1,800円以上の注文で送料無料

沈黙博物館 の商品レビュー

4

72件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2015/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後が安部公房の砂の女のように主人公が囚われる 庭師が怖かった 文章は美しかった 小川さんの話の中で怖くなった話だった

Posted byブクログ

2014/03/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「博士の愛した数式」を読み、小川洋子さんの他の作品を読みたい!と思い、作品のタイトルに惹かれ手にした一冊。 全体を通して、冬の静けさと薄灰色の重たい雪、というイメージ。 正直、読後感はすっきりしなかった。 (恐らく)自己表現のためにと、そんな勝手な理由で殺された挙句、形見として乳首飾られたくなんかないよ!って思ってしまったから仕方ない。

Posted byブクログ

2014/01/17

密やかな結晶を読んだときと同じ。 意味はわからないけど何か強く引き付けられて、意味はわからないのに息を詰めて一気に読んだ。 市川春子の漫画に少し似ている。 小川洋子の作品は国を感じさせないところがある。 落ちている髪の毛を不快に思うのは、そこに有機物から無機物への変容を見るから...

密やかな結晶を読んだときと同じ。 意味はわからないけど何か強く引き付けられて、意味はわからないのに息を詰めて一気に読んだ。 市川春子の漫画に少し似ている。 小川洋子の作品は国を感じさせないところがある。 落ちている髪の毛を不快に思うのは、そこに有機物から無機物への変容を見るから。 その人間が生きていたと言う証拠である物体(形見)は、髪の毛と同じく生前は有機物であり死後は無機物であった。その無機物に新たな役目、展示品としての役目を与えることで、有機物へと再転換させる。 形見とは、卵細工と同じなのかもしれないと思った。 修道院の中の描写が素晴らしく美しい。あのシーンだけでも、読んでよかったと思った。

Posted byブクログ

2013/12/17

形見の博物館。 一つ一つの形見のお話しが読みたくなる。 この博物館に保護されれば 自分が生きた証は残されていくのかと思うと 自分の形見も仲間に入れてほしい気がしました。

Posted byブクログ

2013/09/26

小川洋子に特有の、しかしそれにしても、これまでよりも一層に静かな静かな物語。なにしろ、そこでは生きている者たちのことごとくが「形見」を通じて死者たちに奉仕する世界なのだから。「耳縮小手術専用メス」、「沈黙の伝道師」、「泣き祭り」、「シロイワバイソン」など、異空間の物語世界を構成す...

小川洋子に特有の、しかしそれにしても、これまでよりも一層に静かな静かな物語。なにしろ、そこでは生きている者たちのことごとくが「形見」を通じて死者たちに奉仕する世界なのだから。「耳縮小手術専用メス」、「沈黙の伝道師」、「泣き祭り」、「シロイワバイソン」など、異空間の物語世界を構成する要素も巧みに配されている。「沈黙の伝道師」は、萩尾望都の『スターレッド』の「夢見たちの杖」を連想させたりもするが。そして、物語の終盤は、ことさらに怖く、またやりきれないほどの孤独と絶望の、凍りつくような世界が用意されている。

Posted byブクログ

2013/07/25

終始登場人物の名前が出ていないのにも関わらず、そのことに読み終わるまで気がつかないほど自然で美しい文体で描かれています。庭師と主人公との穏やかな交流と、その下に潜む秘密が徐々に明らかになっていくのをどきどきしながら読みました。

Posted byブクログ

2013/06/21

小川洋子の作家としての主題は「死あるいは死の空気」だろうが、この本も例に漏れず、そして濃密。 また読者に色んな想像の余地を上手く与えている。 主人公自身が実は黄泉の世界の住人なのか、『アンネの日記』を下敷きにした死者への祈りなのか等など、とにかく終わりに近づけば近づくほど様々な考...

小川洋子の作家としての主題は「死あるいは死の空気」だろうが、この本も例に漏れず、そして濃密。 また読者に色んな想像の余地を上手く与えている。 主人公自身が実は黄泉の世界の住人なのか、『アンネの日記』を下敷きにした死者への祈りなのか等など、とにかく終わりに近づけば近づくほど様々な考えが湧いてくる(ちょっとした閃き含めてここには書き切れないな)。 なかなか手ごわい小説です。

Posted byブクログ

2013/03/25

ある日、主人公は生と死の間にある村を訪れる。 村の住人たちは、自分たちがすでに死んでいるにもかかわらず、その現実を受け入れられずにいる(二人の刑事も含め)。 そしていつか、彼らにはきっかけが与えられ、完全なる死の世界へと旅立つことに。

Posted byブクログ

2016/06/19

『猫を抱いて象と泳ぐ』を思い出しながら読んでました。 チェスの世界と博物館の世界という違いはあれ、どこか似通った幻想的な雰囲気があります。そもそもどこの国の話なのかも判然としませんし。 登場人物はそれなりに(と言うか結構活発に)動き回りますし、会話も豊富なのですが、どこか絵画的な...

『猫を抱いて象と泳ぐ』を思い出しながら読んでました。 チェスの世界と博物館の世界という違いはあれ、どこか似通った幻想的な雰囲気があります。そもそもどこの国の話なのかも判然としませんし。 登場人物はそれなりに(と言うか結構活発に)動き回りますし、会話も豊富なのですが、どこか絵画的な静止状態と静けさを感じてしまいます。何処から醸し出されるものなのか判りませんが、小川さん独自の静謐感です。最後は少々荒っぽい感じがありましたが。。。 続けて読む気はないけれど、これからも折に触れ小川さんの作品を読んで行こうと思います。

Posted byブクログ

2013/02/22

小川洋子4作め。時間の流れ方とか、雰囲気とか、読んでいると吸い込まれていく感じとか、とても好きです。

Posted byブクログ