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風神秘抄 の商品レビュー

4.2

127件のお客様レビュー

  1. 5つ

    51

  2. 4つ

    45

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

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2022/02/14

平安末期あたりをベースにしたファンタジー。 実在の人物との関わりがとても自然だった。 後白河上皇がヒールなのだろうが、憎みきれない魅力があった。主人公を辛い目に遭わせる立場ではあるものの、彼の行動のもとが、悪意ではないところが物語を厚くしているように思った。

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2021/08/21

草十郎と糸世と鳥彦王。 起こってしまったことはもとには戻せない。 今できることに最善を尽くす。 何かを得るためには何かを失う。 ファンタジーだから異界と繋がる話。 平安末期の現実に存在した鳥羽上皇や頼朝に絡ませながら孤独な少年が成長する、大勢の人たちに見守られていたこと、一人で...

草十郎と糸世と鳥彦王。 起こってしまったことはもとには戻せない。 今できることに最善を尽くす。 何かを得るためには何かを失う。 ファンタジーだから異界と繋がる話。 平安末期の現実に存在した鳥羽上皇や頼朝に絡ませながら孤独な少年が成長する、大勢の人たちに見守られていたこと、一人ではなかったことに気づく、 勾玉シリーズ、神竜あまねく住まう国、もう一度読みたくなった。

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2021/06/08

久しぶりに荻原規子作品を読みたくなり、未読の風神秘抄を手に取りました。 荻原さんの荒波に揉まれる少年少女の恋物語、やはりツボです、大好きです!! 主人公の草十郎、好きだなぁ… 歴史小説は苦手なんですが、内容は完全にファンタジーなので、とても読みやすかったです!

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2021/04/25

萩原規子さんの描く世界のテーマは、正しい愛が苦難を乗り越えること。だから全部ハッピーエンド、決してデッドエンドにはならないんだなと思った。正しい愛があるなら、必ず共に生きたいと願うから。 だから荻原さんの本が好きだし、読むと生きる勇気が湧く。

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2020/06/18

ティーン時代に勾玉三部作にはまり、日本古代~中世を舞台としたローファンタジーが大好物になった。もののけ姫なんかもいいよね。 そんななかで久しぶりに荻原さんの似た雰囲気の本を見つけたので、すわ4作目か!と思ったが、一応三部作に加えたわけではないとのこと。そうはいっても鳥彦王が出てき...

ティーン時代に勾玉三部作にはまり、日本古代~中世を舞台としたローファンタジーが大好物になった。もののけ姫なんかもいいよね。 そんななかで久しぶりに荻原さんの似た雰囲気の本を見つけたので、すわ4作目か!と思ったが、一応三部作に加えたわけではないとのこと。そうはいっても鳥彦王が出てきたり、勾玉シリーズをにおわせるところもあって楽しく読めました。 ただ、ちょっと歴史小説感が多分にあったかなぁ。特に冒頭は、史実を基にした記載が多いので読み進めるのに時間が要った。それだけ多くの知識を基に描かれているということなのではあるが。 そういう読み方をしたため、ひとつ気づいたことがある。 司馬遼太郎のような歴史小説と、ローファンタジーについて、共通点はどちらも史実を基にしつつ、空想の要素を入れていることであるが、大きな違いは主軸が史実にあるのか、空想にあるのか、ということではないか。 今作も、あくまで主軸は草十郎と糸世の物語であり、源氏や後白河法皇は重要な位置にはいるもののあくまでわき役。司馬遼太郎作品は主軸が歴史上の人物であり、まわりを空想で固める。どちらも面白いのだが、発想のベースが異なるという理解をしました。

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2020/04/07

勾玉3部作の続編みたいな感じの作品だ。勾玉シリーズとの直接の関連はないが、シリーズの流れを汲んでいると思われる。人間の言葉を解するカラスの鳥彦王等がそうだ。話自体は大変読みやすく、アッと言う間に読める、ファンタジーで異能を備えた少年と少女恋物語だ。

