳥彦王と出会うことになります。 鳥彦は、人間ではなく烏だけど 草十と心を合わせることができ、彼の心の支えになっていきます。 鳥彦がいたからこそ、試練に立ち向かうことができ、 人間とつながっていけたのだと思います。 最後に糸世を得た時、 閉ざしていた心が開かれたことに気づく草十。 多くの人々と心をあわせて生きていける… 鳥彦の声はもう聞こえなくなってしまったけれど、 それで良かったのだと思います。 もし、心を閉ざしてしまうようなことが あっても、何かと心が繋がっていれば、 勇気をもらえて、生きていくことができるでしょう。 今、いじめなどで苦しんでいるひとに、 人間ではなくても支えになれる事がありますように。
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鳥と話せたら、楽しいだろうなぁ。 笛や舞いなどは、やはり神様への奉納芸能だから、平安時代なのに、こんなに神話に近い雰囲気なのかな。 門の向こうは天上界だと思っていたけど、糸世が行ったところは現代っぽい。 つながる先も、いろいろなのかな。
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現代でこそ、不吉なものとしてとらえられがちなカラス。 古来より日本では、天狗の遣いとして、神聖な獣の一種とみなされていたんだな、と思い出させてくれる本作。 勾玉シリーズとは一線を画しながらも、"足立"の名や鳥彦王、豊葦原といった懐かしい言葉も出てきて、その流れ...
現代でこそ、不吉なものとしてとらえられがちなカラス。 古来より日本では、天狗の遣いとして、神聖な獣の一種とみなされていたんだな、と思い出させてくれる本作。 勾玉シリーズとは一線を画しながらも、"足立"の名や鳥彦王、豊葦原といった懐かしい言葉も出てきて、その流れを汲んでいることがわかる。 主人公である草十郎は、世間を知らず、他人と交わることを避けて生きてきたために、人々の中で生きていく術も知らず、いわば田舎の純朴な少年だった。 彼が鳥彦王と出会い、糸世と出会うことで、生きること・死ぬこととは何かを考え成長していく物語。 前半こそ、向こう見ずで己の心にただ正直に突き進んでしまう危うさを持つ草十郎も、糸世を取り戻すための旅を経て、人を愛する心、物事の先を読む慎重さ、恨みや憎しみといった昏いものに落ちていかない毅い心を鍛えたのだと思う。 (これといった理由もないのに随所で涙があふれて止まらず、読み進めるのに苦労した。) 草十郎が熊野の静謐な空気の中、同じように静かな光をその瞳に湛えたままで上皇に告げた言葉がひどく大人びていたことが、とても嬉しかった。 草十郎に、見返りを求めないままできうる限りの手を貸し、言葉を尽くした鳥彦王の最後の言葉が胸を打つ。 草十郎の視線で物語は進んで行ったので、彼が誰の目にも判ってしまうほどの特別さを醸し出していた理由が結局最後まで判らなかったのが少し残念でならない。
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平治の乱がモチーフ。 カラスの若君と笛吹、舞子のかかわりが面白い。 生きること、変えられないこと、死ぬことに向かい合うことが、面白い。
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勾玉3部作のスピンウト的な作品。 善くも悪くもファンタジーだったという印象です。 16歳の少年、草十郎が主人公。16歳という年齢だから仕方ないのか、とにかくいきあたりばったりで猪突猛進に物語を進めていく。 戦場が舞台でもあるのに生や死の重みは感じられず、主人公の生まれもった特別...
