太陽と毒ぐも の商品レビュー

角田光代(著者)

2009/10/04

つくづく油断のならない作家だと思う。
何てことはない恋人同士の日常が、ふっとかぎろう瞬間を、金魚すくいのポイをひらめかせるようにして目の前に見せてくれる。
やたら迷信ぶかい、あまり風呂に入ってくれない、ジャンクフードばかり食べる。人に打ち明ければ笑い飛ばされるだろうけれど……。この「……」の部分が鮮やかに書かれている。
「好きだから」ゆるせないのか、「好きなのに」ゆるせないのか、それが問題だ。

2009/10/04

短編が11本
どぉしてこの人が描く女性は悲しくなるほど痛いのかなぁ。。。
共感できる部分もあるけど、角田さん自身あとがきで書かれているけど、ばっかみたいな恋人ばかりの話だよね。けど、実際、こういうカップルって結構いるんだろうなぁ。だらだらと続けてしまうってね。(2006.05.29)

2009/10/17

2006.04.　彼氏と彼女になれて晴れてハッピーエンド、その後。グダグダ続く彼氏とのやりとりや気持ち、読んでてもなんだかなぁと思うんだけど、リアリティがある。きっと、こういうカップルは巷に溢れているんだろう。嫌いかも〜と思って読み始めたら、意外と面白かった。

2009/10/04

いろんな恋人たちを描いた短編集。恋人同士の価値観の違いや溝ってどうしても埋まらないものもあるんだね…。愛があれば妥協できるのかどうなのか。どうにも言い切れない気持ちが上手く言葉になってる感じ。巧み。「共有過去」と「旅路」が好き。

2009/10/04

どちらかにどこかしら変わっている特徴のあるカップルの話がつまった短編集。
相手には変な特徴があって、それがどうしても許せない！でもなんか好きなんだよなーって話。

傍から見るとくだらないけど、当人達にとってはどうしても我慢できない…。読んでいてくだらないことに怒る主人公に笑い、我が事のように共感して怒り、同情し…喜怒哀楽を起こされるような物語と文章でした。

こんなこと体験はしないだろうけど、どんな恋愛の話より題材がリアル。そして救いが無い終わり方をするのもどんな恋愛小説よりりあるなんじゃないでしょうか。それでも付き合ってしまったり、やっぱり別れてしまうのが人間というもの。
なんとなく昔読んだ本に書いてあった「『所詮完璧な好き』は『あーすっごくキライなのにどこか好きなんだよチクショウ！！』にはかなわない」って言う言葉が分かるような気がします。救いが無いのは希望が無いってことじゃないんですね。

角田光代さんはどうにもならない気だるさや虚脱感を表現するのがとても上手な作家だと思います。

あと、自分が登場人物になるなら間違いなく問題のある方だな…と。

2009/10/04

あの妙なわだかまりをこんな文章にできるなんて、お話にできるなんて、すごい。この人上手くなってるんだなぁと見直した。

2009/10/04

価値観の違いと男女の関係がテーマの短編集。角田さんの小説はサックリしてて読みやすいから好き。今回のもリズミカルに読めた。一見どうでもいいことで真剣に悩むカップルを見て可笑しかった。多分わたしはそういう細かいところでいちいち悩む男とは付き合えないなあと思う。登場人物のニックネームがありえなさげでちょっと嫌でした。好きなお話は「雨と爪」「57577」「昨日、今日、明日」。

2009/10/04

ウフ（マガジンハウス刊）というフリーペーパーで連載されていて、いくつか読みました。全部ちゃんと読みたい！そういえば、直木賞受賞されましたね、対岸の彼女。これも読んでみたいです。