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2019/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2018年作家デビュー30周年と知り、読みたいなぁと思っていたので借りた。 平安末期。 草十郎の笛と糸世の舞の律動がまじわるとき、祈りは運命を変える力を持つ。 選ばれし者の孤独、お互いがともに特別な存在、食指が動く要素満載です。 勾玉三部作が良かったけれど、歴史に苦手意識があって読むのが遅くなりました。(二ヶ月近く借りていてすみませんでした。) 読んでいると満足で、読みたいけれど読みたくなくて、おもしろいすてきな世界が近くに本としてそこにあって……というはがゆい感覚が好きです。 内容ですが、やっぱり恋は孤悲です。 糸世の神隠しがあってからの草十郎の自問自答は、恋の醍醐味でもありました。 相手を強く求めるけれど、相手のことをわかっていたのだろうか? 自分の考えが足りなかったのではないか? 熊野の鳥彦王たちのカラスの描写が不気味で神秘的でした。 あと、風の音と笛の音は確かに似ています。 私たちは「見立て」が好きなんだなぁと感じ入りました。 終わりはあっさりしているので、続きをそうぞうするのも楽しそうです。

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2018/08/18

数年ぶりに再読。 前読んだ時は恋愛模様の部分にだけ興味を惹かれていたけれど、今読むと魅力はそれだけじゃなかったとよくわかった。 まず時代考証が滅茶苦茶ちゃんとされてるんですよ。出てくる建物や小物や街並みなど、まるで見てきたかのように克明に描写されてる。読んでいるだけで当時の今日の...

数年ぶりに再読。 前読んだ時は恋愛模様の部分にだけ興味を惹かれていたけれど、今読むと魅力はそれだけじゃなかったとよくわかった。 まず時代考証が滅茶苦茶ちゃんとされてるんですよ。出てくる建物や小物や街並みなど、まるで見てきたかのように克明に描写されてる。読んでいるだけで当時の今日の情景をありありと思い浮かべることができる。 それから実際の歴史的事実もファンタジーに上手く絡めているなあという印象。和風ファンタジーって最近溢れてるけど、「なんか和っぽいファンタジー」が多い中これはちゃんと地に足つけた和のファンタジーだ。日本の平安時代、そこで起こった実際の政争と戦争、それが主人公たちに影響与えている。 文章も適度に固くて、でも読みやすくてとてもいい。この著者の「授業のゆりかご」だったかな、にその本の主人公が「あなたは平易な文章を書ける人ですね」と先生に褒められる場面があるのだが、この著者の文章を読むといつもその言葉を思い出す。そう、くどくなくて知識開陳パートもなくて、詩的に走りすぎるとこもなくほんとうに平易なのだ。かといってラノベのように軽いわけでもない。(同著者のRDGでは随分軽い文章になっていて驚いたが、作品によって使い分けているのだろう) というわけで、これをティーン向けの児童文学にしておくのは勿体ない。大人にも読んでほしい。まあ内容的にはボーイミーツガールなので、そういう意味ではやっぱりティーン向けと言えるのだが。 要は和風ファンタジーが好きなら老若男女訪わず楽しめるということだ。戦いのシーンもあって格好いいし、あと音楽についてもかなり描写されているし、そういうのが好きな人にもおすすめ。 キャラも勿論魅力的ですよ。一番のお気に入りは鳥彦王。次点で日満。

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2018/05/17

子どもの頃、というには大人びた頃に読んで以来、久々の再読。 あの頃は、糸世と草十郎と鳥彦王ばかりが印象に残ったけれど、今読み直してみると、上皇の孤独が身にしみる。 草十郎が傍にいれば癒えたのかもしれないと思う一方、きっとそうなれば草十郎も上皇も不幸になっていたのだろうとも思えて、...

子どもの頃、というには大人びた頃に読んで以来、久々の再読。 あの頃は、糸世と草十郎と鳥彦王ばかりが印象に残ったけれど、今読み直してみると、上皇の孤独が身にしみる。 草十郎が傍にいれば癒えたのかもしれないと思う一方、きっとそうなれば草十郎も上皇も不幸になっていたのだろうとも思えて、どこかやるせない。 糸世たちに幸せになってほしい気持ちは相変わらずなのに、どうしてこんなにも上皇の寂しさが気になるのだろう。

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2017/08/18

鳥彦王がとにかくよかった。それだけにラストはひたすらに悲しかった。勾玉三部作との関連もほのかにある感じなのがシリーズ物っぽくて好み。義平のカリスマ性もすごく伝わってきた。笛のくだりではほろっときた。個人的に(岩手県民なので)頼朝にあまり感情移入できなかったけど、頼朝の兄の義平のす...

鳥彦王がとにかくよかった。それだけにラストはひたすらに悲しかった。勾玉三部作との関連もほのかにある感じなのがシリーズ物っぽくて好み。義平のカリスマ性もすごく伝わってきた。笛のくだりではほろっときた。個人的に(岩手県民なので)頼朝にあまり感情移入できなかったけど、頼朝の兄の義平のすてきさはとても伝わってきた。読み応えのある4冊だった。

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