勾玉3部作のスピンウト的な作品。 善くも悪くもファンタジーだったという印象です。 16歳の少年、草十郎が主人公。16歳という年齢だから仕方ないのか、とにかくいきあたりばったりで猪突猛進に物語を進めていく。 戦場が舞台でもあるのに生や死の重みは感じられず、主人公の生まれもった特別さだけが強調され、共感や感動できる場面は全くありません。 それが勾玉にも共通するこのファンタジーの作風なのでしょうが。 そういった部分を排除した物語はまとまりがあり、人物(カラスを含め)が綺麗に描かれています。この世の物ではないファンタジーの世界そのままで、昔話を聞き終えたような読後感です。 話としては面白く、一気に読んでしまいました。 勾玉は中高校生の時に読みました。 神話や古事記に興味もあったことから大好きになり、なんと壮大で美しい物語かと思ったものです。 この作品も10代で読んだなら感想が違ったのかなと思います。
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※このレビューにはネタバレを含みます
勾玉シリーズではない(こともないのでは)平安末期、源平の争いに揺れるころの話。 板東武者の家に生まれた草十郎(16歳)は腕はたつが、ひとり野山で竹笛を吹くことが好きな若者だ。平治の乱で源氏方の戦いに加わり、源氏の御曹司・義平を将として慕う。しかし源氏は不利になってうゆき、義平も獄門に首をさらされてしまう。幼い弟・頼朝だけでも生かせてやりたい、と願う草十郎。 義平の霊鎮めの舞を踊る遊芸人の少女・糸世(いとせ)と出会い、彼女の舞と笛を合わせることによって、別の世界の扉をひらくことができることと知る。 まさに荻原規子ワールド。 空色勾玉の鳥彦が好きだった人には嬉しい。RDGのにおいも・・・。
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源平の争いで世が荒れている平安末期。悪源太こと義平を将として慕い、戦い続けていた草十郎。主を失い絶望と孤独に生きていた彼を救ったのは清澄な気を生じる舞を舞う糸世だった。孤高な彼の笛音とひたむきな少女の捧げる舞が出逢うとき数多の天界の花々を降らし、世の天命を変えてゆく。だが類い稀な...
源平の争いで世が荒れている平安末期。悪源太こと義平を将として慕い、戦い続けていた草十郎。主を失い絶望と孤独に生きていた彼を救ったのは清澄な気を生じる舞を舞う糸世だった。孤高な彼の笛音とひたむきな少女の捧げる舞が出逢うとき数多の天界の花々を降らし、世の天命を変えてゆく。だが類い稀な才気は惹かれあう二人を翻弄の渦に巻き込んでいく。◆大好きな時代背景を舞台とした荻原さんの作品が読めるなんて幸せこの上ない。朴念仁の草十郎とお茶目な鳥彦王の絡みがあまりに滑稽で吹き出してしまう。鳥彦王の最後の言葉はすごく切なかった。http://ututusamayouhisseki.blog.fc2.com/blog-entry-30.html
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荻原作品に対する拭いきれない苦手意識を抱えつつもこの作品の舞台となっている時代設定に興味をもち手に取ってみました。 そんな「おっかなびっくり」の読み出しではあったものの、最初の数ページであっという間にこの物語の世界観にどっぷりと浸っていました。 これまでの荻原作品ではかなり強...
荻原作品に対する拭いきれない苦手意識を抱えつつもこの作品の舞台となっている時代設定に興味をもち手に取ってみました。 そんな「おっかなびっくり」の読み出しではあったものの、最初の数ページであっという間にこの物語の世界観にどっぷりと浸っていました。 これまでの荻原作品ではかなり強烈に感じ、KiKi の苦手意識を醸造してくれちゃっていたあの「少女マンガチックさ」がこの作品ではほとんど気になりませんでした。 そして、彼女が描く精緻な情景描写が、さながら「平安絵巻」のような、又は「曼荼羅絵図」のような美しさを思い起こさせ、耽美的な感動さえ呼び起こしてくれちゃったのです。 うん、うん、この作品は良い!! 物語の中で出てくる「曼荼羅曼殊(まんだらまんじゅ)」というものがどういうものなのかは実際のところよくわからないんだけど(^^;)、感覚の世界でそれを観たような気分になった・・・・・とでも言いましょうか。 この物語、本来の主人公は人間である草十郎と糸世(いとせ)なんだろうけれど、個人的にはカラスの「鳥彦王」がツボでした。 現代社会ではどちらかというと毛嫌いされがちなカラスだけど、この物語を読了した今、カラスを見ると何だか「神聖さ」を感じちゃうような気がしないでもない・・・・・ ^^; と、同時に日本人にとってカラスって元々はどういう存在だったのか?が気になり始めてきました。 (全文はブログにて)
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