菊と刀 の商品レビュー
10年ほどまえに購入したものの、挫折していたが、久々に手に取るとぐんぐん読み進めてしまった。現代日本人である自分の行動や考え方と、合致する部分しない部分があり、なるほど戦後すぐの日本人よりは近代化しているようだ。とくに、恩・義務・義理のみごとな構造化(題名である「菊と刀」は、義務...
10年ほどまえに購入したものの、挫折していたが、久々に手に取るとぐんぐん読み進めてしまった。現代日本人である自分の行動や考え方と、合致する部分しない部分があり、なるほど戦後すぐの日本人よりは近代化しているようだ。とくに、恩・義務・義理のみごとな構造化(題名である「菊と刀」は、義務と反対義務とを表しているに違いない。)と、日本における伝統的な育児法については面白い。階層社会における「ふさわしい位置」を見つけようとしてしまうことに気づき、日本人らしい自分を自覚した。
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いつか読もうと思いつつ、手がのびないまま年月が経ってしまう、「名著」と呼ばれる書籍の数々。 「意識して読もう」という気持ちが強くなった機会を逃すまいと、以前から気になっていたこの本に、取りかかることにしました。 執筆が開始されたのが1944年で、初版が発行されたのが1948年。...
いつか読もうと思いつつ、手がのびないまま年月が経ってしまう、「名著」と呼ばれる書籍の数々。 「意識して読もう」という気持ちが強くなった機会を逃すまいと、以前から気になっていたこの本に、取りかかることにしました。 執筆が開始されたのが1944年で、初版が発行されたのが1948年。 アメリカ国家がこれまで敵対した相手の中で、もっとも「気心の知れない」敵だった、日本人。 その日本人の行動と思考を研究せよというミッションを与えられた、アメリカ人文化人類学者による「日本人論」です。 全体で13の章に分けて書かれています。 その中でも多くのページが割かれているのが、日本人がどのような価値観を持ち、行動しているかという分析。 「恩」「忠」「義理」「恥」といったキーワードを提示して、日本人の行動原理を解説しています。 そして後半では、人材育成や子供の教育についての、日本人の目的と特徴についても、触れられています。 全体を通じて感じたのは、日本人自身が(特別なこととして)自覚していないことを、よくここまで分析、整理出来たなあということ。 ましてや著者は日本を訪れたことがなく(交戦中だったため)、文献のみを参考にしてこの本を書いたということに、ただただ驚いてしまいました。 戦後70年以上が経過した21世紀の今になってみると、日本人にも変化した部分があるかと思います。 しかし自分の1-2世代前の日本人のことを思い浮かべると、著者の指摘は急所をとらえた内容だなと、感じました。 日本にいて日本人に囲まれて暮らしていると、意識しないこと。 客観的な視点で、自らの思考・行動原理を見つめるということは、大変重要なことだと、気づかされた一冊でした。 『昭和天皇伝』伊藤之雄 https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4167900645 .
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ここで描かれている日本人がどのように変わったのか,それとも変わっていないのか,そんなことを考えたくなった。
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言わずと知れた文化人類学の名著。 遅ればせながら、読んでみようと思い立った。 日本文化を量的にではなく、質的に明らかにしようとした本だとのことで、具体的な記述が多い。 本当は全貌をきちんと理解しないといけないのだろうけれど、部分的な指摘の面白さに、ついつい目がいってしまう。 日...
言わずと知れた文化人類学の名著。 遅ればせながら、読んでみようと思い立った。 日本文化を量的にではなく、質的に明らかにしようとした本だとのことで、具体的な記述が多い。 本当は全貌をきちんと理解しないといけないのだろうけれど、部分的な指摘の面白さに、ついつい目がいってしまう。 日本人は身体的な快楽を卑しんでいないという指摘が面白かった。 この本では、食欲や性的なものにくわえ、もっと広範囲な、睡眠や風呂もそこに含めている。 以前英会話のラジオ番組で、アメリカ人講師が、日本人は「hobby」を簡単に聞きたがる、寝ることや食べることも「hobby」に含むと考えがちだと指摘していた。 逆に、アメリカ人の感覚を逆照射している感じがしたのだ。 日本人の子どものトイレ・トレーニングが、生後3か月過ぎから始まる、というのは本当だろうか? 母親が子どもを外に連れて行き、両手で子どもの脇の下から抱えて、「しいっ」と声をかけて、ひたすら用を足すのを待っている、というのがそのトレーニング方法だというのだが。 『逝きし世の面影』を読んだときに思ったように、そこに描かれた時から長く経って、すっかり私たちが変わってしまったのか。
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外国人と働く機会が増えてきた今こそ読みたい日本人論。海外の人にとって「死ぬ気でやる」という表現はぞっとするらしい。たしかにねw
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〈猛烈な努力と、全くの足踏み状態である無気力との間を、大きく気分が揺れ動くのが日本人生来の気質である〉 アメリカ文化人類学者日本人を語る。 日本を"恥の文化"、西洋を"罪の文化"と表現したことで有名な本ですね。 義理は守るけど、できるだ...
〈猛烈な努力と、全くの足踏み状態である無気力との間を、大きく気分が揺れ動くのが日本人生来の気質である〉 アメリカ文化人類学者日本人を語る。 日本を"恥の文化"、西洋を"罪の文化"と表現したことで有名な本ですね。 義理は守るけど、できるだけ避けようとする。はい笑 一所懸命に、役割を全うしようとする日本人らしさが、戦争中の玉砕主義や、敗戦後の速やかな親米化を実現したという記述に感動しました。 とても面白かったです
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日本人論の名著 筆者は訪日経験が無いにも関わらず、ここまで深く日本文化に踏み込むことができたとは。 ただ、少しステレオタイプ的印象を受けた。
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6割程しか理解できなかった気がするが、日本の義理、義務、恩、考、人情に対しての考え方が特殊であり、西欧諸国や他国からは不思議に思える考え方が多いこと。 中国などの宗教や文化を取り入れているものの、それらを日本化していること 本書は対日本の軍事目的の研究であるけれど、著者の考え...
6割程しか理解できなかった気がするが、日本の義理、義務、恩、考、人情に対しての考え方が特殊であり、西欧諸国や他国からは不思議に思える考え方が多いこと。 中国などの宗教や文化を取り入れているものの、それらを日本化していること 本書は対日本の軍事目的の研究であるけれど、著者の考え方はあくまで、人類学への興味・探究心であって、興味を持ってくれたということが日本人としてちょっと嬉しく感じた。 最後の評論が悪かった。少し古い書物であるから、ある程度の読みにくさは我慢するが、私はその評論に偉い人ぶった無駄な意思を感じた。また自分の理解力の無さからかもしれないが、あの評論は間違っているようにも感じる。右翼左翼という言い方は好きじゃないが、左翼的というか、別に著者が我々の特徴について悪いとは言ってないのに、少し内容を誇張して捉えて、これは日本の悪い特徴だったなどと言うのは違う気がする。 彼女が教えてくれた日本の特徴で、「自分が納得できるところの日本の善い面」を活かして行くことが大切なんじゃないかと思う。
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長年読みたかった、いや読まなきゃと思ってた本。 予想以上に読みごたえあった。膨大な事項を基に、「日本人は・・・」とドキッとする記述がある。一部に巻末で川島先生が指摘するような事実誤認もあるが、それを超えて「日本文化の型」を学べる。しかも著者のルース・ベネディクト夫人は来日経験がな...
長年読みたかった、いや読まなきゃと思ってた本。 予想以上に読みごたえあった。膨大な事項を基に、「日本人は・・・」とドキッとする記述がある。一部に巻末で川島先生が指摘するような事実誤認もあるが、それを超えて「日本文化の型」を学べる。しかも著者のルース・ベネディクト夫人は来日経験がない!特に「第7章 義理ほどつらいものはない」と「第12章 子供は学ぶ」はこの本を特徴づける章だと思う。 日本人の一人として、その強みである心の中の刀を錆びさせないようにしたい。
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[ 内容 ] 第二次大戦中の米国戦時情報局による日本研究をもとに執筆され、後の日本人論の源流となった不朽の書。 日本人の行動や文化の分析からその背後にある独特な思考や気質を解明、日本人特有の複雑な性格と特徴を鮮やかに浮き彫りにする。 “菊の優美と刀の殺伐”に象徴される日本文化の型...
[ 内容 ] 第二次大戦中の米国戦時情報局による日本研究をもとに執筆され、後の日本人論の源流となった不朽の書。 日本人の行動や文化の分析からその背後にある独特な思考や気質を解明、日本人特有の複雑な性格と特徴を鮮やかに浮き彫りにする。 “菊の優美と刀の殺伐”に象徴される日本文化の型を探り当て、その本質を批判的かつ深く洞察した、第一級の日本人論。 [ 目次 ] 研究課題―日本 戦争中の日本人 「各々其ノ所ヲ得」 明治維新 過去と世間に負目を負う者 万分の一の恩返し 「義理ほどつらいものはない」 汚名をすすぐ 人情の世界 徳のジレンマ 修養 子供は学ぶ 降伏後の日本人 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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